まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

事実と解釈の区別 「あわてて判断してはいけない!」

2014-02-06 17:40:33 | グローバル・エシックス
「戦争と平和の倫理学」 では最後の数回を使って 「非暴力コミュニケーション」 について、
ワークショップなども行いながら学んでもらいました。
「非暴力コミュニケーション」 についてはそのうち詳しく論じることにしますが、
4年前に同じことを予告したまま今に至っておりますが…)
今日はそれに関連する動画を見つけたのでご紹介させていただきます。

「非暴力コミュニケーション」 では大きく分けて次の4段階を学んでいきます。
1.観察と解釈の区別
2.感情と非難の区別
3.必要と手段の区別
4.お願いと要求の区別
これらの区別を学ぶことを通して、暴力的ではない方法で他者との紛争を解決するメソッドなのです。
私としては、このうちの第1段階がとても重要だと思っています。
「観察と解釈の区別」 というとちょっとわかりにくいかもしれないので、
私はこれを 「事実と解釈の区別」 とか 「事実と評価の区別」 と言い換えたりもしています。
人はそれぞれ生まれつきの、ないしは長年育んできた固有の価値尺度にしたがって生きています。
その価値尺度を通して世界を判断しているのです。
人が事実として受け止めているもののほとんどは事実ではなく解釈や評価なのです。
みんな価値尺度という名の色メガネをかけて世界を見ているのに、
その自分の色メガネのことを忘れてしまっているという状態です。
その人にとっては世界がある色に見えているかもしれませんが、
それはその色のメガネをかけているからそう見えるだけであって、
事実がその色をしているのではないかもしれません。

特にある事柄の全体像を知らないままその一部だけを見て、
勝手に自分で残りの部分を想像で補って自分なりの像を作ってしまうというのはよくあることです。
そして、人と人のすれ違いやぶつかりあいはそういう互いの勝手な像から生まれてきたり、
それによってどんどん増幅されてしまったりするのです。
互いの勝手な解釈をいったん置いておいて、まず明らかに共有できる事実は何かと確認してみると、
意外と簡単に誤解が解けて、問題が一気に解決するなんていうことがあるものです。

そんなふうに事実と解釈がズレてしまうということが身近でもよくあるということを、
面白可笑しく描いてくれている動画がありました。
名づけて 「DON’T JUDGE TOO QUICKLY」、「あわてて判断してはいけない」 です。
ぜひご覧になってみてください。

  「DON’T JUDGE TOO QUICKLY」

こうやって見せられるとどれもバカバカしい誤解だとわかりますが、
実は私たちはふだんけっこう、自分が見ることのできた一部だけを切り取って、
それを勝手に解釈した上でそれに対して怒ったり悲しんだりしているのではないでしょうか?
そんなことのないように自分の解釈 (事実と思い込んでいること) が事実と食い違っていないか、
常に冷静に振り返る心の余裕をもつことが大事でしょう。
あわてて判断してはいけません。
「WE WON’T」、「私たちはそんなことはしない」 と言えるようになりたいものです。


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