スロージョギングと写真のブログ

ウォーキング、ジョギング、ママチャリで出あった季節の花や風景写真で日々の出来事・雑感をつづっていきます

ランニング障害を回避して楽しく走る!(2/3)

2013年02月07日 | 健康のしおり

4.  ランニング障害を回避して楽しく走る!(暮らしと健康 2011.1) … 日本医師ジョガーズ連盟代表・高田整形外科病院医師 小嵐 正治

から抜粋!!

(1) ランニング障害とは?

① ランニングを楽しむ人が増えたのはうれしいことですが、一方で足や腰を痛めたり、熱中症で倒れたりする人が増えて問題になっている。ランニング中に心臓突然死を起こすという不幸な出来事もしばしば起こっている。

痛みを感じたら走りを控えめに:障害は全身に及び、どこに起きるかわからない。その中で最も多いのは、下肢の関節、つまりひざや足首の障害です。

ひざは、外側や内側、前や後、いろいろな部分に症状が出る。痛む部分によって、障害の種類も多様

足首で痛めるのは、大半が足首の関節、アキレス腱、かかとの3か所です

もし、どこかに痛みを感じたら、とにかく走るのを控えめにすること、完全に止める必要はない、むしろやめないほうがよい

無理をしなければ必ず治る無理をしないこと、走るのを控えめにすること、これを守れるかどうかが一番大切なこと

目安は、走る「速さ、時間、頻度」の三つを通常の練習の半分にすることです。なにもかも半分にしては物足らないという場合は、どれか一つを半分にして、あとは痛みが出ないようにする。「これくらいなら痛みが出ない」というころあいをはかりながら走る。
焦らないこと:ころあいを見ながら軽く走り続け、時間をかけて治していくのが一番治りやすいです

どういう状態かを医師に診てもらう:治療のためというより、体に何が起きたのか?どういう状態になっているのかを診てもらう。一番心配なのは、ひざの障害、特に半月板損傷(後述)です。これは、一度傷つくとなかなか治らない。
少しでも傷ついていたら、すぐに対処することが重要なのです
もし、足や腰など整形外科的な障害であれば、スポーツ整形外科を受診することを勧めます。他の診療科ですと『走るのを止めて下さい』と言われるだけだからです。

それは、ランニング障害を治すうえで、決して好ましいことではありません。スポーツに詳しい医師であれば、走りながら、体を動かしながら治すことをすすめるでしょう 

(2) 主なランニング障害

(2-1) 半月板損傷

体をひねることでひざを痛める … 半月板は、ひざ関節の内側と外側にあり、体重をうまく伝える働きをしている。これが傷つくのが半月板損傷です。
  半月板は、ひざに体重がかかっている状態で体を不意にひねったときに傷つきやすい傾向がある。例えば、土手などから飛び降りたり、下り坂を走っているときに振り向いたりしたときです。
 また、加齢とともに半月板はもろくなり、体をひねる動作を繰り返していると、次第に弱くなり傷つきやすくなっていく。
 もし、体をひねった後でひざが痛くなった場合は、はやめに整形外科を受診すること。MRI(磁気共鳴画像)検査を受ければ診断がつきます

一度傷つくと治りにくい … 半月板は、一度傷つくと、なかなか治りにくいという特徴がある。半月板にはほとんど血管がないため、傷ついた部分を治すことができない。
 また、傷ついたまま放置すると傷が広がり、ひざが動かなくなってひっかかる感じがでるようになる。そうなると走ることを断念せざるを得なくなる。そうならないためにも、早期に治療をうけることが大切。
 部位にもよりますが、半月板損傷を起こして数週間以内であれば静かにしていると、傷みは治ってきます。この場合は3週間程度、ひざを装具などで固定する。
 これで治らない場合は、手術が必要。最近は、関節鏡手術といって、1cm程度の穴を数か所開けてひざの中をのぞきながら手術をする方法が主流です。どういう方法で治療をするかは、担当の医師とよく相談して下さい

