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水族館のラッコ、絶滅危機 オスの「草食化」も原因?

2016年02月25日 09時42分43秒 | 市場動向チェックメモ
http://digital.asahi.com/articles/ASJ2M66TNJ2MUTIL04Q.html?rm=767

朝日新聞デジタル

水族館でのラッコの飼育頭数

 愛くるしいしぐさで人気のラッコが国内の水族館で「絶滅」の危機にひんしている。オスの「草食化」も一因らしい。何が起こっているのか?

どうぶつ新聞
 東京・池袋のサンシャイン水族館。ラッコは、アシカやペンギンと並んで根強い人気を誇っていたが、2月末で約30年の歴史に幕を下ろすことになった。ラッコを見にきていた幼稚園児の高橋望名実(もなみ)ちゃん(6)は「毛がふさふさしていて、顔をごしごしするのがかわいい。会えなくなるのでさみしい」と惜しんでいた。一時は6頭まで増えたが、繁殖が思うようにいかなくなっていた。

 今年1月、メスのミール(13歳)ががんで死に、パートナーのオスのロイズ(10歳)が国内の別の水族館に「引っ越し」することになった。引っ越し先は、ロイズの体調が落ち着いて公開できるようになるまで秘密だという。

 国内の水族館でラッコの飼育数が激減している。全国動物園水族館協会(JAZA)によると、日本のラッコは1982年に伊豆・三津シーパラダイス(静岡県)に米国から初めて輸入された。84年に鳥羽水族館(三重県)で赤ちゃんの「チャチャ」が生まれると大ブームに。ところが、94年の28施設122頭をピークに減り続け、サンシャイン水族館によると、今年1月時点で10施設14頭と、約20年間で9割近く減った。

 ラッコが減っている理由は、野生ラッコが多く住んでいる米国やロシアからの輸入が途絶えていることが大きい。野生のラッコは毛皮を得るための乱獲や、原油の流出事故、海洋環境の変化などにより世界中で生息数が減少。米国やロシアでは捕獲を禁じており、ワシントン条約でも輸出国の許可がないと外国と取引できなくなっている。国際自然保護連合(IUCN)も2000年に絶滅危惧種に指定。米国からは98年、ロシアからは2003年を最後に輸入されていない。

 ログイン前の続き国内での繁殖も思うように進んでいない。水族館同士でラッコを貸し借りして繁殖を進めてきたが、相性が悪くて妊娠しなかったり、出産しても赤ちゃんがすぐに死んでしまったりして高齢化が進み、出産適齢期を過ぎた15歳以上のラッコが増えている。

 さらに、ラッコは移動が難しいことも国内での繁殖のハードルになっている。元々寒いところに住んでいるラッコは代謝が激しい動物で、興奮すると体温が上がりすぎて死んでしまうことがある。体温を保つために保冷車を使って移動させるが、環境の変化に弱く、低体温症になってしまうこともある。

 サンシャイン水族館のラッコ飼育員福井正志さん(31)は「ラッコの輸送はリスクが高く、輸送中や輸送直後に死んでしまうこともあり細心の注意が必要。それでも、このままでは絶滅しかねず繁殖に挑戦することにした」と話す。

 最近は、思わぬ変化も出てきている。国内のラッコの繁殖計画を取りしきる鳥羽水族館の飼育員石原良浩さん(54)によると、国内で飼育されているラッコの大半は水族館生まれで、世代を重ねるにつれ繁殖能力が落ちているという。

 野生のオスは、海面で体勢が崩れないようにメスの鼻にかみつきながら10~15分間、激しい交尾をする。だが、水族館生まれのオスはメスに抵抗されるとすぐに交尾をあきらめてしまうことが多い。そもそも交尾に積極的でないオスもいる。

 石原さんは「水族館生まれのラッコは『草食化』が進んでいる。近いうちに国内でラッコが見られなくなる日がくるかもしれない」と心配する。(渡辺洋介)
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