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落ち込んだ気分を回復させる誰でもできる方法 ストレスからの回復力「レジリエンス」の磨き方

2016年02月29日 19時17分30秒 | 市場動向チェックメモ
http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/16/021000005/021500003/?waad=k5j61Kzk

男のストレス事情
落ち込んだ気分を回復させる誰でもできる方法
ストレスからの回復力「レジリエンス」の磨き方
2016/2/22 取材・まとめ:小泉なつみ=フリーライター

会社組織の変化から、「男らしさ」の呪縛に苦しめられている男性たちの現状を伝えた前2回。最終回の本稿では、海原さんが考えるストレスからの脱し方、そして心身症の予防法をお聞きした。

人は誰でも回復力《レジリエンス》を持っている


ほんのちょっとした行動でストレス状態から抜けられる。(©alphaspirit 123-rf)

――海原先生へのインタビューの第1回「『男らしさ』に追いつめられる男性が増加中!?」の中で、働き盛りの40~50代の男性が直面している深刻なストレスについてうかがいました。こうしたストレスに対し、心がけるべき予防策はありますか。

 ストレス解消法といわれる方法はいろいろありますが、一過性の解消法に頼るのではなく、自分の人生を根本的に考えなければいけないと思います。女性は「自分らしい生き方」についてずっと考えてきましたが、男性は生き方というよりも「仕事の成功」に重きを置いてきましたから、特にその必要があると思います。

 ストレスなどから回復する力のことを心理学用語で「レジリエンス」と言いますが、人は誰でもこのレジリエンス持っており、その力を鍛えることで心身症の予防は可能です。こんな風に言うと「じゃあ何か一つ方法を教えてください」と聞かれるんですが、一つですべてを解決することはさすがに不可能です(笑)。レジリエンスは性格要因やものの捉え方、サポートしてくれる人の有無といった総合力なので、人それぞれに強化のポイントは変わってきます。

「自己表現」が最強のストレス対策

 ただしストレスに強い人の共通点として言えるのは、回復力を高めてくれるリソース、つまり自己表現の場をたくさん持っていることです。第1回の記事で、我慢強くコミュニケーション力が高い「良い人傾向」の人は心身症になりやすいとお伝えしましたが、もちろん元気な人はたくさんいます。そうした人は趣味が充実していたり、ペットを飼っていたり、広い意味での自己表現の場を持っていることが多いんですよ。

 ストレスは怒りや不満を黙って抑え込むことによって生じることが多いので、レジリエンスUPには、抑え込んだ感情を表現する場を生活の中でどれだけ持てるかが肝要なのです。自己表現というと高尚な感じがするかもしれませんが、ジムに行って体を動かすことも立派な自己表現の一つです。また、自分の気持ちをノートに書くことはもちろん、買い物をする、マッサージを受ける、いつもと違うルートで帰ってみる、本屋さんに行く、温かい飲みものを飲むなど何でもいい。そうやって体を緩めたり、心のリラックスにつながることすべてが「自己表現」と言えます。

 ですからまずは、自分が心地良いと感じられること――嫌なことがあったとき、これをやると元気になる――といったことを思い出して書き出し、リソースとして把握してみてください。それがひいては、「自分らしい生き方」にもつながってくるのではないでしょうか。ただし、お酒とタバコ、ギャンブル、歓楽街以外で楽しみを探してくださいね。

――自己表現というと敷居が高いイメージがありましたが、難しく考えず、自分が心地良くなることをやればいいんですね。自己表現以外で、意識すべきことはありますか?

 自己表現と重なるものもありますが、メンタルヘルスを維持する上では、当然、「深呼吸」「適度に体を動かす」「睡眠」「気持ちを話せる家族や仲間」「自然との触れ合い」の5項目は基本となります。これらを意識的に整えるだけでもかなりストレスが軽減されるので、ぜひ覚えておいてください。

《ストレス予防の基本5項目》
1 深呼吸
2 適度に体を動かす
3 睡眠
4 気持ちを話せる家族や仲間
5 自然との触れ合い


――海原さんがSNSを盛んに活用しているのも、自己表現の一環なのでしょうか。

 米国ハーバード大学にいらしたニコラス・A・クリスタキス教授は著書『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』(講談社)の中で、「“つながり”の多さが健康に影響する」と述べています。

 また、米国のある地域で行った研究では、がんの死亡率が貧困層ほど高い傾向にありました。これは金銭的な事情で検診を受けられないということもありますが、教育が受けられず医療情報が不足している、インターネットアクセスがなくネットワークが少ないといったことが原因だという分析もあります。今やSNSによる人と人の「つながり」は、ヘルスコミュニケーションにとっても大きな情報源といえるでしょう。

 レジリエンス向上のリソースとしても、TwitterやFacebookはオススメです。

 ただしのめりこまない、それだけを自分の唯一のネットワークにしない、時間を決めて使う、適度な距離感を保つ、投稿する前に自分の思いを客観的に見つめる、などが上手な使い方です。

 SNSの優れた点は、違う世界の友達を作りやすいところです。同じ業界の人としか接していないと視野が狭くなりがちですが、全く違った視点から話をしてくれる人がいると、悩みを客観的に見ることができるものです。

――そんな予防をする前に、もし心身症になってしまった場合はどうすればいいでしょうか。

 まずは体をケアしましょう。休んでおいしいごはん食べる、マッサージをしてもらうといったことから始めてみてください。もちろん精神科や心療内科に行ってもいいですが、自分に合う医者かどうかなんて初めてじゃわからないですよね。そうしたらかかりつけの歯医者でも内科でもいいので、話しやすいお医者さんに相談してみてください。その人に専門医を紹介してもらったほうが、闇雲に飛び込むよりもよっぽどいいと思いますよ。

