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「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

『図書館戦争』有川浩

2006-12-08 | 本の紹介
有川浩の『図書館戦争』を読みました。
「本の雑誌」2006年上半期エンターテイメントBEST1に選ばれた話題の本で、
タイトルも気にはなっていましたが、
ライトノベルでもあるので今まで読んでいませんでした。
初めのほうだけちょっと。。。のつもりで読み始めたら、
これがなかなか面白く、一気に最後まで読みきってしまいました。

昭和の最後の年に施行された、検閲法「メディア良化法」と、
それに対抗するべく施行された「図書館の自由法」。
二つの法律の施行から三十年経った、正化三十一年。
武装した図書館と、同じく武装した法務省のメディア良化委員会は、
命賭けの検閲と命賭けの表現の自由を争っていた。

という、実に途方もなく荒唐無稽で奇天烈な発想のSFです。
図書館の自由、一冊の本を守るために図書館は武装して軍事力を持ち、
その図書隊(軍隊)のエリート特殊部隊の面々が登場人物。
作者は「図書館の自由に関する宣言」を読んでこの作品の着想を得たそうです。
このブログでも紹介していますが、
確かに「図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。」
という最後の文を初めて読んだ時、この仰々しさは何?と思いました。
自由な発言や思想、表現の自由が認められている平和な現在。
でも、国家の思想統制は日本でも実際にあったこと。
怖いのは、知らないうちに統制や検閲を受け、思考を操作され、
見えないところで知る自由が奪われているとしたら。。。
ふと気づくと、折りしも今日は第二次世界大戦開戦日なのでした。

この本の第2弾『図書館内戦』も出版されています。
来年2月にシリーズ第3弾『図書館危機』も発売予定です。