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落ち込んだ気分を回復させる誰でもできる方法 ストレスからの回復力「レジリエンス」の磨き方

2016年02月29日 19時17分30秒 | 市場動向チェックメモ
http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/16/021000005/021500003/?waad=k5j61Kzk

男のストレス事情
落ち込んだ気分を回復させる誰でもできる方法
ストレスからの回復力「レジリエンス」の磨き方
2016/2/22 取材・まとめ:小泉なつみ=フリーライター

会社組織の変化から、「男らしさ」の呪縛に苦しめられている男性たちの現状を伝えた前2回。最終回の本稿では、海原さんが考えるストレスからの脱し方、そして心身症の予防法をお聞きした。

人は誰でも回復力《レジリエンス》を持っている


ほんのちょっとした行動でストレス状態から抜けられる。(©alphaspirit 123-rf)

――海原先生へのインタビューの第1回「『男らしさ』に追いつめられる男性が増加中!?」の中で、働き盛りの40~50代の男性が直面している深刻なストレスについてうかがいました。こうしたストレスに対し、心がけるべき予防策はありますか。

 ストレス解消法といわれる方法はいろいろありますが、一過性の解消法に頼るのではなく、自分の人生を根本的に考えなければいけないと思います。女性は「自分らしい生き方」についてずっと考えてきましたが、男性は生き方というよりも「仕事の成功」に重きを置いてきましたから、特にその必要があると思います。

 ストレスなどから回復する力のことを心理学用語で「レジリエンス」と言いますが、人は誰でもこのレジリエンス持っており、その力を鍛えることで心身症の予防は可能です。こんな風に言うと「じゃあ何か一つ方法を教えてください」と聞かれるんですが、一つですべてを解決することはさすがに不可能です(笑)。レジリエンスは性格要因やものの捉え方、サポートしてくれる人の有無といった総合力なので、人それぞれに強化のポイントは変わってきます。

「自己表現」が最強のストレス対策

 ただしストレスに強い人の共通点として言えるのは、回復力を高めてくれるリソース、つまり自己表現の場をたくさん持っていることです。第1回の記事で、我慢強くコミュニケーション力が高い「良い人傾向」の人は心身症になりやすいとお伝えしましたが、もちろん元気な人はたくさんいます。そうした人は趣味が充実していたり、ペットを飼っていたり、広い意味での自己表現の場を持っていることが多いんですよ。

 ストレスは怒りや不満を黙って抑え込むことによって生じることが多いので、レジリエンスUPには、抑え込んだ感情を表現する場を生活の中でどれだけ持てるかが肝要なのです。自己表現というと高尚な感じがするかもしれませんが、ジムに行って体を動かすことも立派な自己表現の一つです。また、自分の気持ちをノートに書くことはもちろん、買い物をする、マッサージを受ける、いつもと違うルートで帰ってみる、本屋さんに行く、温かい飲みものを飲むなど何でもいい。そうやって体を緩めたり、心のリラックスにつながることすべてが「自己表現」と言えます。

 ですからまずは、自分が心地良いと感じられること――嫌なことがあったとき、これをやると元気になる――といったことを思い出して書き出し、リソースとして把握してみてください。それがひいては、「自分らしい生き方」にもつながってくるのではないでしょうか。ただし、お酒とタバコ、ギャンブル、歓楽街以外で楽しみを探してくださいね。

――自己表現というと敷居が高いイメージがありましたが、難しく考えず、自分が心地良くなることをやればいいんですね。自己表現以外で、意識すべきことはありますか?

 自己表現と重なるものもありますが、メンタルヘルスを維持する上では、当然、「深呼吸」「適度に体を動かす」「睡眠」「気持ちを話せる家族や仲間」「自然との触れ合い」の5項目は基本となります。これらを意識的に整えるだけでもかなりストレスが軽減されるので、ぜひ覚えておいてください。

《ストレス予防の基本5項目》
1 深呼吸
2 適度に体を動かす
3 睡眠
4 気持ちを話せる家族や仲間
5 自然との触れ合い


――海原さんがSNSを盛んに活用しているのも、自己表現の一環なのでしょうか。

 米国ハーバード大学にいらしたニコラス・A・クリスタキス教授は著書『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』(講談社)の中で、「“つながり”の多さが健康に影響する」と述べています。