うつの人に「治してあげたい」はNG

――一方で、周りの大切な人がうつになってしまった、なんてこともよくあります。そういったときに周囲はどんなことをしてあげるべきでしょうか。

 「元気づけることを言ってあげなきゃ」とか「助けてあげよう」などと思うのは相手の負担や心の重荷になります。周囲がしてあげられる最善策は、その人のそばにいることだけ。それも、本当にそばにいてあげることだけが助けではなく、「いつでもそばにいるよ」という態度が相手の重荷にならない支援といえます。

 また、うつになると買い物や電話などができにくくなるので、そういった手助けなども助かります。

 支援の仕方には「直接支援」「情報支援」「共感支援」「援助への期待への支援」の4種類があって、「いつでもそばにいる」という態度は「援助への期待への支援」になる。「困ったときあの人がいれば、最悪の状態をなんとか乗りきれる」と思えるだけで、それが支援になるのです。

*   *   *   *   *   *   *

 「いつもと違うルートで帰る」「本屋に行く」といった、ほんの少しの行動の変化が気分を変え、ストレスからの回復につながると教えてくれた海原さん。自分の心をワクワクさせる術を身に付けることは心身の健康のみならず、人生そのものを豊かにしてくれるはず。ちょっとクサクサしたなと思ったらそのサインを見逃さず、ぜひ“楽しみ発見”に活かしてみてほしい。

『男はなぜこんなに苦しいのか』
(朝日新聞出版・朝日選書、780円+税)

 「優秀にみられるのに、実はアルコールに頼る毎日」「やたらと攻撃してくる上司がいる」「妻の機嫌がいつも悪い」など、心の不調を訴える男性たちの様々なケースを紹介。ストレスに強い自分になるための実践的な方法についても丁寧に解説している。

海原 純子(うみはら・じゅんこ)さん
医学博士
海原 純子(うみはら・じゅんこ)さん 東京慈恵会医科大学卒業、1986~2006年女性の為のクリニック所長、2006~2013年白鴎大学教育学部教授、2012年昭和女子大学国際学部客員教授、2008~2010年ハーバード大学客員研究員、2013年日本医科大学特任教授、2007~2012年厚生労働省「健康大使」。復興庁心のケア事業(2013-2014)統括責任者、復興庁県外自主避難者支援事業心のケア担当(2014-2015)、日本医科大学健診医療センターストレス健診外来担当。著書に『こころの格差社会』(角川書店)、『男はなぜこんなに苦しいのか』(朝日新聞社)などがある。

50代「セミリタイア社員」をよみがえらせる

2016年02月29日 13時36分52秒 | 市場動向チェックメモ
http://bizgate.nikkei.co.jp/article/99615517.html

50代「セミリタイア社員」をよみがえらせる
2016/02/23
クレイア・コンサルティング シニアコンサルタント 大浦 琢也氏

 企業の人手不足感が強まるなか、優秀な人材をいかに育て、社内に引き留めるかが、一段と重要な経営課題になっている。その際に有効なのが、勤続年数や年代に応じた育成策や人事戦略だ。人事・組織改革で実績のあるクレイア・コンサルティングのコンサルタントが、世代別人事マネジメントの要諦を解説する。

可視化される世代内の格差

 「この前、居酒屋に行ったら、別のテーブルで、うちの会社の役員と部長と担当課長が3人で楽しそうに話をしているのを見かけてさ。仕事上のつながりはほとんどないはずだし、変わった組み合わせだと思って、次の日、それとなく課長に聞いてみたら、実はその3人、同期入社だったみたいなんだ。役職だけじゃなくて、見た目の年齢も全然違うから、あの3人が同期で仲良く話しているのが、すごく意外だった。
 それにしても新卒で採用されて横一線でスタートしたはずなのに、30年経つとあそこまで差が出るものなんだな。改めて日本企業って怖いなって思ったよ」

 これは筆者が以前、ある大手企業に勤務する学生時代の友人と食事をしていた時に、実際に聞いた話である。

 それまでの30年近いキャリアのなかで、50代の社員には大きな能力差が生じている。同期内でトップを走り続け、役員に任命される社員がいる一方で、役職定年制を導入している企業では、多くの役職者が50代中盤からポストオフを迎えはじめる。

 また管理職に昇格することができず、非管理職として社内にとどまり続ける社員がいる一方で、出向や転籍により社外に出る社員も増えていく。出向先や転籍先もさまざまだ。50代は、キャリアの悲喜こもごもが、それまで以上に明確に可視化される世代と言ってもいいかもしれない。

 また役職や給与だけでなく、本人の健康状態や家族の状況にも大きな差が生じており、ライフプランにおける仕事の位置づけも個々の状況によって大きく異なってくる。持ち家のローン返済を終えた50代社員もいれば、依然として賃貸住宅に住んでいる50代社員もいる。両親の介護問題を抱えている50代社員もいれば、自身の健康状態に不安がある50代社員もいる。

 このように50代社員は多様化している分、画一的な人事マネジメントが難しく、この世代に対して有効な人事マネジメントのアプローチを見いだせていない企業は多い。

 一方で、50代社員には共通する特徴も見られる。社内の評価はすでにほぼ確定していると言ってよく、一部の超優秀層を除けば、キャリアは頭打ちしている。さらに、それまでの年功序列型の賃金制度の運用により、企業や周囲からは、パフォーマンスに比べて給与が高水準と見られていることも多い。

下の世代からは、やっかいな存在

 がんばっても、これ以上職位や給与面で報われることは少ない一方で、多くの日本企業では降格や降給が人事制度運用上難しく、少しくらいがんばらなかったからといって、ただちに給与水準が引き下げられることもない。そのため、人事評価による仕事への動機づけが難しく、仕事への意欲が低くても、その状態が温存されてしまう。

