暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

京の節分(4) 聖護院界隈と壬生狂言

2013年02月07日 | 京暮らし 年中行事
                  懸想文売りの登場です
2月3日は節分です。
先ずは須賀神社へお詣りしました。
水干、烏帽子姿で覆面をしている懸想文売りが二人いて、
念願の懸想文をゲットしました。
この懸想文、開けてみると、祝詞のような文が見事で一読の価値ありです。
肝心の願いごとですが、いまさら縁談・・・というわけにもいかないしねえ~
まだ決めかねています。

朝早かったのでお客さんは少なく、茶店のおばさんたちも手持無沙汰です。
名物だという「須賀多餅(すがたもち)」を注文すると、
大豆が入った福茶と一緒に運ばれてきました。
のんびり境内や懸想文売りを眺めていると、
ぼちぼちお客さんが縁台に座りだしたので腰を上げ、聖護院へ。

            
            
                 須賀多餅と福茶 (須賀神社)

聖護院(しょうごいん)は本山派修験道の中心寺院です。
代々法親王が入寺する門跡寺院だけあって、優雅な本堂や
御所の女院御殿を移築した書院、絢爛豪華な襖絵など見どころ満載です。
節分の日はご本尊の不動明王をはじめ、本堂を開放していました。
灯明を上げると、山伏姿の僧侶が
「厄除招福、家内安全、商売繁盛、ようお詣りくださいました」
と加持祈祷をしてくれました。

            
                   聖護院の本堂

境内には赤鬼や緑鬼が闊歩し、一緒に写真を撮らしてくれます。
甘酒の無料接待所があり、参拝者で賑わっていましたが、
須賀神社は女性の参拝者が多く、こちらは男性が多いのも面白いです。

            
            
                  聖護院の甘酒のお接待

                         

夕方、バスで四条大宮へ行き、壬生寺の壬生狂言へ。
2月2日と3日の13時から20時頃まで、壬生寺節分会(え)の参詣者の
厄除・開運を祈願して、壬生狂言の「節分」が繰り返し、上演されます。
1回の上演時間は45分、観客席は500席です。

壬生狂言(正しくは壬生大念仏狂言)の歴史は古く、鎌倉時代に
壬生寺を興隆させた円覚上人によって始められました。
円覚上人の法話を聴くためにたくさんの人たちが押し寄せたそうです。
そこで、上人は最もわかりやすい方法、つまり、身振り手振りの
パントマイム(無言劇)によって仏の教えを説くことを考え付いたのです。

・・・これは、ブータンで出合ったツェチュ祭の仮面劇と全く同じ発想だと
気が付きました。
かね、太鼓、笛の囃子に合わせ、仮面をつけ、無言で演じられる宗教劇。

            

そんなわけで、興味津々、壬生狂言「節分」を観劇しました。
19時開演の回に早くから並び、正面の席へ座り、改めて舞台を眺めてびっくり。
観客席と同じ高さに古式ゆかしい舞台があり、観客席は見やすい階段になっています。
屋根はありませんが、その夜は風もなく温かな節分でしたので、
震えずに観劇することができました。

            

節分のあらすじは・・・・これは観てのお楽しみといたしましょう。
誰にでもわかりやすく、鬼のしぐさがかわいらしく、いじらしく思ったのは
私だけでしょうか?
最後に、鬼払いに豆がたっぷり撒かれ、痛快!でした。

                    

壬生狂言を伝承し、演じている人たちは専門家ではなく、
会社員や自営業の一般市民で、小学生から八十代までの男性だそうです。
しかも、この伝統ある素晴らしい壬生狂言が無料で開放されているところに
京都の懐の深さをまたまた感じてしまうのでした・・・(合掌 )。

       
       京の節分(3)吉田神社へ      京の節分(1)へ


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。