MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

京成電鉄 3050形電車~アクセス特急用に導入された一般車両

2010-07-21 | 北総監獄

首都圏では17日、辺境の地・北総監獄(千葉ニュータウン)を経て成田空港に至る新ルート・成田スカイアクセス(京成成田空港線)が開業し、この新ルートを最高速度160km/hで疾走する新型スカイライナー(AE形)が大きな注目を集めている事は、ご存知の方も多いかと思います。

この成田スカイアクセスの主役は、座席指定制で乗車券の他に別途特急券が必要となるスカイライナーですが、17日の新規開業区間は「特急」と呼ばれる列車のみの運行で普通列車の設定はないものの、「アクセス特急」と呼ばれる一般車両使用による列車も運行され、こちらが実質的に新規開業区間の各駅停車的役割(新ルート内の新駅は成田湯川駅のみですが…)も果たしています。

「アクセス特急」への充当車両は極端に足が遅く、首都圏の地下鉄運行車両では最古参にも関わらず、都心や羽田空港にも平然と出没する事で、「首都圏の恥」と言っても過言ではない醜態を晒している「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)のボロ車両(7260形)などは話になりません。

とはいえ標準軌(軌道幅1435mm)でありながらも、最高速度は線路がつながっている他大手私鉄と同レベルの120km/h(新規開業区間だけでなく、既存の「開発を止めた某鉄道」区間もこの速度です)で、狭軌(線路幅1067mm)のつくばエクスプレスですら最高速度130km/hという事を考えると、標準軌ながらも遅いと言われる京成にしては上等とはいえ、スカイライナーが最高速度160km/hで疾走する新規開業区間だけでも、もう少し早く走れる様に出来なかったものかと感じてしまいます。

この様な状況ですので、地下鉄浅草線直通対応車両の中でも運用車両は限定され、「開発を止めた某鉄道」は論外として、都営地下鉄の車両すら新規開業区間に足を踏み入れる運用は設定されず、「アクセス特急」は基本的に京成を含む大手私鉄2社の車両による運行となっています。

「アクセス特急」の過半数を占める京成車両による運用は、その気になれば既存車両でも運用を融通すれば、ある程度は賄えるのかもしれませんが、「快速特急」などでも比較的足の遅い車両(3500形など)が混在している上に、新列車設定で一般車両の車両数が不足する事もあり、「アクセス特急」用に新造した車両を導入し、17日の成田スカイアクセス開業から新AE車と共に運行を開始しています。


この「アクセス特急」用に新造した車両は3050形と呼ばれ、正式には近年恐ろしい勢いで増殖した3000形電車の一部ですが、番号帯が既存車両の続番ではなく別区分(相互乗り入れを行っている他大手私鉄は、最近の新型車は同形式初期車両と全くの別物にも関わらず、番号だけは継番にしていますので対照的です)となり、外観の装いや内装が大きく変化していますので、実質的に別形式と言っても過言ではありません。

3050形は3000形の一部と言う事もあり、車両形状や車内設備などはさほど変化がないのですが、専ら「アクセス特急」に用いる車両という事もあって、外観は航空機をイメージしたイラストを多数用いているのが特徴で、行先表示もフルカラーLEDを新造時から装備している点(3000形は3色LEDからの換装車が多数存在しています)も、最新車両らしい点と言えます。


細かい所では形式番号のプレートがステンレス製の京成一般車他形式(3000形など)で用いられている赤色ではなく、青色になっている事も挙げられ、形式番号だけを見ると「開発を止めた某鉄道」の電車と錯覚(京成本線との誤乗を防ぐには、有効かもしれませんが…)してしまう様な雰囲気になっています。

 
車内に入ると、ドア上の車内案内表示装置にLCDモニターを採用し、日本語・英語に加えて中文簡体字(千叶新城中央の表示(千叶新城よりも北総監獄と表示した方が良い気がするのはMAKIKYUだけでしょうか?)などは滑稽ですが…)や한국어による案内を行い、新AE形と共に経由路線の案内表示(様式は異なります)も行う事や、京成一般車では初の自動放送装置を装備した事(音声は新AE形と同一で、東京の地下鉄を連想するものです)等は、3000形よりも進化した所で、外国人利用客の利用も見込まれる国際空港アクセス列車用に新造した車両ならではと言えます。