下り坂は歩幅を小さくして走る …半月板損傷を防ぐには、ひざにかかる負担をできるだけ小さくすることが大切。
 下り坂を走るときは、ひざへの負担が一番大きくなる。歩幅の小さいピッチ走法にすると、負担を軽くすることができる。
 トレイルランなどで、高低差のあるところを何回も飛び降りることがあります。これは、半月板損傷を起こしやすい動作なので、避けた方がよい。
 ひざの負担を軽くするには、太ももの筋肉を鍛えてひざを保護することも大切。太ももの筋力トレーニングをメニューに加えることをおすすめします

(2-2) ひざ関節水腫

ひざに水がたまり腫れてくる …膝関節水腫というのは、ひざに水がたまって腫れた状態です。ひざの軟骨や半月板にできた小さな傷が徐々に広がり、その傷を治すために多くの血液が膝に集まってくるために起こる。いわば、体の自己防衛反応です。血液が集まってくると、関節液がたくさん分泌されて、結果として水がひざにたまる。その結果、ひざが腫れたり痛んだりします

時間をかけて自然の修復を待つ … 膝関節水腫は、状態にもよりますが、基本的には自然に収まるのを待つ。1か月以上かかる場合があるが、体の自己修復力を待つ時期です。日常生活は普通に送れる。ひざを湿布したりアイシングしたりして、関節液の分泌を少なくしていく。
 この状態のときに、ひざに負担のかかる運動をすると、治るのに時間がかかる。走る時間や距離を短くして、できるだけひざへの負担を軽くして下さい

太ももの筋力アップを図る … ひざを保護するために、太ももの筋力を強化するトレーニングが大切。
 水中ウォーキングやエアロバイクなどがある。ひざが治るのを待つ間、筋力を維持することができる。プールやエアロバイクを利用できない場合は、いすに腰掛けて、ひざの曲げ伸ばしするだけでも構いません
 膝関節水腫を防ぐには、下り坂の走り方に注意が必要です。半月板損傷の項を参照して下さい

(2-3) ひざの靭帯損傷

走り過ぎによってひざが痛む … ひざの痛みと一言でいっても、痛む場所によって病名は異なります。
 内側が痛むときは「変形性膝関節症」や「鵞足炎」。外側が痛むときは「腓腹筋(ふくらはぎ)の付着部炎」や「腸脛靭帯炎」。が痛いときは「ジャンパーひざ」で、ひざを伸ばす動作をする部分の障害です。
 ほかにもいろいろな障害がありますが、どの場合もひざの靭帯や腱が小さな断裂を起こしているので、対処法は同じ。そのため、ひざの靭帯障害としてひとまとめにすることができる

走る量を少なめにする … ひざの靭帯障害を起こしたら、走る量を半分程度に少なくして、ひざの負担を軽くする。痛みが出ない程度に走り、時間をかけて治していく。
 傷みが消えて障害が治るまでは、エアロバイクや水中ウォーキングなどで太ももの筋力維持をはかる。イスに腰掛けてひざの曲げ伸ばしをするのもよい。
 治りかけに無理をすると、すぐ再発する。気長に構えることが大切。

(2-4) アキレス腱周囲炎・アキレス腱炎

アキレス腱が腫れて痛む … アキレス腱は、ふくらはぎとかかとの骨の付け根の間にある。ここが腫れたり痛んだりする場合は「アキレス腱周囲炎」や「アキレス腱炎」を起こしている可能性がある。
 アキレス腱周囲炎は、アキレス腱の周囲の薄い膜が摩擦によって破壊され、炎症を起こしている状態です。痛みはあっても、アキレス腱そのものに障害があるわけではないので、アキレス腱炎よりも治りやすい炎症です。
 一方、アキレス腱炎は、アキレス腱の繊維が引っ張られてわずかに断裂を起こし、アキレス腱にしこりができた状態です。断裂した部分は別の繊維に置き換わって治っていきます。繊維が増えるために、腫れてしこりとなり、押すと痛みます。断裂は徐々に広がっていき、重い負荷がかかると、腱が切れてしまう恐れもある。アキレス腱周囲炎に比べ治りにくい障害です

