まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.哲学と出会っていなかったら、今は何をしていると思いますか?

2010-04-28 20:26:15 | 哲学・倫理学ファック
現実には存在しないこと、現にそうであるのとはちがうことを想像する力をもっているのが、
人間の特徴ですとお話ししたわけですから、
このような反実仮想の (現実とは反することを想像してみる) 問いが生じてくるのは当然です。
とはいえ、自分の人生に対して反実仮想をしてみるというのは、なかなか難しいものですね。
いろいろな偶然の重なりとはいえ、現にこうなってしまっているわけですから、
それとは別の自分を想像してみるというのは、ものすごい想像力が必要になります。

うーん、何をしていたんだろう?
東京外国語大学に入った当初は外交官になるということも考えてはいました。
たぶん東京外国語大学に入学した学生全員が、
4月のあいだだけはみんなそう考えていたのではないかと思うのですが、
そんな夢はゴールデンウィークが終わる頃までには、すっぱりと捨て去っていました。

その後、社交ダンス部に入り、
大学に着くとまっすぐ部室に行き、ずっと踊り続けてそのまま帰宅するという生活になりました。
その頃ちらっとプロのダンサーになるという夢が頭をかすめたりもしましたが、
試合で勝てるわけでもなく、体格的にいろいろと恵まれてもいなかったので、
これもいつの間にか却下されていました。

ダンスのレッスンのお金を稼ぐために、銀座や歌舞伎町の夜の街でバイトしていました。
クラブ (踊る店ではなくホステスさんのいる店) のボーイやバーテンです。
当時は、最終的にはこのショーバイに戻ってくれば、
一生食っていけるだろうなあなんて思っていましたが、
しかし、客商売がそれほど好きだったわけではないので、
哲学研究を続けるための世過ぎ身過ぎとしてそれをやるということはありえても、
哲学と出会っていないのに、そのショーバイを積極的に選んだりはしなかっただろうと思います。

ちゃんと就職活動をして、どこかの企業に勤めていたということはありえるでしょうか?
大卒がガンガン正規採用してもらえたバラ色の時代でしたので、
それはありえたかもしれません。
銀座で店をやっていた母や伯母のコネもありましたから (常連のお客さんたち)、
わりと有名どころの企業に就職できたのではないでしょうか。
しかし、どんな会社に勤めたいという具体的な業種や職種などの希望が、
当時まったくありませんでしたし、今考えてみても何も思い浮かばないので、
テキトーな就職をして、テキトーな社員になっていただろうと思います。
まあ、なにか目標を与えられれば、それに向かって効率的・合理的に動くのは好きですので、
そこそこ仕事はまじめにやっただろうと思いますが、
熱血社員というよりは、どこか冷めた、斜に構えた会社員になっていたのではないでしょうか。
そして今ごろは、会社で起こったことを毎日のようにブログに書き散らして、
情報漏洩か名誉毀損の罪で会社をクビになったりしていたかもしれません。

うーん、これくらいしか思い浮かばないなあ。
たぶん冷めた会社員の可能性が一番高かったのではないでしょうか。
それにしても夢のない空想だなあ。
そう考えると、今の現実のこの姿が一番夢があるかもしれません。
哲学・倫理学に出会い、その研究を続けていて、
しかも大学の専任教員になれてしまっているなんて、
これを夢と言わずして、なんと言えばいいのでしょうか。
いい質問をしてくださいましたね。
今の自分があることの有り難さに気づかせてくれたという意味で、
とても有り難い質問だったと思います。
本当にありがとうございました。


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