内装も京成3000形とは別物で、3000形とほぼ同等の「開発を止めた某鉄道」7500形電車では全く同じ内装としたのに対し、3050形では京成グループ新標準型車両の一派でありながらも、わざわざ座席モケットや化粧板、床材などの色彩を3000形とは異なるものに変えています。
(京成グループ新標準型車両の一派では、新京成N800形も独自の内装を採用していますが、こちらはさほど貧相な印象を受けるものではありません)

京成3000形の内装は、近年の首都圏通勤型車両にしてはまずまずと感じていましたので、そのまま踏襲しても…と思ったものですが、3050形の内装は化粧板が車両端部分だけ水色、それ以外は白色で共に柄なしの無地となっており、3000形に比べると随分貧相な印象が否めないものです。


近隣諸国の地下鉄などで用いられる通勤型車両は、この手の内装が多い事もあり、初めて日本に来日した外国人乗客などが、異変を感じる事は少ないかと思いますが、粗製乱造電車と言っても過言ではないJR某社の「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」を連想させられるものがあります。

成田空港~都心間の競合相手が最低レベルの車両と言っても過言ではない「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の比較的古参に属する車両である事を考えると、この程度の貧相な内装でも極端に見劣りする事はなく、航空機から開放されて陸上に降り立った方々からは、2本のレール上を走行するという地に足の付いた安心感を提供できるだけでも上等かもしれませんが、成田スカイアクセスの新規開業区間や「開発を止めた某鉄道」の超高額運賃を考えると、運賃に見合うだけのサービスを提供している車両とは到底言い難いものです。
(同じ線路幅で似た様な車両規格ながらも、京阪間を走る大手私鉄2社の電車などは大違いで、特別料金不要車両にしては最上級と言っても良い車両を用いながらも、成田スカイアクセスに1駅乗車するよりも安い運賃で40km以上の京阪間を移動できますので、標準軌の大手私鉄でも所変わればサービスレベルも…と言った所でしょうか?)

また車内の座席モケットには、外観と同じく航空機をイメージしたデザインが用いられ、挙句の果てにはLCDモニターにまでこのデザインを用いていますので、至る所に空港アクセス列車である事を意識させるもので、飛行機嫌いのMAKIKYUとしてはウンザリといった感を受けたものです。

しかも「アクセス特急」は都心~成田空港間のアクセスとして使い勝手の良い電車ではなく、京成利用者も高品質な付加価値(速達・快適な車内と着席保障)を求めるのであれば「スカイライナー」、安さを求めるなら頻発する京成本線経由の「特急」などが有力選択肢になるかと思います。

そのため「アクセス特急」は運賃と所要時間などの両面で中途半端な存在となっており、むしろ北総監獄をはじめとする「開発を止めた某鉄道」沿線~都心or成田ニュータウン(成田湯川)・成田空港間のアクセス手段としての性質が強く、通過ばかりで一本も利用できる列車がない「スカイライナー」の運行ばかりでは北総監獄の服役囚(住民)は列車退避など迷惑なだけで、通学定期券以外は雀の涙程の運賃値下げだけで多数の「スカイライナー」通過はさすがにマズイと京成側が判断し、通過列車が多数発生する代償に北総監獄~都心方面への速達列車を、恒常的に運転する見返りを提供したといっても過言ではないと感じたものです。

今回の「アクセス特急」運行開始は、高評価を得ている「スカイライナー」とは対照的に、サービス面では高運賃に見合うだけの価値があるとは言い難く、3050形も所詮「開発を止めた某鉄道」を走る車両と感じたものです。

それでも自動放送やLCDモニターによる車内案内の充実をはじめ、京成3000形をマイナーチェンジした電車だけあって、座席自体の座り心地はまあまあと感じるなど、3050形は「アクセス特急」充当車にしてはマシと思ってしまうものです。

他大手私鉄からの乗り入れ車両では自動放送すらなく、しかも「ブカブカ」した異様な感触の座席はとても頂けない(中には車両端にボックス席を装備した車両もあり、これに当たれば多少は救われるのですが…)と感じるなど、もっと酷い状況になっているのは呆れた限りと感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。