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仁川市内を走る紫色の市内バス~急行幹線で用いられるハイグレード車

2010-02-07 | バス[大韓民国]

 

先日「MAKIKYUのページ」では、開発が進む韓国・仁川(Incheon)広域市の松島(Songdo)新都市一帯で延伸されて間もない地下鉄(仁川メトロ1号線)終点の国際業務地区駅と、その周辺の様子を取り上げましたが、その隣駅でもあるセントラルパーク駅周辺はMAKIKYUの訪問時に博覧会(2009仁川世界都市祝典)が開催されていた事もあって、大勢の人出で賑わっていました。

MAKIKYUも仁川メトロ延伸区間乗車の後、当初は予定していなかった2009仁川世界都市祝典も見物して来たのですが、この会場へのアクセスとしては当然仁川メトロ1号線も大きな役割を果たすものの、バス大国の韓国だけあって路線バスも会場周辺で多数が発着しており、仁川市内路線だけでなく近郊都市からの直通便まで見受けられる状況でした。

仁川市内の路線バスは、ソウル市と同様に路線の性質毎に車両の塗装を分けた車両が多数活躍しており、一般バスではソウルの幹線(ブルーバス)と類似した印象を受ける青一色の車両(行先案内の様式などが異なりますので、ソウルのバスとは何となく雰囲気が異なるのですが…)が多数走り回っている姿を見かけたものです。

これに加えKORAIL京仁電鉄線(1号線)の東仁川(Dong-Incheon)駅へ向かう908番や、同線の松内(Songnae)駅へ向かう909番の市内バスでは、ソウル市内では見かけない紫色1色に塗られた現代AEROCITYの新タイプ車両が活躍する姿を目撃しています。

こちらは2段ステップでシフトレバーもロッド式と、日本であれば一昔前のバスを連想させる部分もありますので、ノンステップ車に比べると見劣りする面もありますが、車内は背もたれの大きな座席が通路を挟んで2列ずつ並び、着席重視のハイグレード仕様となっています。

座席配置故に一般の市内バス車両に比べて乗降性はやや劣り、日本の大都市圏を走る路線バスに例えると、神奈中の元スヌーピーバスや、名鉄バスの古参車などに近い雰囲気を感じるものですが、座席にありつければ非常に快適な乗り心地を堪能する事が出来ます。

これも座席バスとして、一般バスより大幅に高額な運賃を支払うのであれば、敢えて高い運賃を支払って…とも思ってしまいますが、系統番号900番台の紫色バスは「急行幹線」という区分のバスで、一般バス(幹線)運賃が900W(現金利用時1000W)なのに対し、急行幹線バスの運賃はMAKIKYUが乗車した際は一般バスと同額でした。

仁川広域市HPの交通案内の項でも950W(現金利用時1100W)と案内しており、一般バスと同額、或いは僅かな運賃差でハイグレードな車両に乗れる事を考えると、そこそこの距離を乗車するのであれば、是非乗車したいバスと言えます。

写真は東仁川駅へ向かう908番で、2009仁川世界都市祝典の会場に向かう前に撮影したもので、その後MAKIKYUが会場を後にしてバスに乗る頃には21時を過ぎ、外は当然真っ暗でしたので乗車車両の撮影は出来ませんでしたが、地下鉄で来た道をそのまま引き返すのでは面白みがなく、908番か909番のバスが来たら是非…と思って会場近くのバス停(U-City換乗センター)で待っていたら程なく現れ、乗車した松内駅行の909番も行先表示こそ異なるものの同形の車両で、1時間弱の乗車を堪能したものでした。

またこのバスに限らず、U-City換乗センターで目撃した市内バスの中には、韓国では一般的な運賃箱(ただの箱・ICカード読取器は運賃箱とは別個に設置)ではなく、ICカード読取器と一体になった投入金額検知可能な新型運賃箱を装備した車両を何台も見かけたものでした。

MAKIKYUが韓国でこの手の運賃箱を見かけたのは、昨年10月の仁川が初めてで、ソウルや釜山などで10月に乗車したバスは一般的な箱でしたので、まだまだ少数派かと思います。

韓国でも今後各都市でこの様な運賃箱の導入が進むのかも気になる所ですが、これだけの機能を備えても韓国の一般的な運賃箱と大差ない大きさで収まっている所を見ると、日本の自動両替装置付(或いは釣銭払出)運賃箱ももう少し小型になっても…と感じたものでした。

写真は仁川市内バス908番と、909番バス車内の運賃箱です。