村人たちが追いかけた。アシメックは後ろを見た。ゴリンゴは困ったような顔をしてアシメックを見た。アシメックは謝った。
「すまない。みっともないところを見せてしまった」
するとゴリンゴは安心させるように言った。
「泥棒なんぞ、ヤルスベにもいる」
「そうか。そっちではどうしているんだ」
「なんとかしようとしているんだがね、逃げるばかりでどうにもならない」
「どことも同じなんだな」
ふとアシメックは、ゴリンゴの後ろから、アロンダが濡れたような目つきで自分を見ているのに気付いた。アシメックは一瞬、困ったなと思った。オラブに、アロンダを見られたかもしれない。
何かはよくわからないが、それがアシメックに一種の不安を感じさせた。ミコルの今朝の風紋占いが、思い浮かんだ。