ストレッチを行い走り過ぎに注意 … どちらも、原因の多くは走り過ぎです。アキレス腱の痛みや腫れがあったら、しばらくは痛くない程度に走るなどの注意が必要。走る時間や距離を控えめにしていると、痛みは徐々に軽快していく。アキレス腱周囲炎なら数週間、アキレス腱炎なら数か月程度と思って下さい。途中で悪化することもあります。スポーツ整形外科を受診して、慎重に対処して下さい。
 アキレス腱周囲炎、アキレス腱炎を防ぐには、走る前後に入念なストレッチを行うことが大切。ふくらはぎの筋肉の柔軟性を高め、着地したときの地面からの衝撃を和らげるのです。
 走るときは、歩幅を狭くする。歩幅が広いと、アキレス腱に負担がかかる。また、つま先だけ着いてかかとを浮かせた走り方や上下動の大きい走り方も、アキレス腱を痛める原因になる

(2-5) 足底腱膜炎

路面からの衝撃を受けて痛む … 走っている最中、足が着地したときに路面から受ける衝撃は、体重の数十倍にまで達します。これを直接受けるのは足の裏です。
 足の裏には足底筋という筋肉があり、その表面には足底腱膜という厚い繊維性の膜があります。足底腱膜は、かかとから指に向かって広がっていて、弓のようなアーチをつくっている。このアーチの張りやしなりによって、着地の際の路面からの衝撃を和らげ、足を蹴りだすときのバネのような役目を果たしている。
 足底腱膜はとても丈夫な繊維ですが、かかとの付着部は弱いため、衝撃を何度も受けているうちに繊維が切れたり骨からはがれたりして、やがて痛みが出てきます。
 繊維が切れると、体の修復機能が働き、新しい繊維ができたり、骨の膜が厚くなって出っ張りができたりします。この出っ張りが原因で痛むこともあります

衝撃を吸収するシューズを使う … 足底腱膜炎も、走り過ぎが原因です。痛みがあるときは、無理をして走らないこと。痛みがない程度に走りながら治していくとよいでしょう。2~3か月で痛みは治り、普段どおりに走れるようになります。
 路面からの衝撃を和らげるためには、シューズ選びにも注意が必要。靴底のクッションがきいたものを選ぶと、着地の際の衝撃を吸収してくれます。衝撃吸収用の中敷きを利用するのも一つの方法です 

(2-6) 足関節ねんざ

足関節の靭帯が部分断裂を起こす … 足首のねんざは、足関節が通常の可動域を超えることで発症します。もっとも多いねんざは足の裏が内側を向いて足首外側の靭帯が引き伸ばされて部分断裂を起こすものです。外側のくるぶしの下を押すと痛みます。
 デコボコした道を走ったり、石などを踏んだりしたときに起こしやすいです。暗い道を走るときなどは、足元に注意して下さい

軽症なら治療は必要ない  … 断裂の程度によって重症度が分類される。
 軽症なら、特別な治療は必要ない。腫れて痛むときだけ、走るのを控えめにする。足首を動かしていても、1か月程度で自然に治ってしまう。
 数日たっても痛みが引かないような場合は、中程度の捻挫かもしれません。生計外科を受診して下さい。数週間ほどテーピングなどで固定し、炎症止めの湿布をします。
 非常に痛くて歩けない場合は、重症のねんざです。この場合、診断名は「靭帯断裂」になりますが、ギブスで固定したり、場合によっては手術をします。早期に治療をしても、靭帯のゆるみが残るため、足首がグラグラするような不安定感があり、ねんざを繰り返しやすくなります。走るときは、テーピングをしたほうがよいでしょう