 また、米国のある地域で行った研究では、がんの死亡率が貧困層ほど高い傾向にありました。これは金銭的な事情で検診を受けられないということもありますが、教育が受けられず医療情報が不足している、インターネットアクセスがなくネットワークが少ないといったことが原因だという分析もあります。今やSNSによる人と人の「つながり」は、ヘルスコミュニケーションにとっても大きな情報源といえるでしょう。

 レジリエンス向上のリソースとしても、TwitterやFacebookはオススメです。

 ただしのめりこまない、それだけを自分の唯一のネットワークにしない、時間を決めて使う、適度な距離感を保つ、投稿する前に自分の思いを客観的に見つめる、などが上手な使い方です。

 SNSの優れた点は、違う世界の友達を作りやすいところです。同じ業界の人としか接していないと視野が狭くなりがちですが、全く違った視点から話をしてくれる人がいると、悩みを客観的に見ることができるものです。

――そんな予防をする前に、もし心身症になってしまった場合はどうすればいいでしょうか。

 まずは体をケアしましょう。休んでおいしいごはん食べる、マッサージをしてもらうといったことから始めてみてください。もちろん精神科や心療内科に行ってもいいですが、自分に合う医者かどうかなんて初めてじゃわからないですよね。そうしたらかかりつけの歯医者でも内科でもいいので、話しやすいお医者さんに相談してみてください。その人に専門医を紹介してもらったほうが、闇雲に飛び込むよりもよっぽどいいと思いますよ。

うつの人に「治してあげたい」はNG

――一方で、周りの大切な人がうつになってしまった、なんてこともよくあります。そういったときに周囲はどんなことをしてあげるべきでしょうか。

 「元気づけることを言ってあげなきゃ」とか「助けてあげよう」などと思うのは相手の負担や心の重荷になります。周囲がしてあげられる最善策は、その人のそばにいることだけ。それも、本当にそばにいてあげることだけが助けではなく、「いつでもそばにいるよ」という態度が相手の重荷にならない支援といえます。

 また、うつになると買い物や電話などができにくくなるので、そういった手助けなども助かります。

 支援の仕方には「直接支援」「情報支援」「共感支援」「援助への期待への支援」の4種類があって、「いつでもそばにいる」という態度は「援助への期待への支援」になる。「困ったときあの人がいれば、最悪の状態をなんとか乗りきれる」と思えるだけで、それが支援になるのです。

*   *   *   *   *   *   *

 「いつもと違うルートで帰る」「本屋に行く」といった、ほんの少しの行動の変化が気分を変え、ストレスからの回復につながると教えてくれた海原さん。自分の心をワクワクさせる術を身に付けることは心身の健康のみならず、人生そのものを豊かにしてくれるはず。ちょっとクサクサしたなと思ったらそのサインを見逃さず、ぜひ“楽しみ発見”に活かしてみてほしい。

『男はなぜこんなに苦しいのか』
(朝日新聞出版・朝日選書、780円+税)

 「優秀にみられるのに、実はアルコールに頼る毎日」「やたらと攻撃してくる上司がいる」「妻の機嫌がいつも悪い」など、心の不調を訴える男性たちの様々なケースを紹介。ストレスに強い自分になるための実践的な方法についても丁寧に解説している。

海原 純子(うみはら・じゅんこ)さん
医学博士
海原 純子(うみはら・じゅんこ)さん 東京慈恵会医科大学卒業、1986~2006年女性の為のクリニック所長、2006~2013年白鴎大学教育学部教授、2012年昭和女子大学国際学部客員教授、2008~2010年ハーバード大学客員研究員、2013年日本医科大学特任教授、2007~2012年厚生労働省「健康大使」。復興庁心のケア事業(2013-2014)統括責任者、復興庁県外自主避難者支援事業心のケア担当(2014-2015)、日本医科大学健診医療センターストレス健診外来担当。著書に『こころの格差社会』(角川書店)、『男はなぜこんなに苦しいのか』(朝日新聞社)などがある。

50代「セミリタイア社員」をよみがえらせる

2016年02月29日 13時36分52秒 | 市場動向チェックメモ
http://bizgate.nikkei.co.jp/article/99615517.html

50代「セミリタイア社員」をよみがえらせる
2016/02/23
クレイア・コンサルティング シニアコンサルタント 大浦 琢也氏

 企業の人手不足感が強まるなか、優秀な人材をいかに育て、社内に引き留めるかが、一段と重要な経営課題になっている。その際に有効なのが、勤続年数や年代に応じた育成策や人事戦略だ。人事・組織改革で実績のあるクレイア・コンサルティングのコンサルタントが、世代別人事マネジメントの要諦を解説する。

