世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

こどもみたい

2007-05-26 11:30:03 | アートの小箱
昨日、スーパーの鮮魚売り場で、ほら貝を売っていたのです。一個198円。ほら貝なんて食べられるんだあって思ったのですが、どうしよう、珍しい、一個ほしいな。で、ちょっと迷ったのですが、買ってしまいました。

料理の仕方なんて知らないので、塩茹でしてみたんですけど、硬くて食べられなかった。でもいいんです。ほしかったのは貝殻ですから。歯ブラシで磨いて洗ってみたのですけど、けっこうきれい。これで何かやってみたいなあ。工作用ニスを塗るのは簡単だけど、ちょっともったいない。きれいだから、とにかく写真撮ってみよって、窓辺において写真とって見ました。

こういうことをするとね、人様には、あほだねとか、かわいいねとかいわれます。でもね、わたしはね、大人はつらいなって思う。きれいだなって思う心を、素直に楽しめないの。面白いなって思えば、ちょっとやってみればいいの。それだけなんだけど、子供みたいに、失敗して、笑われるのが怖くてやれない。
鮮魚売り場のほら貝。ほんとは料理の仕方とか使い方とか、あるんでしょうけどね、大人のやり方ってのがあるんでしょうけど、人はそこから突っ込みいれられるのがこわくて、おもしろいことできないの。ほんとにお前は子供だなとか、何にも知らないんだなっていわれるのがこわくて、できない。

絵はモリゾの描いた女性の肖像です。タイトルは忘れましたが、笑ってる女性がかわいくて気に入ってます。女の子はかわいい。自分の感性を楽しめる。女の子は一生、すっかり大人になってしまわなくてもいいから。いつだって楽しいもの、きれいなものを手にとって、楽しめる。
でも、大人になってしまったら、完全にそれを捨てなくてはいけない。少なくとも、今の世界では。愛と微笑みだけでは生きていけない世界になってしまっているから。すべてをつまらないものにして、滅ぼしてしまっていい、やっつけてしまっていいってものにしなければ、人間は生きていけないって世界になってしまっている。

モリゾはいい画家だと思うんだけど、相当な評価はされてませんね。理由はひとつ、女性だからでしょう。あんまりにかわいすぎて、本流じゃないて感じにとられるのかな。いろいろ世間をわかっている男の作品のほうがいいって思われるんだろうな。

でも正直、現代アートは息苦しい。芸術が、あまりに高いところ、偉い人がやるものになってしまってて、なんだか苦しい。見て楽しいものって言うより、えらい画家が描いたんだって思わなくちゃいけないのかなって感じでね。

アートの本質は、人間の感性を楽しむってことじゃないかなって気がするんですよ。スーパーで買ってきたほら貝を洗ってみる。貝の美しさを楽しんでみたい。そんなのがわたしは楽しいなあ。

こどもみたいですけどね♪
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2 コメント

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髪を結ぶ少女  (suzukake)
2007-05-26 20:09:47
モリゾの絵はルノアールのような絵に見えます。
でも背景がピンクなのでルノアールより色が明るく
やさしい少女に描がかれていますね。
Unknown (てんこ)
2007-05-26 20:39:41
ルノワールはきらいなんです。
絵の中で、おんなのこが「あーあ、ちがうのにな」て言ってるから。
モリゾがすきなのは、生きてるからですよ。
わかりませんか?

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