 こうした50代社員は、下の世代からは、扱いづらい、やっかいな存在として映るようだ。実際に社内の50代社員の存在に頭を悩ませているビジネスマンが多いせいか、Googleで「50代社員」と検索すると予測変換に「使えない」と出てくる(2016年2月時点)。

 2013年4月1日の改正高年齢者雇用安定法施行を背景に、定年延長や再雇用により従来よりも働く期間が延びていくなかで、多様化した50代社員を動機づけし、キャリアの最後まで緊張感を持って働いてもらうことは、多くの企業にとって、人事マネジメント上の大きな課題の一つである。出向や転籍による社外へのアウトフローにも限界があるからだ。

 企業の人員構成でボリュームゾーンを占めるバブル入社世代(1988年~1992年入社)が50代に到達しはじめており、まさに今、会社の経営課題として向き合っていくべきテーマと言える(図表)。筆者がクライアントと話をしていて、このテーマについて相談されることも多い。

図表 正規の職員・従業員の年齢分布

出典:総務省統計局「労働力調査」(2014年)を加工して作成

 そして、このテーマについてクライアントと議論をしてみて感じるのは、「ライン管理職のポスト数の制約や、本人のマネジメント適性の問題により、長い間、スタッフ管理職(配下社員を持たないが、管理監督者として扱われ、時間管理対象外となっている社員)として処遇されてきた」50代社員に、特に大きな課題があることが多いということだ。

・ これ以上、社内でのキャリアアップが見込めないことを本人自身が強く認識しており、結果として仕事への意欲が低下している。
・ 自らのスキルの向上や新しい仕事の進め方の習得に後ろ向きな一方で、これまで蓄積してきた経験や知識の陳腐化が進んでいる。
・ 自らに課せられた仕事であっても、チーム内の他の社員に振る傾向にあり、周囲から敬遠されている。
・ いつの間にか、かつての後輩社員が上司になっていることも多く、上司が年下の部下を指導するように、注意をしたり、気付きを促したりすることが難しくなっている。

 こうした50代スタッフ管理職に心当たりのある読者も多いのではないだろうか。社内の主戦力が自分より下の世代に移行していくなかで、新たな役割を担うことに消極的で、最低限の仕事だけをしながら、手堅くキャリアの終わりを待とうとする、退職前から「セミリタイア化」する50代スタッフ管理職は、意外と多い。
仕組みを変える必要

 「セミリタイア化」した50代スタッフ管理職の再活性化を現場のマネジメントだけで実現することは難しく、人事・組織の仕組みを変革することが必要である。いくつかの代表的なアプローチを以下に紹介する。

①複線型人事制度の導入

 もし人事制度のなかで、ライン管理職とスタッフ管理職を同じ職群や等級で処遇している企業であれば、ライン管理職とスタッフ管理職を異なる職群で処遇する複線型人事制度の導入が有効である。人事制度のなかで、ライン管理職とスタッフ管理職を区分することで、社内におけるスタッフ管理職の期待役割が明確になり、期待役割に沿った評価基準の設定が行いやすくなる。(複線型人事制度を成功させるポイントについては、40代「管理職」の停滞をどう打破するかを参照)

②評価の給与への適切な反映

 複線型人事制度の中で、スタッフ管理職の役割が明確になり、適切な評価が実現されていれば、評価によって給与に差を付けることの理解を得やすい。求められている行動や能力発揮の実現度、また業績への貢献を適切に給与に反映することで、仕事への緊張感を持たせ、動機づけを図ることが可能である。

③評価の再雇用後の処遇への適切な反映

 定年延長によってではなく、再雇用制度によって60歳以上の社員を雇用している企業であれば、50歳以降の正社員時の評価と、再雇用後の処遇のつながりを明確にする、すなわち、「セミリタイア化」すると再雇用後の処遇が低くなることを、あらかじめ人事制度のなかで警告しておくことが、「セミリタイア化」へのけん制に有効である。

 現時点の再雇用制度自体が賃金水準を低く抑えている場合、思い切った処遇差を設定することが難しいことも多いが、うまく制度設計をすることで「セミリタイア化」への有効な歯止めとなり得るだろう。

④フォロワーシップ(上司を自律的にサポートする姿勢)の醸成

 特に新卒採用を中心に人材登用をしている会社における50代スタッフ管理職の大きな問題の一つは、自身と上司の関係性が、「先輩と後輩」から「部下と上司」に移行しきれていないことである。研修等の機会を通じて意識の変革を促し、50代スタッフ管理職にフォロワーシップを醸成させることで、上司のリーダーシップが効果を発揮しやすくなる。

 「セミリタイア化」した50代スタッフ管理職の再活性化にあたっては、個社の状況に応じて、これらの施策をうまく組み合わせながら、現場のマネジメントのなかで、新しい役割や責務を課していく必要がある。

 ただし、これらの施策がすべてうまく実行されたとしても、「セミリタイア化」した50代スタッフ管理職全員が再活性化される可能性は低い。

 「セミリタイア化」した社員には、たとえそれが企業や周囲からすれば納得しかねないものであったとしても、各々に「セミリタイア化」した理屈や正義があり、こうした施策がかえって「セミリタイア化」した社員の一部を、開き直らせてしまう可能性もあるからだ。また、「セミリタイア化」してから一定の期間が経ち、体力や気力の問題で、すでに再活性化が難しい社員もいる。

