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新線に切り替えられた京成金町線~高砂駅では専用改札も…

2010-07-08 | 北総監獄

今月は成田スカイアクセス(京成成田空港線)の開業を17日に控え、これに伴うダイヤ改正と共に、新型AE車による最高160km/hのスカイライナーが運行開始し、新規開業区間の一般列車も「アクセス特急」として3050形電車が導入されるなど、京成線の成田空港連絡輸送は大変貌を遂げる事になる事は、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でもご存知の方が多く、17日のダイヤ改正を心待ちにしている方も多いかと思います。

今年の都営浅草線関連各線区は、この成田スカイアクセス開業が余りに大き過ぎる話題のため、他にも色々な話題がありつつも、成田スカイアクセスの影に隠れがちな感がありますが、今月の京成は大ダイヤ改正を前に、5日から金町線の線路切り替えが実施されています。

MAKIKYUも線路切り替えが行われた金町線には、早速乗車する機会がありましたので、その様子などを取り上げたいと思います。

今回の金町線線路切り替えは、京成高砂~柴又~金町の3駅しか存在しない短区間支線の中でも、京成高砂~柴又間のみが対象になっています。

東京23区内では数少ない旅客線区の単線区間として知られる柴又~金町間は、従来通りとなっていますので、一支線の一駅間で線路を切り替えただけの事であれば、さほど注目されない話題かもしれません。

しかし今回の線路切り替えでは、京成高砂駅周辺が高架化されると共に、今まで既存の京成本線と同じホームから発着していた金町線電車が、新設された金町線専用ホーム(5番線)からの発着になった事は、従来との大きな違いです。

新設された5番線ホームは地平にある京成本線ホームとは異なり、橋上駅舎よりもやや高い位置にある頭端式の高架ホームと言う事もあって、構造上既存各線とは直通運転が不可能な構造となっています。

この事もあって、従来は朝夕などに上野方面への直通列車などが多数設定されていた金町線の列車は、線路切り替え後は金町線内のみを折り返し運行する形態に改められており、成田スカイアクセス開業で大変貌を遂げる本線よりも一足早くダイヤ改正を迎えています。

今年の都営浅草線関連線区は既に京急蒲田駅高架化と、「エアポート急行」設定などに関連したダイヤ改正が5月に実施されており、来る17日には成田スカイアクセス開業に関連した大改正、更に10月には羽田空港国際線ターミナル駅開業に伴うダイヤ改正も予定されるなど、一体何度ダイヤを変えれば気が済むのか…と呆れる程のダイヤ改正ラッシュになっています。

こうもダイヤ変更が続くと、利用者として非常に迷惑である上に、ダイヤ改正に伴う経費も馬鹿にならないであろうだけに、もう少し大イベントの時期を調節する事は出来なかったのだろうかと感じてしまい、以前MAKIKYUが都営浅草線直通線区に関連した記事を公開した際にも、この事を言及していますが、こんな事を感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?

ところで線路切り替えに伴って新設された京成高砂駅5番ホームですが、構造上高砂駅のコンコースを横切る事になる事もあって、京成本線~京成金町線の乗り換え時には、改札を一旦出場する必要が生じており、この手の乗り換えは地下鉄ではよくあるものですが、大手私鉄となると極めて限られたものになります。


京成高砂駅では首都圏の乗換改札としては一般的なオレンジ色ではなく、何故か「みどり色の改札機」と京成が称し、妙な所で独自色を発揮している黄緑色の乗換え専用改札機が設置(これなら「黄緑色の改札機」と案内して欲しいものです)されており、日頃改札一旦出場による乗換えに馴染みがない不慣れな乗客の姿が多い事もあって、係員が周知・案内を行っている姿を何度も見かけたものでした。

今まで京成上野~金町間の直通列車などを利用し、青戸以西~柴又以北を利用していた乗客にとっては、普通乗車券や回数券利用時に京成高砂駅で「一時出場」と称する30分以内の途中下車が出来るメリットはあるのですが、乗換えに随分な手間を要する有様になっています。


そして金町線専用改札を抜けて金町線ホームに向かう際には、5番線ホームが京成高砂駅コンコースよりもやや高い事から、バリアフリー面に配慮してか階段こそないものの、緩やかな上りスロープとなっているのは特徴的で、このスロープの先に4両編成が止まれるだけの短い5番線ホームがあります。


5番線ホームは片面だけが線路に面している事から、線路に面していない側は壁で覆われており、所々に窓が設けられているのですが、この窓は全て曇りガラスで壁の先の様子が伺えないのは残念な所です。