(3) ランニング障害の予防方法

ウォーミングアップで体の動きをよくする … 筋肉や関節を温めて体の動きをよくしておけば、けがをしにくくすることができる。長い距離を走る場合は、最初は歩き、次にゆっくりと走ることで、体をほぐすことができる。少なくとも、ふくらはぎと太もものストレッチは必要。ウォーミングアップとして10分程度軽く走って血液の循環をよくするという方法でもよい

ストレッチングで可動域を広げる … 走る前後には、必ずストレッチングすること。筋肉や関節が硬いまま走り始めると、障害を起こしやすくなる。筋肉が軟らかくなれば、路面からの衝撃を吸収しやすく、ケガを防ぐことができる。関節の可動域を広げれば、体を柔軟に動かすことができる。ストレッチを入念に行えば、それがウォーミングアップやクーリングダウンになる。日常的に行うことで、さまざまな障害が回避できる

日常的に行いたいストレッチング … 腰部、大腿筋膜張筋、ふくらはぎ、大腿四頭筋

自分の体力を知り余裕を持って走る … 記録が伸びたことに気をよくして、スピードを速めたり距離を伸ばしたりすると、ランニング障害を起こす。徐々に、筋肉、骨、腱、靭帯など「走る体」ができあがってからにする。練習量は一気ではなく、1か月に10%を目安に少しづつ増やす。10%増やしたら、1か月間は同じ練習量のまま継続する。こうして体を慣れさせていく。過信はしない、その時点で自分の体力がどの程度なのかを冷静に知り、無理をしない。これがランニング障害を防ぐ最大のポイントです。

シューズは機能的なものを … 足や腰が路面から受ける衝撃をできるだけ小さくするには、シューズの選び方が重要なポイントになる。クッションのきいたシューズを使用すれば、多くのランニング障害を防ぐことができる。また衝撃吸収用の中敷きを利用してもよい
「減量のための日常的な軽いランニング用」なのか、「本格的なフルマラソンのトレーニング用」なのかなど、価格だけに左右されるのではなく、あくまでも自分の経験や用途にあったシューズを使用する

外反母趾による痛みと変形を防ぐには、足の幅や長さに合わせた適切なシューズを選ぶこと … ア.全体に緩すぎず、かかとがフィットしたもの イ.立った状態で、指の曲げ伸ばしが可能で、つま先に1cmくらいの余裕があるもの

水分補給と休憩も重要なポイント … 寒い時季だからといって水分補給を軽く見てはいけない。夏のレースでは、通常1~2Lの汗をかく。汗で失った水分は、走りながら補う必要がありますが、走っている最中は水分の吸収能力が低下する。それだけに、定期的に少量づつ水分をとることが大切。5分毎、10分ごとというように時間を決めて水分補給の時間を設ける
長距離のレースでは、水分とともに塩分をとる必要があるスポーツドリンクには塩分が含まれているので、利用するとよい

クーリングダウンで筋肉の疲労回復を … 走った後は、筋肉が緊張して硬くなっている。そのまま運動をストップすると、疲れが取れないどころか、ケガにつながる。数分間は足踏みをしたり歩いたりして、徐々に安静時の状態に戻す。こうすることで、活動時に筋肉の中にたまった老廃物や疲労物質を早く排出することができ疲労回復を早めることができる

付記:あとは、毎日を姿勢良く生活することと、正しいフォームで走ることでしょうか

    また、スロージョギングでしたら、上記の障害の心配は、ほとんど回避できます

 茜浜突端    22k
                        当月 67km  年累計 345k  


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1 コメント

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参考にさせてもらいます (ゆきっち)
2015-08-28 09:05:51
初めて拝見しました。
私も痛い膝をだましだまし、走っています。
とっても参考になりました。
無理をせずに、走りたいと思います。
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