常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

岩手山 

2021年06月30日 | 登山
岩手山 花と湖を巡る山旅。花と展望

夏山の季節がやってきた。今年の第一弾は岩手山、標高2038m。今回は山中の山小屋泊を避けて麓の休暇村網張温泉に前泊する。梅雨の季節のなかの計画であったので雨を心配したが、今の2日は「天くら」で岩手山の登山指数は午前A、午後Bとなった。事前の山の様子を見るために、YouTube「岩手山 花と湖を巡る山旅」を同期させていただいた。この日のため、4日間、付近の里山を歩いた。

早いもので、岩手山に登る日が明日に近づいた。「天くら」の登山指数は2日のみA、なんとかこのまま持って欲しい。私はこの山に4度目であるが、花巻生まれの宮沢賢治は中学から高等農林に通った時代に28回もこの山に登ったと言われる。詩にも童話にもこの登山体験は、色濃く反映されている。

 東岩手火山 

月は水銀 後夜の喪主
火山礫は夜の沈殿
火口の巨きなゑぐりを見ては
たれもみんな愕くはずだ
(風としづけさ)
いま漂着する薬師外輪山
頂上の石標もある
(月光は水銀 月光は水銀)
(こんなことはじつにまれです
 向ふの黒い山・・・って それですか
 それはここのつづきです
 ここのつづきの外輪山です 
 あすこのてっぺんが絶頂です
 向ふの・・・
 向ふは御室火口です
 これから外輪山をめぐるのですけれども) 以下略  宮沢賢治


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夏の岩海

2021年06月28日 | 日記
平日の三吉山は静かだ。岩海で一人の人とすれ違っただけで、人もいない。高山で鳴く春ゼミの声もない。岩海に出るまでの雑木林は格好の日よけになっている。日を遮ってひんやりとした空気が流れている。岩塊に出ると、日がさして岩の熱気も伝わってくる。岩海の成因は、はるか氷河時代にさかのぼる。大きな岩石に水が入り、それが氷って岩が砕かれ、斜面に堆積したものであるらしい。この岩の部分には草木が根付かず、岩の海のような形状である。広島などに大規模な岩海があるらしいが、ネットの写真を見るのみだ。

心拍数を上げない歩き方を試している。歩き始めて15分、心拍数は120ほどだが歩くことに身体が馴れないためか少し苦しい気がする。フラットの足を地面につけて、両足は二本の線路のように二つの軸で歩く。30分、もう三吉山の頂上だ。心拍数は130以下に抑えられ、心蔵の苦しさは収まっている。月山の残雪が少しだけ見える。ここから歩を葉山へ進める。静かな緑のなかを歩いていると、フランスの思想家ルソーの『告白録』の一節が頭をよぎる。

「徒歩は私の思想を活気づけ、生き生きさせる何ものかを持っている。じっと止まっていると、私はほとんどものが考えられない。私の精神を動かすためには、私の肉体は動いていなければならないのだ。田園の眺め、快い景色の連続、大気、旺盛な食欲、歩いてえられるすぐれた健康、田舎の料亭の自由さ、私の隷属を思い起させる一切のものから遠ざかることが、私の魂を開放し、思想に一そうの大胆さをあたえる。」

私の頭に浮かぶ思想と言えるほどのものはない。歩くことが楽しく感じられるなら、深い安堵のなかに生きられる。歩きながら今日なすべきことを考える。
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緑の道

2021年06月27日 | 日記
森のなかでは春の花が終り、木々の緑が主役である。花を見るのはうれしいが、滴るような緑にも癒される。山には四季それぞれの美しさがある。人は自然に触れると何故か元気を貰える。足が丈夫で元気であるうちは、できるだけ長く自然に触れ合っていたい、それがこの年になっての願望である。

山道をゆっくりと歩く、これが高齢でも山歩きを続けられる唯一の方法であるらしい。心拍数をあげないことこそが山歩きの秘訣だ。筋肉中に乳酸を発生させてはいけない。体力の60%以上の強度の運動では、乳酸が筋肉中たまる。筋肉痛のほか、息切れの原因になる。さらに汗をかき過ぎる歩行。脱水によって疲労が促進される。