 その上で、少しでも成功の確度を上げていくための一つの解は、再活性化の可能性が比較的高い早期の段階から、フォロワーシップの醸成を行っていくことであろう。


大浦 琢也(おおうら たくや)
クレイア・コンサルティング株式会社 シニアコンサルタント
一橋大学経済学部卒業、早稲田大学ビジネススクール修了。都市銀行、外資系メーカー人事部門を経て、現職。人事制度改革、人事制度定着支援、企業再編に伴う組織・人事デューデリジェンス、人事制度統合、人材アセスメント設計等の分野で実績を持つ。(http://www.creia.jp/)

中間貯蔵施設 次々にフレコンバッグ 「保管場」に 福島

2016年02月25日 09時46分17秒 | 市場動向チェックメモ
http://mainichi.jp/articles/20160225/k00/00m/040/125000c?fm=mnm

中間貯蔵施設
次々にフレコンバッグ 「保管場」に 福島

毎日新聞2016年2月24日 22時01分(最終更新 2月25日 00時10分)

汚染土などが詰め込まれたフレコンバッグをクレーンを使い保管場に積み上げる作業員ら=福島県大熊町で2016年2月24日午後3時、金志尚撮影
原発事故汚染土など管理の建設予定地で

 環境省は24日、東京電力福島第1原発事故の汚染土などを管理する中間貯蔵施設(福島県大熊、双葉両町)の建設予定地で「保管場(ほかんば)」の設置工事が始まってから1年になるのに合わせ、現場を報道陣に公開した。

 保管場は中間貯蔵施設の完成まで汚染土などを一時仮置きする。今月までに敷地内に5カ所計約9万平方メートルを整備。フレコンバッグと呼ばれる黒い袋に詰められた汚染土などが今月17日時点で約3万7300立方メートル置かれている。24日も作業員らがトラックで県内各地から運び込まれたフレコンバッグをクレーンでつり上げ、積み上げていた。

 同省は今年10月にも貯蔵や焼却など一部施設の建設工事を開始し、保管場もさらに複数整備して来年度は15万立方メートルを搬入する方針。ただ、用地取得交渉が難航し、地権者2365人のうち売買などの契約が成立したのは50人(今月12日時点)にとどまる。同省福島環境再生本部の小沢晴司副本部長は「地権者への補償の算定が遅れ、関係者に心配をかけている」と述べた。【金志尚】

東電 メルトダウン「判断基準あった」 福島原発事故当時

2016年02月25日 09時44分49秒 | 市場動向チェックメモ
http://mainichi.jp/articles/20160225/k00/00m/040/040000c?fm=mnm

東電
メルトダウン「判断基準あった」 福島原発事故当時

毎日新聞2016年2月24日 19時28分(最終更新 2月24日 23時18分)

事故直後の福島第1原発3号機=2011年3月15日、東京電力提供


マニュアルに「5%超で炉心溶融」と明記

 東京電力は24日、福島第1原発事故当時、核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)の判断基準を定めたマニュアルがあったにもかかわらず、誰も気づかなかったと明らかにした。この基準に従えば、2011年3月14日早朝には1、3号機で炉心溶融が起きたと判断できていたが、東電は当時、「判断基準がない」との説明を繰り返し、炉心溶融を公式に認めたのは事故から約2カ月後の同年5月だった。

 東電によると、今月、柏崎刈羽原発がある新潟県に事故の経緯を説明する過程で、当時のマニュアルを再点検したところ、「炉心損傷割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定する」と明記されていた。事故時も含めてこの5年間、誰も気づかなかったという。

 当時の原子力災害対策特別措置法では、炉心溶融と判断した場合、直ちに国に報告することが義務付けられていたが、東電は「原子炉格納容器内の放射線量などの必要なデータは報告していた」と釈明した。

 東電の白井功原子力・立地本部長代理は記者会見で「十分に調査ができていなかったと反省している。ただ、この件で収束作業の対応や手順が遅れたとは考えていない」と説明した。今後は弁護士など第三者の協力を得て当時の経緯などを詳細に調査するという。【鳥井真平】

水族館のラッコ、絶滅危機 オスの「草食化」も原因?

2016年02月25日 09時42分43秒 | 市場動向チェックメモ
http://digital.asahi.com/articles/ASJ2M66TNJ2MUTIL04Q.html?rm=767

朝日新聞デジタル

水族館でのラッコの飼育頭数

 愛くるしいしぐさで人気のラッコが国内の水族館で「絶滅」の危機にひんしている。オスの「草食化」も一因らしい。何が起こっているのか?

どうぶつ新聞
 東京・池袋のサンシャイン水族館。ラッコは、アシカやペンギンと並んで根強い人気を誇っていたが、2月末で約30年の歴史に幕を下ろすことになった。ラッコを見にきていた幼稚園児の高橋望名実(もなみ)ちゃん(6)は「毛がふさふさしていて、顔をごしごしするのがかわいい。会えなくなるのでさみしい」と惜しんでいた。一時は6頭まで増えたが、繁殖が思うようにいかなくなっていた。

 今年1月、メスのミール(13歳)ががんで死に、パートナーのオスのロイズ(10歳)が国内の別の水族館に「引っ越し」することになった。引っ越し先は、ロイズの体調が落ち着いて公開できるようになるまで秘密だという。

 国内の水族館でラッコの飼育数が激減している。全国動物園水族館協会(JAZA)によると、日本のラッコは1982年に伊豆・三津シーパラダイス(静岡県)に米国から初めて輸入された。84年に鳥羽水族館(三重県)で赤ちゃんの「チャチャ」が生まれると大ブームに。ところが、94年の28施設122頭をピークに減り続け、サンシャイン水族館によると、今年1月時点で10施設14頭と、約20年間で9割近く減った。

