たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

雨の上野公園・美術館は人の波、二つの美術展を鑑賞

2017-08-17 14:02:33 | 展覧会・美術展

16日・水曜日、今日も一日雨でした。暑くても太陽の顔を見たいですね。
第三水曜日は東京都美術館はシルバーデーです。毎月この日を楽しみにしています。

雨も降っているし、人も少ないと思い「ボストン美術館の至宝展」と、
かねてから観たいと思っている国立西洋美術館で開催中の、
「アルチンボルト展」をハシゴしたいと出かけました。

10時30分。上野駅公園口に出ました。「えっ、なに、この人の波」。
改札口から東京文化会館まで人と傘で埋まっていました。
西洋美術館の方へも行列です。



始めに「アルチンさん」の列に並び、40分でチケット売り場ま、
(こちらはシルバー待遇なく1,600円)入場できました。
出てきたのが、12時過ぎ、美術館の脇の道が人の波です。
理由がわかりました。「深海」です。
国立科学博物館で「深海」の企画展が開かれていたのです。
人の波のお目当てはそっちが主流のようでした。



私は東京都美術館を目指して歩き出しましたが、
こちらは年配の人たちが主流です。シルバーデー目当てに一見、
かなり高齢と思われるお婆さんの仲間もいます。
生きているうちに「名画観賞」に雨でも出かけてくる。素敵ですね。
場内はこちらも人の列で「50分待ち」といわれました。
ランチにしようと美術館のランチにしました。
お一人様席の空くのを待って、コーヒーと合わせて1,110円。
列に戻ってみると40分待ちになっていました。観終わって出たのが3時30分。
さすが疲れました。

★国立西洋美術館のアルチンボルド展―9月24日(日)まで。
奇想の宮廷画家ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593年)。

日本で初めての本格的な展覧会に計30点が集結。
果物や野菜、魚や書物などで構成されたユニークな肖像画を中心に、
その画業を本格的に紹介するという展覧会です。



代表作の「四季」《春》《夏》《秋》《冬》が初めて集結。
その構成要素の対比になる「四大元素」としての、
《大気》《火》《大地》《水》が連作として描出された。
これら8点が一堂に会して見られるのはすばらしい。




★東京都美術館の「ボストン美術館の至宝展
― 東西の名品、珠玉のコレクション― 10月9日(月・祝)まで。
ボストン美術館の主要なコレクションから珠玉の80点。
古今東西も世界の名品を堪能できる――という展覧会です。

1章・古代エジプト美術「ツタンカーメン王頭部」など。
2章・中国美術では、清朝の皇帝が好きだったという、
陳容の「九龍図巻」南宋、1244年(淳祐4年)は凄いです。
約10mに及ぶ長大な画面に筆墨で描かれた九匹の龍は圧巻でした。

3章・日本美術では、喜多川歌麿「三味線を弾く美人図」、
酒井抱一「花魁図」などありましたが、
奇跡の里帰りと評判の英一蝶「涅槃図」は息をのむ凄さでした。
釈迦の入滅の様子を描いた《涅槃図》は、
涅槃に入る釈迦と悲しみにくれる菩薩、羅漢、動物たちを、
鮮やかな色彩で大画面に描いている。
1886年(明治19年)以前にフェノロサが購入、
今回の公開に際して、約170年ぶりに本格的な解体修理が行われたもの。
一蝶による幻の巨大涅槃図が最大の見ものでした。

4章・フランス絵画では、ゴッホのルーラン夫妻が目玉でしたが、
たにしの爺としては、クロード・モネの「睡蓮」がよかったです。
5章・アメリカ絵画、6章・版画・写真、7章・現代美術――など。

それにしても、わが国の名品もそうですが、
古代エジプトの発掘品などが、他国に流失しているいきさつは、
なにがしかの、問題がありそうですね。

ポストカードやカタログなど購入していますが、
スキャナーの故障で画像化できません。
後日それらは追加したいと思います。



それにしても、雨の中、かなりの高齢者が、
に術館に足を運ぶ、1時間以上も列に並んでいる。
元気なお年寄りが増えることは、いいことですね。
たにしの爺もその一人として、頑張ろうと思います。