たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

須賀敦子の著作に出会う「トリエステの坂道」<1>

2011-06-05 10:01:39 | 須賀敦子の著作

今年の梅雨入りは早い。
とき(時・季節・時節)が留まらないで通り過ぎていく。
そんな感じで年の半ばになってしまった。




出会う。
人とのそれには、まあ、いろいろあり、自分だけで済むものではない。
やはりその点、一番楽しいのは「本との出会い」ですね。
「良い本との出会い」は自分だけで済むのが良い。
昨秋以来、須賀敦子の著作に出会い、
「ミラノ 霧の風景」「コルシア書店の仲間たち」「ヴェネツィアの宿」「トリエステの坂道」
「ユルスナールの靴」「時のかけらたち」「地図のない道」と読んできました。



「本との出会い」でもう一つの出会いがあります。
それは「街・町・都市との出会い」です。
まったく知識のなかった街が、その本によって、
文字だけによって鮮やかに描出される。



最近はテレビ番組でも「街歩き」が流行っている。
須賀さんは60年以上も前に、街歩きを実践していた人ですね。
街・道・石・坂・靴に関わる記述が良く出ています。
なかでも「トリエステ」。



北イタリアの右奥から、アドリア海を挟んでヴェネツィアの対岸に、はみ出したような辺境の街。
須賀さんの、この街への想いは、亡くなるまで鮮やかな記憶となって蘇る。
結婚して6年余で亡くなった夫・ペッピーノ氏との思い出。
大好きになった、詩人のウンベルト・サバの生きた街です。
(この稿未完)

おまけ。
前の総理大臣が、今の総理大臣を「ペテン師」と呼びすてる。
これが日本の政治状況。哀し過ぎる。
大震災後、真っ先に片付けるべきは、永田町のガレキ議員だ。


2 コメント

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本と被災者 (ティアラ)
2011-06-06 23:50:38
電子書籍がもてはやされる中、被災地では本や新聞が大活躍しているそうですね
新聞は貴重な情報源、本は傷ついた心をいやしたり、悲しみや不安でいっぱいな頭と心を空っぽにして休ませる効果があるようです
ストーリーの主役になったり、旅をしてみたり・・・
永田町は汚い私欲と画策の津波が押し寄せているようですね!

議員会館を被災者に明け渡し、避難所で国会を開催した方が良さそうです。
被災者の立場に立って、避難生活をしてみないと、今何をすべきか思い浮かばないようですから
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 (たにしの爺)
2011-06-08 06:19:21
ティアラ様。
たびたびのご来訪痛み入ります。

電子ブックには未だ、触れたこともありません。
電車の中で、広げているのを、最近は見かけるようになりましたね。
本は読む環境によって、集中度が変わりますね。
不思議に図書館の閲覧室って、気が散ります。
前後左右に人がいて、同じように本を見ている。何を読んでいるかなんて、横目したり、女性が居たりすると、妙に気になる。
同じように、前後左右に人が密集している状況ながら、車中読は集中できますね。不思議ですね。
須賀さんの本は、ほとんど車中読です。一日数ページしか進みません。
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