 ラッコが減っている理由は、野生ラッコが多く住んでいる米国やロシアからの輸入が途絶えていることが大きい。野生のラッコは毛皮を得るための乱獲や、原油の流出事故、海洋環境の変化などにより世界中で生息数が減少。米国やロシアでは捕獲を禁じており、ワシントン条約でも輸出国の許可がないと外国と取引できなくなっている。国際自然保護連合(IUCN)も2000年に絶滅危惧種に指定。米国からは98年、ロシアからは2003年を最後に輸入されていない。

 ログイン前の続き国内での繁殖も思うように進んでいない。水族館同士でラッコを貸し借りして繁殖を進めてきたが、相性が悪くて妊娠しなかったり、出産しても赤ちゃんがすぐに死んでしまったりして高齢化が進み、出産適齢期を過ぎた15歳以上のラッコが増えている。

 さらに、ラッコは移動が難しいことも国内での繁殖のハードルになっている。元々寒いところに住んでいるラッコは代謝が激しい動物で、興奮すると体温が上がりすぎて死んでしまうことがある。体温を保つために保冷車を使って移動させるが、環境の変化に弱く、低体温症になってしまうこともある。

 サンシャイン水族館のラッコ飼育員福井正志さん(31)は「ラッコの輸送はリスクが高く、輸送中や輸送直後に死んでしまうこともあり細心の注意が必要。それでも、このままでは絶滅しかねず繁殖に挑戦することにした」と話す。

 最近は、思わぬ変化も出てきている。国内のラッコの繁殖計画を取りしきる鳥羽水族館の飼育員石原良浩さん(54)によると、国内で飼育されているラッコの大半は水族館生まれで、世代を重ねるにつれ繁殖能力が落ちているという。

 野生のオスは、海面で体勢が崩れないようにメスの鼻にかみつきながら10~15分間、激しい交尾をする。だが、水族館生まれのオスはメスに抵抗されるとすぐに交尾をあきらめてしまうことが多い。そもそも交尾に積極的でないオスもいる。

 石原さんは「水族館生まれのラッコは『草食化』が進んでいる。近いうちに国内でラッコが見られなくなる日がくるかもしれない」と心配する。(渡辺洋介)

甘利氏側の接触後、UR補償増額 建設会社担当者が証言

2016年02月25日 09時39分41秒 | 市場動向チェックメモ
http://digital.asahi.com/articles/ASJ2S5VL4J2SUTIL042.html?rm=812

朝日新聞デジタル

補償交渉をめぐる建設会社と甘利氏事務所、URの主なやりとり

 甘利明・前経済再生相の現金授受問題で、現金を渡した建設会社の総務担当者・一色武氏(62)が朝日新聞の取材に再び応じた。同社と補償交渉中だった都市再生機構(UR)に甘利氏側が接触後、ゼロだった補償提示額が増えていったと証言した。

 一色氏によると、道路建設をめぐる千葉県の建設会社とURの交渉について、甘利氏側に初めて相談したのは2013年5月9日。6月に甘利氏側がUR本社を訪ねた直後、UR側から補償金約1億8千万円の提示を受けた。

 さらに2千万円ずつ2度の増額を経て、8月6日に約2億2千万円で契約したという。この間、一色氏側はURに対して「もう少し何とかならないか」と増額を求めていたという。

 一色氏はこのころ、元秘書から「大臣は(URの)廃止論者だ」と説明を受け、その後も数回強調されたという。甘利氏は麻生内閣時代の08年9月から約1年間、行政改革担当大臣を務め、URなど独立行政法人の統廃合や合理化を進めていた。

 一色氏は「URはずっと『一切補償なし』と言っていたのに、秘書の面談後に交渉が動いた。増額要求にもすぐに応じてくれた」と振り返った。

 また一色氏は14年2月ごろ、甘利氏の地元事務所や居酒屋で元秘書から、約2億2千万円の補償金について甘利氏に報告したことを聞かされたという。元秘書はその際、「大臣から『なんでもっと(増額)しなかったんだ』と言われた」と言ったという。いずれも元秘書の発言の録音やメモがあるとしている。

 元秘書の発言やUR廃止論について、甘利氏の事務所は「甘利についてそのような事実はございません」と回答した。URは約2億2千万円について、建物建て替えなどの費用を「基準に従って適正に算定した」と説明。増額の経緯については「今後の補償交渉に影響するため答えられない」と民主党などに説明している。証言については「発言は聞いていないし、(甘利氏は)廃止論者という認識もない」と答えた。


■面談記録、全容は不明

 建設会社とURの補償交渉で、甘利氏の事務所は、道路建設に伴う同社建物の建て替え交渉と、工事開始後に生じた同社建物の被害の補償交渉に関わっていた。

 一色氏によると、同社とURとの交渉は、甘利氏側に相談を持ちかける13年5月まで約1年8カ月続き、甘利氏の事務所が動き始めてから急進展。「ゼロ回答」から補償額は約2億2千万円に増えた。

 一色氏は、補償契約後の13年8月~14年2月、元秘書や甘利氏に現金計600万円を渡した。

 一方、建物の損害などをめぐる交渉は今も決着していない。

 URが公表した面談記録によると、甘利氏の元秘書は15年10月~今年1月、交渉に関連してUR職員と8回面談。15年10月に元秘書が「少しイロをつけて」「事務所の顔を立ててもらえないか」と発言した。

 ただ、面談記録の発言は黒塗りが残り、全容は分かっていない。

 民主党が一色氏から提供を受け、公開した音声データでは、元秘書は一色氏に15年11月、URとの補償交渉に絡み「推定20億(円)かかるとか、言葉にしてほしい」と語っていたことも明らかになった。

