「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

追憶の砂山の唄茱萸熟るる 清野やす 「滝」10月号<滝集> 

2015-10-19 03:46:29 | 日記
 「砂山」の唄は新潟を舞台にした唄である。北原白秋が
講演で新潟を訪れた際、小学校の生徒に約束した歌で、白
秋が新潟を凝縮して作ったのが「砂山」だそうである。
 作者・清野やすさんは、滝誌十月号から掲載されている
「私たちの戦争の記憶」でも紹介されているように新潟の
お生まれである。秋茱萸は十月頃赤く色付いて美しい。先
日、宮城と山形の県境の笹谷峠で秋茱萸を見た。真っ赤に
熟れていた。新潟の茱萸は海沿いに育ち、赤く熟れるのだ
ろう。「砂山」を口ずさみながら懐かしい少女時代を思い
出している。(鎌形清司)