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阪神・西大阪線を走る1000系~この姿も難波延伸の暁には…

2008-04-18 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

   

以前にも一度「MAKIKYUのページ」で簡潔に取り上げた事がある阪神電車の最新型車両・1000系ですが、この車両は搬入されてから営業開始まで随分時間を要したものの、昨年秋頃から稼動しはじめています。

この車両は来年に予定されている西大阪線難波延伸(路線名もなんば線に)と同時に開始予定の近鉄奈良線直通に用いられる優等用車両(阪神では普通用車両は加速度が極めて高い車両を用いており、塗装も優等用車両とは分けられています)で、現在の阪神優等列車の両数と同じ6両編成の他に、増結用の2両編成が製造されているのが特徴です。

塗装はステンレス無塗装にオレンジ色の縦線、それと窓周りにグレーを配した装いで従来の阪神電車とは大きく異なるものとなっていますが、内装も比較的近年の新型車で用いられていたグレー系統の化粧板に、車体色と同系統のカラーを用いた座席モケットの組み合わせから一転し、白系統の化粧板(車端部は木目になっています)にオリーブ色の座席モケット(このモケットは従来車両の一部でも最近用いられています)となるなど、既存車両とは大きく様変わりしていますが、車内案内表示装置は最近流行のLCDモニターではなく、LEDによる文字案内となっています。

照明も蛍光灯グローブがなくなるなど、全体的にシンプルな仕上がりになっていますが、蛍光灯の配列や止め具部分を工夫して見付けには気を使っており、首都圏で近年JRを中心に私鉄でも多数が登場している低コスト型車両(関西でも某大手私鉄に最近登場していますが…)などに比べれば、遥かに見栄えは良いと感じるものです。

増結用の2両編成は、元町方先頭車が阪神の優等用車両では異例の先頭電動車となっているのが特徴で、それもパンタグラフを2台積んでいますので、なかなか勇ましい姿ですが、現在阪神で2両編成で運行する路線は支線の武庫川線のみで、この路線の所要編成数は2編成程度(昼間はその内1編成のみが稼動します)、それも専用のワンマン対応車両が活躍する状況ですので、現在阪神線内の営業運行で1000系2両編成が単独で走る事はありません。

また阪神の普通車は4両編成での運行ですが、本線では短い駅間を高加減速で走行し、退避駅まで優等列車から逃げ切るためには、普通車専用の高加速車(青系の塗装を採用している事から、青胴車と呼ばれます)でなければダイヤに乗らない状況ですので、2両2編成を併結して、4両で本線普通に用いる事も厳しい状況です。

ただ現在の西大阪線は、4両編成の普通が昼間10分間隔で運行されるものの、この路線は元々赤胴車(阪神の優等用車両をこの様に呼称しますが、最近の状況ではこの言葉が当てはまらない車両も出てきています)と青胴車の双方が混在して使われており、難波延伸までの間は阪神線内で他に適当な活躍の場がない事(2両編成3本併結の6両編成で本線優等に使う事も不可能ではないでしょうし、実現すればこれはまた趣味的には面白いですが…)や、1000系の登場で比較的古い赤胴車(4両を組成していた西大阪線用車両)が淘汰されている事もあって、この代替も兼ねて、現在1000系2両編成は専ら西大阪線普通で他車両に紛れて活躍している状況(MAKIKYUが西大阪線に乗車した際は、3本の稼動編成の内1本が1000系で、残りは普通用の青胴車と白胴車(これはMAKIKYUが勝手に付けた呼称です)5500系がそれぞれ1本ずつ走っていました)です。

ちなみに1000系は当初6両1編成と2両2編成(計10両)が導入されたものの、難波延伸を控えてその後も増備が続いており、MAKIKYUが先日阪神電車に乗車した際には、2両編成は西大阪線で活躍している編成以外に、尼崎の車庫内に留置されている編成(2編成併結の4両)も目撃しており、現在稼動可能な1000系2両×2編成(4両)は複数の編成が存在していますので、西大阪線に足を運べば、今なら結構な確率で最新型の1000系を捕獲する事が出来ます。
(6両編成も数が増えてきていますので、以前よりは捕獲も容易な様ですが、優等列車全体に占める割合や、姫路まで足を伸ばす事もある稼動範囲の広さを考えると、2両編成に比べて捕まえ難いかと思います)

ただこの車両の本領発揮とも言える難波開通&近鉄直通開始の暁には、今は細々と普通が走るだけの西大阪線も大きく変貌し、途中駅となる「西九条」の行先を表示した姿は見納めになる公算が極めて高いですし、2両の増結用編成を2編成併結した4両編成で営業を行う1000系の姿もなかなか見られなくなる可能性が高いと思われます。

西大阪線普通で活躍し、今はまだ持て余し気味という感がある1000系を堪能するのは今の内で、興味のある方は早めに乗車・記録された方が良さそうですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非この新型車・1000系に乗車されてみては如何でしょうか?