高齢になれば原点に立ち戻って、歩行の基本を復習すべきだ。もう年だからと歩くのを諦めたくない。ネット上には、参考にすべき歩行講座など、動画で解説してくれるサイトが多数ある。80の手習いなどと冷やかされそうだが、人よりも努力することなしに、筋肉の衰えを防ぐ方法はない。
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孔雀サボテン

2021年06月25日 | 
花を待つ」という記事を書いてから3日、夜になって孔雀サボテンの花が三つ、一時に咲いた。ピンクの上品な色で我が家の貧弱なベランダが急に明るくなった。なんと豪華な花だろう。同じ仲間の月下美人は、やはり夜に咲くが、朝になるとすぐに萎んでしまう。以前、この花を咲かせていたときは、夜の晩酌の間にさいて、朝の萎んだ花を見ることが屡々であった。残念な思いをしたもであったが、その点孔雀サボテンは開花しても2,3日もつようなので、安心して豪華な花を楽しむことができる。

仙人掌に跔まれば老いぐんぐんと 三橋鷹女
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二ッ森

2021年06月23日 | 登山
二つ森は尾花沢の西の集落母袋の奥、仙台との県境に近い双耳峰だ。放牧場の採草地の橋に登山口があり、沢筋を登って鞍部に至る。北に岩峰を見せる男山(742m)、南になだらかな女山(695m)。岩峰の男山には、岩登りのエキスパートだけが入山して、女山には家族連れで登る市民の憩いの山だ。このほど男山に藪を払い、岩峰を避ける登山道ができた。冬、雪の中を歩くのが定番のやまであったが、この情報を得て、男山の初登頂を試みた。

山の会も曲がり角にさしかかっている。高齢になって次第に登る山が少なくなっている人、積極的に挑戦する活動的な人たちの周りには新しい人たちが仲間に加わってくる。会の性格が変わりつつある。高齢の人たちが山を楽しむき機会を維持しながら、活動的な人たちも満足できる。二つを同時に満たすのは容易ではない。土曜という週末、山へ人が集中する日に山行を計画する必要が少なくなりつつある。平日で登りやすい山として選ばれたのが、尾花沢の里山である二ッ森だ。標高700mほど、女山までなら下山まで3時間足らずの登りやすい山だ。最高齢のkさんが参加したことで、メンバーは力を合わせて新しい男山の登りにとりかかる。

沢筋の道はしっかりと手入れされている。木や花の名を示す小さな標識。あたりは万緑という言葉ふさわしい、緑の渦だ。片隅にツツジの赤い花。「万緑叢中紅一点」とはまさしくこのことであろう。山の会は次第に女性の数が多くなっている。職を辞してから、活動的なのは女性だ。家で高齢の男性はどう日を過ごしているのだろうか、ちょっと興味がある。
岩峰の見える男山は、急な斜面を覆うように生えるブナの存在感に圧倒される。ブナの緑がもっとも美しい季節だ。藪からはウグイスの鳴き声が聞こえる。下草を刈って作られた登山道は急な坂が続く。所々に岩肌が露出し、この山が岩峰であることを思い出させる。急な斜面に取り付けられたロープ、坂の滑り止めに、土が足跡ほどにえぐられている。高齢の加藤さんは、このロープにつかまり、小さな笹をつかみ、這うようのして急坂を少しづつ登る。聞けば、今なお、近所にある小さな山歩きを毎朝1時間ほど歩くのだという。日常の生活習慣が、仲間との山歩きを可能にしている。雄山には、1時間ほどかけて全員が登った。本日の参加者9名、内男性3名。新しい仲間のkさんが加わった。鞍部に降りて、そこへ最高齢のkさんを残して女山に向かう。往復30分弱。心配された雨も、我々の行動を避けるように雲とともに去って行った。

万緑をかへり見るべし山毛欅峠 石田波郷

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