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トランプ政権「親台湾人脈」対中姿勢を左右  編集委員 中沢克二

2016年12月31日 21時30分39秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO11129250X21C16A2000000/

トランプ政権「親台湾人脈」対中姿勢を左右  編集委員 中沢克二
(1/2ページ)2016/12/28 2:00日本経済新聞 電子版
中国 台湾

中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞

 次期米大統領、トランプの周辺で台湾と太いパイプを持つ人々の動きが激しい。台湾総統、蔡英文との歴史的な電話会談、そして「一つの中国」も取引材料とする爆弾発言……。一連の動きの中で存在感を示しているのが、ワシントンに本部がある保守系シンクタンク、ヘリテージ財団だ。

 ヘリテージ財団系の人材は、トランプの政権移行チームに数多くいる。トランプは、同財団の名誉会員で台湾系米国人のイレーン・チャオを運輸長官に指名した。8歳まで台北で過ごした彼女は、ブッシュ政権でアジア系女性として初めて閣僚(労働長官)に就いた経験を持つ。

 ヘリテージ財団で台湾とパイプを持つキーパーソンは誰か。まず1973年に同財団を創設した人物であるフルナ-だ。過去に20回以上も訪台し、李登輝、陳水扁、馬英九、蔡英文ら歴代総統と会談。蔡英文とは総統に就く前から面識がある。中国には厳しい姿勢を示す親台湾派だ。

■米保守系シンクタンク、活発に動く

 そしてヘリテージ財団人脈では、もう一人、重要な人物がいる。元研究員のイェーツだ。ブッシュ政権の副大統領でタカ派として知られたチェイニーの安全保障問題に関するアドバイザーを務めた。現在はトランプ政権移行チームのアジア政策などに関する顧問として動いている。

 イェーツは87~89年にキリスト教の宣教師として台湾南部の高雄、そして蔡英文の故郷である屏東などに滞在した異色の人材である。流ちょうな中国語を操り、しかも台湾なまり。葉望輝という漢字名を使い、台湾社会を基礎から理解している「親台湾派」だ。

 先に、米共和党が初めて台湾防衛と武器売却などを巡る台湾関係法と「6項目保証」を党綱領に書き入れた際の立役者でもある。

 イェーツの台湾とのパイプの太さを示したのが、トランプ・蔡英文電話会談から一週間もたたずに台北入りしたことだ。12月7日には総統公邸で蔡英文らと食事を共にしながら3時間も会談した。そこには、かつて駐米代表だった国家安全会議秘書長の呉●(かねへんにりっとう)燮、外交部長の李大維、与党・民主進歩党の立法委員、羅致政らが同席した。

 台湾の外交・安全保障の責任者らが勢ぞろいしたことは、イェーツがトランプ新政権との関係構築で重要な人物であると見なしている証拠だ。フルナーとイェーツのコンビこそ、歴史的な電話会談をセットしたキーマンとの見方もある。

 その真相は別にしても「イェーツが蔡英文らとの3時間にわたる会談で、トランプ新体制への準備を事細かく進言したのは明らかだ」(台湾の国際問題専門家)。蔡英文との会談の前日、イェーツは台湾メディアを前に「トランプ氏はビジネスマンの手法で外交をする」と解説し、準備の必要性に触れた。

■空母「遼寧」まで派遣、蔡総統へ圧力

トランプ氏(左)と台湾の蔡英文総統は歴史的な電話会談をした

 公邸の会談に同席した羅致政によると、席上では蔡英文の故郷で、イェーツも滞在した屏東の現状のほか、蔡英文への真摯なアドバイスもあった。「(訪米の)機会があれば、米国の庶民とより密接に接触すべきだ」というものだ。

 一方、中国国家主席の習近平は、ここにきて蔡英文に露骨に圧力をかけ始めた。台湾と国交がある国を引きはがす外交戦と、軍事上の“威嚇”の両方だ。

 2015年11月、習近平は当時の台湾総統、馬英九とシンガポールで歴史的な中台トップ会談に踏み切った。その頃、中国は、台湾と国交がある国々を中国側に寝返らせようとする行動を控えていた。解釈に違いはあるにせよ、「一つの中国」を認めている台湾・国民党政権への配慮だった。

 たとえば13年に台湾と断交したアフリカのガンビア。中国は、しばらくこれを放置し、国交樹立に動いたのは、先の台湾総統選で民進党の蔡英文が当選した後の16年3月になってからだった。5月20日の総統就任前に「一つの中国」を認めるよう圧力をかける意味があった。