写真は西大阪線内の普通で活躍する1000系2両編成×2(4両)と、車内の様子です。



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4 コメント

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阪神1000系 (DK-Kawachi)
2008-04-19 02:07:29
初めまして。

阪神1000系が来春乗り入れる相手先の近鉄奈良線沿線に住んでいるのですが、1000系自体は近日中に見られるようです。
これは相互乗り入れのPRと現業への研修・習熟も兼ねて東花園~大和西大寺において試運転が行われるそうで、今春発行されている近鉄時刻表にも記述されています。

1000系は9000系や9300系に比べれば内装が簡素なので、安っぽいという評判を時折耳にしますが・・・。
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こちらこそ… (MAKIKYU)
2008-04-19 23:03:26
DK-Kawachi様、こちらでははじめまして。

阪神1000系は、一部の編成が習熟運転用に近鉄へ搬入された様ですが、ラッピングをつけて一般へのPRも図る辺りは、阪神もなかなか良く考えるものだと感じます。

また内装はご指摘の通り、かなり高級感がある9300系などに比べるとご指摘の通り簡素で、また社内の案内表示装置は未だにLEDであるなど、最新型にしては冴えない印象もありますね。

そのため最近HPで概要を掲載した京阪の最新型車両・3000系をはじめ、高級感のある車両がゴロゴロ走る関西では、やや見劣りする感が否めませんが、大手私鉄最小規模の阪神が、短期間でそれなりの数を導入するためには、ある程度止むを得ない事なのかもしれません。

それとこちらはまだ実車を見ていませんが、最近首都圏で流行っている低コスト型車両とほぼ同等、或いはその一部よりも見劣りするかも…という、難波を拠点とする某大手私鉄に最近入った車両よりは遥かに良さそうで、こちらが身を置く首都圏をはじめ、この某大手私鉄沿線の乗客からは、1000系でも羨ましがられそうです。
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関西の低コスト型車両 (下呂川貴教)
2008-04-20 12:46:13
下呂川貴教です。お久しぶりです。
難波を拠点とする某大手私鉄に最近入った車両というのは南海の8000系のことですね。
あの車両、あちこちのサイトでよく批判されてますね。
まあ、こういう私も南海沿線民でして、もうすでに何度も乗車されたのですが、残念ながら沿線の一般利用客からも大変不評のようでして・・・、「椅子が硬い」、「ポールが鬱陶しい」、「前(恐らく1000系かと)の方が良かった」との声をよく聞きます。
1000系(特に車端部のクロスシート)と座り比べると確かに差は歴然でありかなり後退した印象を受けます。
まあ、関東の仕様をそのまま関西に持ち込んだ南海が悪いですね。関東の車両は関東の人間になじむように関西の車両は関西の人間になじむように。
その点、関西に合った設計の内装を守ってくれた阪神1000系は素晴らしいです。
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やはり懸念通りの様で… (MAKIKYU)
2008-04-21 00:25:18
下呂川貴教様こんばんは。

こちらはまだ南海の新形式は、姿を見た事もないのですが、比較的豪華な車両がゴロゴロ走る関西において、首都圏で流行の安物車両が入るとなれば、乗客の不評を買いそうな事は登場前から懸念されていましたが、いざ走り始めるとやはり宜しくない様ですね。

老朽車がゴロゴロしており、低コストで今後大量の取替えが必要になる事なども考えると、ある程度のスペックダウンは止む無しなのかもしれませんが、関西他私鉄車両並みのグレードを誇る1000系(4ドア他形式は蛍光灯グローブがないなど、他鉄道に比べると…という印象をこちらは持っていますので)と併結しての運行ともなれば、新車にも関わらず敬遠されそうです。

せめて座席程度は従来並(南海従来車両の座席は独特な感触があり、泉北に昨年入った車両でも座席はそれなりに軟らかいですので…)にして、内装もそこそこという車両(低コスト型車両でも、最近登場した東急7000系レベルであれば、それほど簡素な印象はありませんので…)にしておけば、もう少し評判は良かったのかもしれませんね。
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