 元秘書らとの4回の面談に同席したURの中瀬弘実総務部長は「(元秘書から)補償額上乗せを求めるような発言はなかった。面会が補償交渉に影響を与えたことはなかった」と話す。甘利氏も会見で、元秘書の1人が弁護士の調査に「金額交渉などに介入したことはない」と話していると説明している。(贄川俊、小寺陽一郎、中村信義)

インフルエンザに「絶対かかりたくない」時の切り札 抗インフル薬の「予防投与」、まずは医師に相談を

2016年02月23日 19時25分20秒 | 市場動向チェックメモ
http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/15/122200053/021800015/?waad=k5j61Kzk

日経グッデイ

インフルエンザ総特集 2015~2016

インフルエンザに「絶対かかりたくない」時の切り札

抗インフル薬の「予防投与」、まずは医師に相談を

2016/2/19 内山郁子=日経Gooday


2015年~2016年シーズンのインフルエンザ流行速報から、知っているようで知らないインフルエンザの基礎知識まで、この特集で一挙解決! インフルエンザ流行マップはこちらで毎日更新中です。

Q 子どもがもうすぐ受験なので、今だけは絶対にインフルエンザにかかりたくありません。家族全員、もちろんワクチンは打っていますが、周囲でインフルエンザがはやっているので不安です。インフルエンザの薬を飲んでおくと、予防になると聞いたことがあるのですが、処方してもらえるでしょうか。(40代女性)

A 抗インフルエンザ薬の中には、インフルエンザの予防薬として使えるものがあります。インフルエンザの治療に使う量の半分を、倍の期間使用することで、一定の予防効果が表れることが知られています。ただ、予防薬として処方するには条件があり、条件を満たさない人の場合、服用して重い副作用が起こっても補償が受けられません。また、予防として薬を使用する場合は、医療保険が使えず自費となります。受験生やその家族に予防薬としての処方を行うかどうかは、医師によって考えが大きく違います。

予防に使える抗インフルエンザ薬は3種類

 インフルエンザの治療に使われる抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)は4種類。そのうち、点滴薬を除いた3種類について、インフルエンザの予防に使うことが認められています。抗インフルエンザ薬には、体の中でインフルエンザウイルスが増えるのを抑える作用があります。抗インフルエンザ薬を予防的に使っていると、インフルエンザウイルスに感染しても体の中でウイルスが増えにくくなるため、結果としてインフルエンザの発症を予防できるのです。

 現在、インフルエンザの予防薬として使えるのは、経口薬のオセルタミビル(商品名:タミフル)、吸入薬のザナミビル(商品名:リレンザ)と、吸入薬のラニナミビル(商品名:イナビル)です。いずれも、治療に使う量の半分を、倍の期間使用します。使用期間は薬によって違い、タミフルは7~10日間、リレンザは10日間、イナビルは2日間です。あくまで予防としての使用ですので、ワクチンと同様、医療保険は使えず自費となります。

表1◎ インフルエンザの予防に使える抗インフルエンザ薬

(*1)子どもの体重1kg当たり2mg
(*2)薬剤費は薬価からの単純計算であり、実際は異なる場合がある。薬剤費の他に、診察代や調剤費なども自費になる
[画像のクリックで拡大表示]
 ただし、抗インフルエンザ薬を使い過ぎると、薬への耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあり、実際にタミフルが効きにくいウイルスも見つかっています。そのため、どのような人に予防投与を行ってよいかが定められ、薬の説明書(添付文書)に記載されています。

 抗インフルエンザ薬の予防投与を行うための第一の条件は、家族など同居の人がインフルエンザにかかっていることです。インフルエンザウイルスは感染力が強く、インフルエンザの患者と一緒に暮らしていると、かかるリスクが極めて高くなるためです。

 そして、第二の条件は、予防投与を受ける本人の健康状態です。健康な人よりもインフルエンザにかかりやすいか、かかった場合に重症になりやすい、以下のいずれかの条件に当てはまる人が予防投与の対象となるのです。

・65歳以上の高齢者

・気管支喘息など慢性の呼吸器疾患がある

・心不全など慢性の心臓病がある

・糖尿病などの代謝性疾患がある

・腎臓病がある

 もっとも、この2つの条件を満たさない人への予防投与が禁じられているわけではありません。ただ、添付文書に記載されていない使い方(適応外処方)となりますから、万一、重い副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはならず、補償が受けられないというデメリットがあります。

 適応外処方をするかどうかは、医師によって大きく考えが違います。「どうしても今はインフルエンザにかかりたくない」という事情をどう判断するかは、個々の医師の価値観によっても変わってきます。まずはかかりつけの医師に、事情を説明し、相談してはいかがでしょうか。

著作権侵害にならぬよう、日経関連の弁護士が容認する方法で投稿しています…

2016年02月23日 17時27分20秒 | Break time
http://www.nikkeimm.co.jp/tips/column/legal.html

デジタル・アナログ情報の利活用と著作権

昨今、インターネット上でビジネスに必要な情報を調べて利用することは、当たり前の日常となりました。また、アナログ情報をデジタル化して保管・利用する動きも本格化しています。

しかし、世の中の多くの創作物には著作権が発生しており、インターネットに散らばる情報もその例外ではありません。著作権侵害だと指摘を受けないよう、企業活動において気を付けるべき点をいくつかご紹介します。 …


2.著作物は「引用」して利用してもよい?6つの要件を確認しよう…


⑤引用した著作物の出所を明示すること
通常、上の明瞭区別性とセットになるのが、出所の明示です。引用した部分について、どこから引用したのか明記する必要があります。具体的な方法は慣行による部分も大きいのですが(例えば学術誌であれば、学会や雑誌ごとにルールがあるはずです)、インターネット上の著作物を引用するのであれば、ウェブサイトのタイトル、具体的に引用するページや記事のタイトル、URLを記載すれば概ね適切でしょう。 …


増田 雅史
森・濱田松本法律事務所 弁護士
東京大学工学部卒、中央大学法科大学院修了。主要取扱分野は、IT全般、知的財産等。経済産業省への出向後、東京大学情報学環非常勤講師、各種団体役員、中央省庁の委員会委員等、多数の公職に従事。『インターネットビジネスの著作権とルール』(CRIC・2014年)、『デジタルコンテンツ法制』(朝日新聞出版・2012年)など著作講演多数。

(日経MM情報活用塾メールマガジン2月号 2015年2月23日 更新)





こんな投稿をする経緯!

