まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

父の教え

2010-03-22 23:59:29 | 人間文化論
先日、ユニクロの折りたたみ傘の話をした際、次のように書きました。
「折りたたみ傘を上手にしまうためには、
 折り目通りにたためるかというのが重要なのですが (これについてはそのうち書きます)、
 昔のものに比べて最近のものは格段にたたみやすくなったと言えるでしょう。」
今日はこの待機テーマをやっつけることにしましょう。

自慢じゃないですが (と言うときって実は自慢しているんですけれども)、
私は折りたたみ傘をたたむのが上手です。
よく、知り合いや、たまたま電車の中で見かけた人とかが、
折りたたみ傘をいい加減にグルグルッと丸めてむりやり留めたりしているのを見ると、
奪い取ってたたみ直してあげたくなるくらいです。
折りたたみ傘をキレイにたたむにはどうしたらいいか?
それは、工場から出荷されたときに付いていたもともとの折り目を、
毎回きっちりと再現するように折りたたんでいけばいいのです。
その方法を私は父から伝授されました。

16年前に亡くなった私の父ですが、とても几帳面な人でした。
魚なんかもみごとに頭と骨だけ残してキレイに食べきっていました。
時間も正確で、予定通りピッタリに行動するような人で、
およそ私とは正反対の性格の人でした。
その父の血液型がB型だったので、
私は昔から血液型占いというのはまったく当てにならないとわかっていました。

その父が、何をやってもルーズでいい加減な私の行動の中でも、
とりわけ許し難いと思ってわざわざ伝授してくれたのが、
折りたたみ傘のたたみ方だったわけです。
まず自分がやってみせ、コツを説明し、
あとは何回か開いてはたたみ、開いてはたたみと練習させて、
習得させてくれたのです。
親から子へと伝えられる文化は数多くあると思うのですが、
折りたたみ傘のたたみ方を教えてくれる親ってそういないと思うので、
傘をたたむたびに父のことを思い出します。

それともうひとつ。
父は中学生の頃からずっと毎日2箱のタバコを欠かさずに吸っているというのが自慢の人でしたが、
(これについてはそのうち書きます)
タバコの煙で輪っかを作るのが上手で、
子どもの頃はいつもせがんで作ってもらっていました。
そして私がタバコを吸い始めたとき、その方法も教わったのです。
唇を丸くすぼめておき、舌先を下の歯の2、3㎝下にある溝みたいなところに引っかけ、
そこから下の歯に向かってトンとぶつけていくように動かしてあげる。
この動きを図に描いたり、タバコを吸わずにやってみせたり、やらせたり、
というようなことをしながら教わったような記憶があります。
言われたとおりにやって初めてタバコの煙で輪っかを作れたときは、
ちょっとうれしかったものでした。
最近はめったにタバコを吸わなくなり (これについてはそのうち書きます)、
輪っかを作ることもなくなりましたが、
たまにやってみるとやはり父のことを思い出します。

なんかもっといろいろ大事なことを学んだような気もするのですが、
意識的・自覚的に教えた・教わったと言えるのは、この2つです。
こういうちょっとした文化が各家庭でそれぞれ伝えられていっていることでしょう。
それを自分の代で絶やしてしまうのではなく、
さらに次世代へと引き継いでいくのが人間の務めではないでしょうか。
子どものいない私は、こうしてブログに書くことによって伝えていこうと思います。
以上の説明でよくわからなかった人には直接伝授いたしますので、
メールまたはコメント欄でお問い合わせください。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