ただ5番線ホーム先端だけは、壁などがなく本線を行き交う電車や車庫の様子が伺える箇所があり、架線などが障害物となって写真撮影には不向きとはいえ、金町線が別改札でなければ京成本線利用の列車好きが集まって車両観察でも…と行った雰囲気すら感じたものです。

金町線列車に乗り込み、新しく高架ホームとなった京成高砂駅を出発すると、程なく単線の高架から地平に下り、一応見た目は複線に見える状況になりますが、ポイントは柴又駅手前までなく、実態は単線並列と言っても良い状況です。

そのため今回の京成高砂~柴又間線路切り替えでは、金町線は従来京成高砂~柴又間は複線だったものの、今回の線路切り替えで交換駅となる柴又駅構内と、その周辺以外が全て単線区間になってしまったと言っても過言ではありません。

 
また新しく切り替えられた高架線から地平に下り、柴又駅近くまで並行する線路は、線路切り替え前までは上り線として利用していた線路で、高架線から下ったばかりの所で並行する部分は、2線で随分と段差があるのも特徴的です。

この並行する線路は既存の京成本線とつながっており、線路切り替えで営業列車の運行こそ独立形態となった金町線も、車両面はこの線路を利用する事で、いつでも入れ替えが出来る様になっている様です。

そのため車両自体は特定編成が封じ込められる訳ではなく、4両の各編成が充当される様ですが、柴又駅での列車行き違いを考えると、車両の出入庫が可能な時間帯は極めて限られ、旧上り線だった線路に列車が走る姿は、地元の人間でもなければなかなか見る機会がなさそうに感じたものでした。

京成では今後成田スカイアクセス開業に伴い、列車本数が増加する事などを考えると、ただでさえダイヤが錯綜し、ダイヤ編成のネックとなっている京成高砂駅の現状を改善する事は必須です。

今後の運行形態を考えると、金町線の列車分断は致し方ない面もありますが、京成高砂駅の改札外出場による乗換えは、今までに比べると随分厄介なもので、普段は東京23区内では閑散線の部類に入る金町線も、正月などの多客時は大丈夫なのか気になるものです。

また今まで昼間20分間隔という、東京23区内の中では不便極まりない路線として有名だった金町線を、金町線内のみの運行で京成本線など他線ダイヤの制約を受けなくて済む事もあり、昼間15分間隔に増発した事は英断と言え、線路切り替えで不便な面が増えただけでなく、運行頻度の面では利便性が向上している事は大いに評価したいものです。

成田スカイアクセス開業が迫る中、京成金町線の新線切り替えは影に隠れがちな話題ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も機会がありましたら、是非一度新線に切り替えられた金町線に乗車してみては如何でしょうか?

(お断り)京成高砂駅や金町線は葛飾区内で、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)ではありませんが、北総監獄や彼の地を走り、高額運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)と密接な関連がありますので、当記事は「北総監獄」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。



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2 コメント

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高砂の完全立体交差化を望む (6994)
2010-07-09 22:06:05
 自分も今日、成田スカイアクセス開業後のダイヤを収録した改正版京成時刻表を買うため高砂に出向き、ついでに金町線に乗ってきました。従来と比べれば、明らかに足に負担のかかる乗り換えです。
 一方、京成時刻表からは高砂付近の踏み切り遮断時間に苦慮している様子もうかがえ、将来の成田スカイアクセスの増発なども考えれば、本線も立体交差化し、ダイヤ設定上のネックの解消につなげて欲しいとも思いました。
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成田スカイアクセスは末端が… (MAKIKYU)
2010-07-10 14:33:28
6994様こんにちは。

京成本線~金町線の京成高砂駅乗り換えは、ご指摘の通り今までに比べると随分厄介になりましたが、余りに少な過ぎた昼間の金町線運転本数が増発されていますでの、一長一短といった所です。

また来る17日に開業予定の成田スカイアクセスは、末端の成田湯川駅以東が単線区間となっており、交換待ちの影響でアクセス特急の運行時分に大幅な差(成田湯川~空港第2ビル間が7~23分)が見られるなど、ダイヤ乱れ発生時のネックになりそうですので、京成高砂駅周辺以上の問題箇所といえます。

この問題を解消しない限りは、京成高砂駅周辺の改良を行ったとしても、空港アクセスに問題を抱える状況は相変わらずと言う気もしますが、成田スカイアクセス開業後が副都心線開業時の様な連日のダイヤ乱れ続きにならない事を願いたいものです。
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