日経から著作権侵害とブログにコメントが入ったので、即言う通りに従ったが…

・コメントを書いた人 日本経済新聞社
・タイトル 著作権侵害です
・コメント 日本経済新聞社法務室の小林という者です。このサイトは日経電子版の記事を多数、無断で転載しています。当社の著作権を著しく侵害するものです。即座にすべての記事を削除するよう求めます。


個人的には、日経関連の弁護士の容認する範囲で投稿していて…
昨年末、gooにも誰かからクレームが入ったようで…一時的に使用出来ない状態になったので、gooにクレームを入れたら…暫くして、問題なし!と言う事で、通常投稿が再開できた!

試しに…日経に連絡し、投稿実例を提示して、投稿の許可を得ようとしたら…何故か、著作権クレームを入れた日経法務室の小林さんにアクセス出来ずたらい回し?!

もしかしたら、日経に関係のない輩の嫌がらせの可能性もあるので…こんな説明文を定期的に投稿しています!

本当に日経の方ならば…きちんとした連絡先を明記して、コメントして下さいね!

悪戯なら…もっと楽しい悪戯にしましょうね!

医学研究につきまとう「データ数の壁」、iPhoneで崩す

2016年02月23日 12時20分46秒 | 市場動向チェックメモ
http://bizgate.nikkei.co.jp/article/99573113.html

日経BizGate

医学研究につきまとう「データ数の壁」、iPhoneで崩す
慶應義塾大学医学部循環器内科 医学博士 木村雄弘氏

2016/02/22

 医学研究の分野において、「iPhoneを利用した臨床データ収集」という試みが世界で注目されている。世界で数億台使用されているiPhoneを通じた臨床研究には、膨大なデータを短期間で集め得る「データ収集力」が見込めるからだ。

 「データ量」は、医学研究に限らず、あらゆる分野の実証研究において最も重要なものの1つである。データが多ければ多いほど、研究で得られた結果の正確さが高まり、新たな発見の裏付けとなる。

 同時に、いかにして大量のデータを収集するかは、医学研究で難しいことの1つでもある。


木村 雄弘氏(きむら たけひろ)
慶應義塾大学医学部循環器内科 医学博士

 一般的な臨床研究では、「研究協力者に研究の内容を詳しく説明して、同意を得たうえで臨床研究に参加していただきます。一連の手続きやデータ処理に、相当な労力が必要です」。こう話すのは、医学研究用iPhoneアプリ「Heart & Brain」を開発した、慶應義塾大学医学部循環器内科の木村雄弘特任助教である。手間もコストもかかる従来の研究方法では、収集できるデータの数に自ずと限界があることは容易に想像がつく。

 この「データ収集の壁」に突破口を開けようとするのがiPhoneを通じた医学研究用の公開フレームワークである「ResearchKit」(開発は米アップル)だ。ResearchKitの公式ホームページには、「数がすべてなのです。データの提供者が多ければ多いほど、サンプル数が増え、母集団を代表するデータの正確性が高まり、より説得力のある結果が得られます。大量のデータを収集し、共有できる研究プラットフォームは、医学研究にとって間違いなくプラスになるでしょう」という米国心臓協会エデュアルド・サンチェス博士の言葉が紹介されている。

 ResearchKitを利用することで、研究内容の説明、研究への同意、データ収集の機能を臨床研究アプリに容易に実装できるようになる。研究協力者は自分のiPhoneにアプリをダウンロードして起動するだけで、研究に参加できる。数千万人を対象とした全国レベルの臨床研究を従来の方法で行うことと比べれば、人手もコストも少なくてすむし、アプリが話題になりダウンロード数が増えれば膨大な臨床データを収集できる。

 Heart & Brainを開発した木村氏も、「アプリの反響と、健康への関心の高さに驚きました」と語る。その実績については後述するが、従来の臨床研究とは桁が違う数のデータを短期間で収集できている。

国内初のアプリ「Heart & Brain」は脳梗塞の研究に

 2015年3月 にアップルがResearchKitを発表して以来、世界でこれを利用した医学研究用のiPhoneアプリが続々と登場している。すでに、自閉症、心臓血管疾患、ぜんそく、てんかん、糖尿病、乳がん、メラノーマ(悪性の皮膚がん)などの病気に対して、それぞれ専用の臨床研究用アプリが開発されている。


Heart & Brainのトップ画面
 ResearchKitを利用した国内初の臨床研究用iPhoneアプリは、木村氏が開発した「Heart & Brain」(2015年11月公開)である。不整脈と脳梗塞の早期発見を目的とした臨床研究の一環として利用するもので、まずはiPhoneアプリから収集したデータの有用性についてきちんと評価すると木村氏は語る。

 Heart & Brainの研究対象の心房細動は、全国で100万人以上の方が罹患するありふれた不整脈である。命に直接かかわる不整脈ではないが、合併する脳梗塞はしばしば致命的となる。一方、脳梗塞も、日本人にとって非常に身近な病気である。脳梗塞を含む脳血管疾患が日本人の死亡原因の上位であるというだけでなく、自覚症状の無い小さな脳梗塞(無症候性脳梗塞)を抱えている人も意外と多いのだ。

