夜な夜なシネマ

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『アンリミテッド』

2015年06月05日 | 映画(あ行)
『アンリミテッド』(原題:Tracers)
監督:ダニエル・ベンマヨール
出演:テイラー・ロートナー,マリー・アヴゲロプロス,アダム・レイナー,ラフィ・ガヴロン他

3月末のこと。109シネマズ箕面で上映される予定の本作に興味を惹かれました。
数日後の何も割引のない日に観に行けそうだったので、
前売り券を確保しておこうと調べたら、前売り券の販売なし。
まもなくシネコンで公開されるというのに、
どんな形の前売り券もないってどういうことよ、客を呼ぶ気があるのかと不思議でした。

定価でしか観るすべがないのなら、ほかの作品にしようかと迷っているうちに、
5月の連休まで待てばDVDレンタルが開始されると判明。
マジで客を呼ぶ気がないんやと笑いました。
てなわけで劇場で観るのは取りやめて、レンタル開始後すぐに鑑賞。

“トワイライト”シリーズのジェイコブ・ブラック役、テイラー・ロートナー主演。
リュック・ベッソン監督の『YAMAKASI ヤマカシ』(2001)で話題になったスポーツ“パルクール”に目が釘付け。

ニューヨークをバイク・メッセンジャーとして駆け回るカム。
諸般の事情により、やばい筋から借金。返済日の容赦ない取り立てが辛い。
しかし、亡き父の愛車だったポンティアックだけはどうしても手放したくない。

ある日、いつものように街を自転車で疾走中、パルクール集団を目撃。
フランス発祥のスポーツ“パルクール”は、特別な道具を用いることなく、
障害物を乗り越えるなどしてすばやく移動する競技。
カムは逃走中らしきその集団の中にいた美女と激突、怪我はなかったが自転車が大破。
美女は詫びの言葉を述べるとそのまま去ってしまう。

自転車が壊れては仕事ができない。
かといって新しく買う金などなく、困り果てていたところ、
ピカピカの新車がカム宛てに届けられる。
「自転車、ごめんね」のメッセージとともに。
あの美女にちがいないと、カムは街を駆けて探しまわる。

ようやく見つけた美女はニキと名乗り、
ニキの兄ディランをはじめとするパルクール集団を紹介してくれる。
やがて彼女たちのボスらしき男ミラーと面会したカムは、
メキメキとパルクールの腕を上げたことを評価され、仲間に入らないかと誘われる。

高収入と引きかえに、その仕事はヤバさ全開。
中身がどんなものであろうと目的地まで届けるプロの運び屋で、
裏社会と取り引きするあまりにも危険な仕事が待っていて……。

これまでも“パルクール”という名前は聞いていたのでしょうが、
まったく記憶に残っていませんでした。
今回ほぼ初めて目にしたこのスポーツ、ものすごく面白い。
こんなものを実際に街なかでやられたら迷惑なことこの上ありませんが、
カムたちがマンハッタンのビルや車の間を軽~くすり抜け、
飛ぶように移動する姿に魅了されます。

話の展開としては特に目新しいこともなく、
ヤバそうだと思っていたらやっぱり汚職がらみで、
極悪人は最後に痛い目に遭い、捨て台詞を吐く。
カムとニキはハッピーエンドで、何の変哲もありません。
が、パルクール自体は劇場で観ればさらに迫力があったはず。
もう少しやる気を見せて公開してくれればなぁ。

ちなみに原題は“Tracers”、パルクール競技者をそう呼ぶのだそうです。
邦題までテキトーでやる気なさそうに感じるのは私だけ!?
そんなにひどい作品でもないのに、お気の毒。

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