暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

京の節分(3) 吉田神社

2013年02月05日 | 京暮らし 年中行事
                   吉田神社・火炉祭(かろさい)

2月2日と3日、京都最大の節分と言われている吉田神社へ行きました。
「ぎょうさんお人や屋台が出はって、そりゃ~賑やかですよ」とご近所さん。

吉田神社一帯は静かな丘でお気に入りの散歩みちですが、
この日の吉田神社はいつもと違いました。
2日18時から行われる節分追儺式を目指しましたが
人混みが凄く間に合いそうもないので、近衛坂を一気に上り、
大元宮(だいげんぐう)へ先にお詣りしました。

大元宮は吉田神社の末社ですが、
全国にある延喜式内社の八百万神(やおろずのかみ)をお祀りしていて、
ここにお詣りすれば全国の式内社へお詣りしたことになるそうです。
いつもは閉ざされている門内に入り、八角形の優雅な本殿にお詣りしました。

             
             
              はじめて大元宮へお詣り

護符、福豆、おみくじなど売っている所があったので
「福枡はありますか?」
「一合、五合、一升の三種があったのですが、
 一升枡はこれ1個しかありません」
その残りの一升枡をあわてて買いました。
「淡交2月号」に出ていたとか・・・で、人気なのかしら?
煙草盆、菓子器、花入など、いろいろ使えそうです。

人の流れに沿って吉田神社本殿へ向かう途中、
吉田神社の追儺式を終えて、大元宮へ向かう一行に逢いました。
赤青黄色の鬼たち、松明を持った水干、烏帽子姿の神官、山伏などの行列を
初めて見ることが出来ました。

            
 

                
・・・でも、それからが大変!
ラッシュアワーのような人混みに揉まれながら進みました。
3日(節分)の夜11時の火炉祭でお炊き上げされる護符の納所を
横目に本殿までちびちびと歩くと、今度は本殿前が長蛇の列です。
「お詣りは本殿正面の一列目で・・・」
と頑張ってみたものの、お賽銭が届く範囲であきらめました。

             

             
                抽選券付きの福豆を買う

翌3日の夜11時に「火炉祭(古神札焼納神事)」を見に、再び吉田神社へ。

本殿横で異様なかっこうの女性二人に逢いました。
「ひよっとして、お化けさんでしょうか?」
「そうです! おばけさんです」
紅白のドレスのお二人は、白の女王と紅の女王に扮した「お化け」でした。

「お化け」さんと一緒に写真を撮っていた若いカップルから
「あのう~お化けってなんですか?」
と聞かれました。もちろん、喜んで「お化け」について説明を・・・。

             
               吉田神社で出逢った「お化け」さん

そうこうしているうちに「火炉祭」の点火時間がやってまいりました。
適当な処へもぐりこみ、その瞬間を待っていると、
松明の火が点けられ、先ず結界のように建てられた竹に火が移り、
火柱となって走り上って行きました。
火の粉が散らないように金網がうず高く積まれた護符の山を覆っていますが、
火は勢いを増し、風を起こし、怒り狂った龍のように高く舞い上がります。

             
             
                  

前列の人たちが熱い!と逃げてきたり、迫力ある火の祭典です。
「火炉祭」という命名に納得し、感心していると
消防士さんがホースで水を撒き、炎としぶきのせめぎ合いが始まりました。
しぶきで濡れたのでしょうか?
見物人から悲鳴が聞こえたり、興奮した若者たちの雄叫びが起こったり。

人々の祈りをこめた古い護符を燃やす火の粉を浴びながら、
平凡な幸せを願いました。

             

最後に火炉祭で「お化け」ならぬ茶友Sさんとばったり。
メールで火炉祭へ行きます・・とのことでしたが、凄い人出だったので
「この中で逢えたら、奇跡だわね」と主人と話していたのでした。
今年はきっと素晴らしいご縁があるに違いない・・・と喜んでいます。

                                    

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