 Heart & Brainは、次の3つの側面からデータを収集し、脳梗塞との関連性を解析していくと木村氏は説明する。(1)心房細動、脳梗塞の危険因子の有無などを問う「質問票」、(2)iPhoneやApple Watchが自動的に蓄積している「ヘルスケアデータ」、(3)脳梗塞の検出に役立つ可能性のある簡単な「運動評価検査」の3つである。データ収集に要する時間は10~20分ほどだ。

 「質問票」は医師の問診の代わりと考えればよいだろう。一般的なアンケート形式で、脳梗塞の危険因子とされる年齢、高血圧、糖尿病、不整脈、喫煙、脂質異常などの状況を尋ねてくる。

 「ヘルスケアデータ」の収集は、iPhoneアプリらしい機能といえる。iPhoneユーザーならご存知のように、iPhoneが内蔵センサー(加速度センサーやジャイロスコープなど)を利用して、歩数、歩行とランニングの距離、階段を上った階数、消費エネルギー、倒れた回数などを推定して自動的に計測・蓄積している。腕時計型ウェアラブルデバイスのApple Watchを併用していれば、心拍センサーから心拍数データも計測している。

 Heart & Brainは、研究協力者の同意を得たうえでこれらのヘルスケアデータを「調査の日から数週間さかのぼって取得することで、経時的なヘルスデータを収集している」(木村氏)という。研究協力者の日常の運動量を客観的かつ容易に把握できるわけだ。

 「運動評価検査」については、iPhoneのカメラやセンサーを使って次の3つの運動評価を行う。いずれも脳梗塞の診断のために診察室で行う運動評価検査をiPhoneのセンサーで模倣したものである。iPhoneアプリらしい特徴なので概要を紹介しよう。


Heart & Brainの協調運動評価に関する測定結果例
運動麻痺評価:片方の手のひらにiPhoneを乗せ、手のひらを上にしたまま体の前に肩の高さまで腕を上げる。この状態で目を閉じて10秒静止する。手のひらが内側に傾いたり、腕が下がってきたりするようだと脳梗塞の疑いがある。こうした動きをiPhoneのジャイロスコープや加速度センサーで測定する。

顔面運動評価:目を閉じて、口で「イー」と発音するように笑顔をつくり、カメラで自分の顔を写す。脳神経に異常があると、両目をぎゅっと閉じたり、うまく笑顔をつくれなくなったりする。iPhoneの顔認識技術を使って、両目を閉じたか、笑顔になったかを検出する。

協調運動評価:片手にiPhoneを持ち、できるだけ速く「きらきら星」のお遊戯のように10秒間手首をくるくる回転させる。小脳に障害があると手首を回す周期が不規則になる。この手首の回転運動をiPhoneのジャイロスコープで測定する(右図参照)。

 運動評価検査の計測データはHeart & Brainのデータタブに表示され、研究協力者自身が確認できる。ただし、あくまでも計測データであり、診断ではない点に注意してほしい。こうしたウェアラブル機器を利用した診断の可能性については今後検討するという。

「たった1カ月で1万人」の臨床データを収集

 さて、肝心なのは「どれくらいの臨床データを集められたか」という結果だ。その点でHeart & Brainは上々の成果をもたらしている。

 木村氏は「Heart & Brainを公開した2015年11月からの1カ月間で、約1万人の協力を得て臨床データを集められた」と話す。通常の臨床研究の方法では考えられない桁違いの情報収集力である。

 通常の臨床研究で、1万人の研究協力者を得るというのはどのくらい大変なのかと尋ねると、「単施設の研究で1万人のデータを短期間に1人で集めるのは無理です。多施設で全国レベルの調査をしなければなりませんが、そのためには膨大な工数、資金を必要とします。1万人以上の参加者を対象とした医学論文はインパクトが大きいですが、なかなか実現できるものではありません」と説明する。それを1つの大学の研究プロジェクトで、たった1つのiPhoneアプリが1カ月で収集してしまった。

 つまり、Heart & Brainは「より多くの臨床データ量が必要」というハードルを、いとも簡単に乗り越えてしまったことになる。医学研究用アプリに期待されていることが、実績で証明されたことになる。

 ただし、たくさんの臨床データが集まったからといって、それで満足しているわけではない。木村氏は「情報に大事なのは量と質だと思います。量が収集できることはわかりましたので、次はデータの質に注目しています。携帯電話で収集したデータを医療情報として扱っていいのか、医学研究にどれくらい有用なのかを検証します。iPhoneで臨床研究に参加する方は、病院で通常の臨床研究に参加される方と違う特徴があるかもしれません。アプリをダウンロードして研究に参加してみようと考える人は、もともと健康意識が高い傾向にあるかもしれません。こうした情報の偏り、バイアスも明らかにする必要があります」と語る。

アプリを開発したのは医師自身だった

 Heart & Brainは、実は木村氏自身がプログラミングしたものだ。

 木村氏は以前にもプログラミングの経験があるそうだが、アプリを作ることができたのはResearchKitによるところが大きいという。「ResearchKitは医学研究に特化したフレームワークなので、研究に参加してもらうための同意を得る手続きや臨床データの収集の仕組みなどが準備されています。質問票などの画面の遷移フローも少ない工数で開発できました」。

 Androidスマートフォンにもセンサー類は付いているので、ゼロからプログラミングすればAndroidでもアプリを開発できる。しかし、「もしそうしていたら、短期間での開発は難しかったでしょうね」と振り返る 。

 医学研究用アプリが簡単に開発できるようになることを通して、臨床研究がより活発になることを期待したい。

※Heart & BrainはApp Storeからダウンロードできる。