「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

絵ガラスを通り抜けたる夏の夢 阿部風々子

2021-09-27 05:57:04 | 日記
美しい作品ですね。「俳句は詩」だということをあらためて思った句でありました。「絵ガラス」はステンドグラス。「通り抜けたる」という光と時間。「夏の夢」は睡眠中の夢とも、将来への願望を意味する夢とも読める。なぜか私の頭の中に井上陽水の「少年時代」が流れてきた。♪青空に残された私の心は夏模様♪。「夏模様」という造語は「青空」という記憶装置を介して、子供のころの楽しい夏の思い出と共に、若干ネガティブな気持ちが含まれているような気がする。掲句にも同じような心を感じた。美しさと時間に達成感のようなものがあって、虚脱感としての「夏の夢」なのかも知れない。
 先日、句集を頂いた。きっと、それを頑張った九十歳の夏だったのですね。ホッとするのはまだ早いですよ。『風々子さん頑張れ、やる気は出すものだよ』と、エールを送りたい。
 句集「志ほか満」のご出版、誠におめでとうございます。そしてありがとうございます。ゆっくり丁寧に読ませて頂きます。(博子)


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