可視化される世代内の格差

 「この前、居酒屋に行ったら、別のテーブルで、うちの会社の役員と部長と担当課長が3人で楽しそうに話をしているのを見かけてさ。仕事上のつながりはほとんどないはずだし、変わった組み合わせだと思って、次の日、それとなく課長に聞いてみたら、実はその3人、同期入社だったみたいなんだ。役職だけじゃなくて、見た目の年齢も全然違うから、あの3人が同期で仲良く話しているのが、すごく意外だった。
 それにしても新卒で採用されて横一線でスタートしたはずなのに、30年経つとあそこまで差が出るものなんだな。改めて日本企業って怖いなって思ったよ」

 これは筆者が以前、ある大手企業に勤務する学生時代の友人と食事をしていた時に、実際に聞いた話である。

 それまでの30年近いキャリアのなかで、50代の社員には大きな能力差が生じている。同期内でトップを走り続け、役員に任命される社員がいる一方で、役職定年制を導入している企業では、多くの役職者が50代中盤からポストオフを迎えはじめる。

 また管理職に昇格することができず、非管理職として社内にとどまり続ける社員がいる一方で、出向や転籍により社外に出る社員も増えていく。出向先や転籍先もさまざまだ。50代は、キャリアの悲喜こもごもが、それまで以上に明確に可視化される世代と言ってもいいかもしれない。

 また役職や給与だけでなく、本人の健康状態や家族の状況にも大きな差が生じており、ライフプランにおける仕事の位置づけも個々の状況によって大きく異なってくる。持ち家のローン返済を終えた50代社員もいれば、依然として賃貸住宅に住んでいる50代社員もいる。両親の介護問題を抱えている50代社員もいれば、自身の健康状態に不安がある50代社員もいる。

 このように50代社員は多様化している分、画一的な人事マネジメントが難しく、この世代に対して有効な人事マネジメントのアプローチを見いだせていない企業は多い。

 一方で、50代社員には共通する特徴も見られる。社内の評価はすでにほぼ確定していると言ってよく、一部の超優秀層を除けば、キャリアは頭打ちしている。さらに、それまでの年功序列型の賃金制度の運用により、企業や周囲からは、パフォーマンスに比べて給与が高水準と見られていることも多い。

下の世代からは、やっかいな存在

 がんばっても、これ以上職位や給与面で報われることは少ない一方で、多くの日本企業では降格や降給が人事制度運用上難しく、少しくらいがんばらなかったからといって、ただちに給与水準が引き下げられることもない。そのため、人事評価による仕事への動機づけが難しく、仕事への意欲が低くても、その状態が温存されてしまう。

 こうした50代社員は、下の世代からは、扱いづらい、やっかいな存在として映るようだ。実際に社内の50代社員の存在に頭を悩ませているビジネスマンが多いせいか、Googleで「50代社員」と検索すると予測変換に「使えない」と出てくる(2016年2月時点)。

 2013年4月1日の改正高年齢者雇用安定法施行を背景に、定年延長や再雇用により従来よりも働く期間が延びていくなかで、多様化した50代社員を動機づけし、キャリアの最後まで緊張感を持って働いてもらうことは、多くの企業にとって、人事マネジメント上の大きな課題の一つである。出向や転籍による社外へのアウトフローにも限界があるからだ。

 企業の人員構成でボリュームゾーンを占めるバブル入社世代(1988年~1992年入社)が50代に到達しはじめており、まさに今、会社の経営課題として向き合っていくべきテーマと言える(図表)。筆者がクライアントと話をしていて、このテーマについて相談されることも多い。

図表 正規の職員・従業員の年齢分布

出典:総務省統計局「労働力調査」(2014年)を加工して作成

 そして、このテーマについてクライアントと議論をしてみて感じるのは、「ライン管理職のポスト数の制約や、本人のマネジメント適性の問題により、長い間、スタッフ管理職(配下社員を持たないが、管理監督者として扱われ、時間管理対象外となっている社員)として処遇されてきた」50代社員に、特に大きな課題があることが多いということだ。

