暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

古都  町家探訪(5)

2012年01月06日 | 京都へ家うつりします
今日は小寒、お寒いですね。
こんな時に何ですが、散歩道の畑で見た厚い氷です。

正月休みで、掲載が遅くなりましたが、
「古都 町家探訪(4)」のつづきです。
 
設計士さんや大工さんとの改修箇所の打ち合わせが終わり、
冷え切った身体で、大家さんへお暇の挨拶へ伺うと
「寒かったでしょう? どうぞ、熱いお茶でも・・」と言われました。
「ありがとうございます。折角ですので寄らせていただきます」と主人と私。

ところが、不動産屋Hさんは
「私は用事がありますので、これで・・・」と言うではありませんか。
「ひょっとして、これが名高い京都のぶぶづけ?」
ぶぶづけ神話が頭を横切りました。

ぶぶづけとは京言葉で茶漬けのことで、
京都で他人の家を訪問した時に
「ぶぶつけでもいかがどすか?」
と勧められても、決して上り込んだり食べたりしてはいけない!
・・・と、京都に住んだことがある友人たちから幾度も聞かされていました。
それは暗に帰宅を促している言葉だそうです。

でも、「ぶぶづけ」ではなく、「熱いお茶」だったし、
はるばる京都まで来たのですから大家さんと少しお話しできたらと思いました。
暖かい座敷に通されて、熱いお茶を頂戴しました・・・

極寒の茶事ではありませんが、暖かさが何よりのご馳走です。
ストーブと大家さんとの会話にすっかり心も身体も温められて、お暇しました。
その日は友人宅へも寄らず、京都から日帰りしました。

               

・・・ところが、町家のことで気になっていることがありました。
翌朝になって、先に主人から言い出されて、びっくり。
一晩中(?)、二人とも同じことを考えていたのです。

それは東側のガラス戸のことでした。
カーテンを付けることで大家さんの了解済みでしたが、
できたら敷居を新設して、内側に障子戸、
外側にガラス戸と網戸をつけたいと思いました。
冬になれば、さらにカーテンが必要かもしれません。

結局、この件は工事をするとしても私たちが負担することになり、
どのようにしたら良いか、住みながら考えることにしました。
「住みながら考える」
初めて京都で町家に住む私たちにはきっと時間が必要なのでしょう。
             
                          
     
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