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『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

2014年02月07日 | 映画(あ行)
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(原題:The Wolf of Wall Street)
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ,ジョナ・ヒル,マーゴット・ロビー,マシュー・マコノヒー,
   ジョン・ファヴロー,カイル・チャンドラー,ロブ・ライナー他

封切り日の先週金曜日、仕事帰りに観に行く計画を早々と立て、
前売り券をゲットしておこうと思ったら、前売り券もムビチケも見当たらず。
レイティングがずっと未定だったせいなのでしょうか。
ローソンチケットのみで販売と知り、Loppiにて購入しましたが、
安く観られる機会が少ないと、興行成績に影響が出そう。

どうしてレイティングが決まらないのだろうと不思議だったものの、観て納得。
こんなに卑猥な言葉が連発されていれば、そりゃ処置に困るでしょう。
“fuck”という言葉が非ドキュメンタリー作品としては史上最多登場するという記事に笑いました。

1980年代から1990年代のウォール街で“狼”と呼ばれた実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォート。
彼の回顧録『ウォール街狂乱日記』を巨匠のマーティン・スコセッシ監督が映画化。
最初に映画化の話が浮上したときは、リドリー・スコット監督にオファーされたというのもおもしろい。
スコット監督が撮っていても主演はディカプリオの予定だったそうで。

1980年代後半、まだ20歳を過ぎて数年のジョーダンは、LFロスチャイルド社に入社。
強烈な個性を持つ社長マークの教えを守って仕事をするうち、
天性の口の上手さと行動力でぐんぐん成績を上げてゆく。
ところが、無事に資格も取得して今からだという日がまさにブラックマンデー。
LFロスチャイルド社は潰れ、ジョーダンは呆然とする。

適当に職を見つけようとするジョーダンに、妻のテレサは言う。
「あなたは株の仲買人なのだから、それ以外の仕事はすべきではない」と。

ジョーダンはニューヨーク市郊外の投資家センターに面接に行く。
社長から、ゴミと言ってもいいような株を客に売りつけてみろ、
もしも売れたら50%の手数料をやると言われて奮起。
奮起と言ってもジョーダンにとっては御茶の子さいさい、
周囲にいた社員が目を見張るセールストークで、大量の株をあっさり売ってみせる。

価値のない株に大金を投資させてべらぼうな手数料をふんだくる。
その方法を知ったジョーダンは、月に700万ドル以上を稼ぎだすようになる。
そんな彼の姿に惹かれた近所に住むドニーが、ぜひ自分を使ってほしいと言う。

こうしてジョーダンはドニーを従えて会社を設立。
学があるとは言えない友人たちを引き入れると、セールストークを徹底指導。
それらしき社名にしようとストラットン・オークモント社と名づけられたその会社は、
みるみる顧客を獲得、社員もどんどん増えて一躍大企業へ。
ジョーダン自身も年収49億円の億万長者となり、セックスとドラッグに明け暮れる。
やがてそんな彼に捜査当局も目を付けて……。

179分の大長編で、予告編も入れると、109シネマズ箕面では駐車場料金のサービスが追っつかない。
期待値が高すぎたため、駐車場料金を負担したわりにはイマイチな印象ですが、
レオナルド・ディカプリオの演技はいつもながらのキレ味。
出番が少ないのに圧倒的な存在感、マーク役のマシュー・マコノヒーも素晴らしい。
『マネーボール』(2011)のインテリ役が似合っていたジョナ・ヒルは、
お下劣ネタを頻発するドニーを熱演。飽きることはありません。

お金があれば幸せだということはないけれど、あるほうがいいに決まっている。
それでも度を超して持ちすぎると、幸せに人生を送れるかどうかは
使い道によって変わるんだなぁと当たり前のことを思います。

『ソーシャル・ネットワーク』(2010)や『スティーブ・ジョブズ』(2013)では、
成功を手にしたとたん、友人を切る切らないの話がありました。
本作でよかったのは、会社設立時の仲間たちが誰ひとりとして裏切らないこと。
なのに最後の最後にジョーダンは仲間を売ってしまう。
このせいで、華々しかったはずの人生に空虚を感じざるを得ません。

15年ほど前に住んでいたマンションの大家さん。
地域のボランティア活動にも熱心な人で、いい人だなぁと思っていました。
あるとき、管理人さんにそう言ったら、
「お金のある人は、心に余裕があるからね」。
お金がなくても心に余裕は持ちたいと思うのでした。

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