・ これ以上、社内でのキャリアアップが見込めないことを本人自身が強く認識しており、結果として仕事への意欲が低下している。
・ 自らのスキルの向上や新しい仕事の進め方の習得に後ろ向きな一方で、これまで蓄積してきた経験や知識の陳腐化が進んでいる。
・ 自らに課せられた仕事であっても、チーム内の他の社員に振る傾向にあり、周囲から敬遠されている。
・ いつの間にか、かつての後輩社員が上司になっていることも多く、上司が年下の部下を指導するように、注意をしたり、気付きを促したりすることが難しくなっている。

 こうした50代スタッフ管理職に心当たりのある読者も多いのではないだろうか。社内の主戦力が自分より下の世代に移行していくなかで、新たな役割を担うことに消極的で、最低限の仕事だけをしながら、手堅くキャリアの終わりを待とうとする、退職前から「セミリタイア化」する50代スタッフ管理職は、意外と多い。
仕組みを変える必要

 「セミリタイア化」した50代スタッフ管理職の再活性化を現場のマネジメントだけで実現することは難しく、人事・組織の仕組みを変革することが必要である。いくつかの代表的なアプローチを以下に紹介する。

①複線型人事制度の導入

 もし人事制度のなかで、ライン管理職とスタッフ管理職を同じ職群や等級で処遇している企業であれば、ライン管理職とスタッフ管理職を異なる職群で処遇する複線型人事制度の導入が有効である。人事制度のなかで、ライン管理職とスタッフ管理職を区分することで、社内におけるスタッフ管理職の期待役割が明確になり、期待役割に沿った評価基準の設定が行いやすくなる。(複線型人事制度を成功させるポイントについては、40代「管理職」の停滞をどう打破するかを参照)

②評価の給与への適切な反映

 複線型人事制度の中で、スタッフ管理職の役割が明確になり、適切な評価が実現されていれば、評価によって給与に差を付けることの理解を得やすい。求められている行動や能力発揮の実現度、また業績への貢献を適切に給与に反映することで、仕事への緊張感を持たせ、動機づけを図ることが可能である。

③評価の再雇用後の処遇への適切な反映

 定年延長によってではなく、再雇用制度によって60歳以上の社員を雇用している企業であれば、50歳以降の正社員時の評価と、再雇用後の処遇のつながりを明確にする、すなわち、「セミリタイア化」すると再雇用後の処遇が低くなることを、あらかじめ人事制度のなかで警告しておくことが、「セミリタイア化」へのけん制に有効である。

 現時点の再雇用制度自体が賃金水準を低く抑えている場合、思い切った処遇差を設定することが難しいことも多いが、うまく制度設計をすることで「セミリタイア化」への有効な歯止めとなり得るだろう。

④フォロワーシップ(上司を自律的にサポートする姿勢)の醸成

 特に新卒採用を中心に人材登用をしている会社における50代スタッフ管理職の大きな問題の一つは、自身と上司の関係性が、「先輩と後輩」から「部下と上司」に移行しきれていないことである。研修等の機会を通じて意識の変革を促し、50代スタッフ管理職にフォロワーシップを醸成させることで、上司のリーダーシップが効果を発揮しやすくなる。

 「セミリタイア化」した50代スタッフ管理職の再活性化にあたっては、個社の状況に応じて、これらの施策をうまく組み合わせながら、現場のマネジメントのなかで、新しい役割や責務を課していく必要がある。

 ただし、これらの施策がすべてうまく実行されたとしても、「セミリタイア化」した50代スタッフ管理職全員が再活性化される可能性は低い。

 「セミリタイア化」した社員には、たとえそれが企業や周囲からすれば納得しかねないものであったとしても、各々に「セミリタイア化」した理屈や正義があり、こうした施策がかえって「セミリタイア化」した社員の一部を、開き直らせてしまう可能性もあるからだ。また、「セミリタイア化」してから一定の期間が経ち、体力や気力の問題で、すでに再活性化が難しい社員もいる。

 その上で、少しでも成功の確度を上げていくための一つの解は、再活性化の可能性が比較的高い早期の段階から、フォロワーシップの醸成を行っていくことであろう。


大浦 琢也(おおうら たくや)
クレイア・コンサルティング株式会社 シニアコンサルタント
一橋大学経済学部卒業、早稲田大学ビジネススクール修了。都市銀行、外資系メーカー人事部門を経て、現職。人事制度改革、人事制度定着支援、企業再編に伴う組織・人事デューデリジェンス、人事制度統合、人材アセスメント設計等の分野で実績を持つ。(http://www.creia.jp/)