 しかし、その後も蔡英文は「一つの中国」を認めない。それを見て中国はさらに動く。中国外相の王毅は12月26日、北京でサントメ・プリンシぺの外相と会談し、国交回復の文書に署名した。サントメ・プリンシぺは、西アフリカの香港ほどの面積の島国で、人口は約19万人。1975年に正式に独立した後、受け取る経済支援の多寡で中台間を動いてきた典型的な小国である。

 これに先立ち、台湾はサントメ・プリンシペと断交。台北にある台湾外交部に掲げてある、国交を持つ国の国旗がまた一つ減った。現在は21カ国にすぎない。

 中国への反発は、与党・民主進歩党内で強まっている。矛先の一部は蔡英文にも向く。蔡英文はトランプとの電話会談に成功した後も、中国に付け込まれる隙を与えないよう刺激的な言葉を避けてきた。対中関係の安定こそ、内政問題のつまずきで下落した支持率の底打ちにつながる、と見たからだ。

 今、その蔡英文の冷静な態度に民進党内の“台湾独立派”とされる長老らがかみつき始めた。「中国が強硬なのに蔡英文は弱腰過ぎる」との批判だ。

 とはいえ、サントメ・プリンシペという小国との断交だけなら、蔡英文にとって大きな痛手にはならない。台湾のテレビ局による簡易世論調査でも「『金銭外交』はただすべきで、国交がある国の大半を失ってもしかたない」という意見も、けっこう多かった。

 もう一つ、大問題がある。台湾と関係を保つキリスト教カトリックの総本山、バチカン(ローマ法王庁)と中国の国交正常化だ。バチカンは宗教の政治的権威を認めない中国共産党政権と対立。大陸内は政府公認の「中国天主教愛国会」とローマ法王に忠誠を誓う非公認の地下教会に分裂していた。

 ところが、バチカンと中国の間で司教の任命方式を巡る交渉が妥結に近づいたとの見方が出ている。そうなれば台湾は、一段と苦境に追い込まれる。さらに、習近平は軍事面での圧力も強めている。

■蔡総統とトランプ氏はNYで接触するか?

中国空母接近への警戒強化を伝える12月27日付の台湾各紙

 台湾海域に接近した空母「遼寧」を、我が軍のF16戦闘機などが緊急出動し監視・偵察――。

 12月27日朝、台湾紙のトップを飾ったのは中国海軍の空母「遼寧」だ。空母を核とする艦隊は、沖縄本島と宮古島の間を抜けた後、台湾とフィリピンの間の南のバシー海峡から南シナ海に入った。台湾が実効支配する東沙諸島の南東も航行した。

 台湾の安全保障関係者は、中国海軍の動きについて「台湾への明確な警告、威嚇」と捉えている。台北の一般庶民も屋台で朝食をとりつつ、中国による威圧への反発を口にしていた。

 中国の締め付けが強まるなか、蔡英文はトランプ米新政権とどう向き合うのか。1月7~15日にはニカラグアなど中米4カ国を歴訪する旅に出る。その際、ニューヨークを経由するかが焦点となる。

 トランプは1月20日、大統領に就く。その直前、なお自由な立場のトランプが蔡英文と接触する可能性は残る。台湾総統府は歴訪日程発表の際、米国立ち寄りにあえて触れていない。ここでもトランプ側とのパイプを果たすとみられるのが、先に触れたヘリテージ財団人脈だ。

 台湾メディアによると、蔡英文は米国で再びフルナーと会い、トランプの首席大統領補佐官になるプリーバスとの面会も検討中という。共和党全国委員長のプリーバスは15年10月に訪台し、蔡英文と会談した親台湾派。この時、プリーバスに付き添ったのが台湾で宣教師の経験を持つイェーツだ。

 中国が40年を費やして国際社会にすり込み続けた「一つの中国」という概念。歴代米大統領も扱いに苦慮した高いハードルを、トランプは軽々と飛び越えそうな勢いだ。その時に生じる大波が、アジアの安全保障の常識を洗い流すのか。トランプの真意をもう少し見極める必要がある。(敬称略)
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台湾総統「国際情勢の変動に直面」 米中巡り警戒 内外メディアと懇談

2016年12月31日 21時28分14秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM31H1I_R31C16A2FF8000/?dg=1&nf=1

台湾総統「国際情勢の変動に直面」 米中巡り警戒
内外メディアと懇談
2016/12/31 19:24
中国 台湾

 【台北=伊原健作】台湾の蔡英文総統は31日、内外メディアと懇談し、台湾への圧力を強める中国について「かつての恫喝(どうかつ)の道へと戻ろうとしている」と批判した。中国は米台の接近に反発し、台湾の外交関係を切り崩す強硬姿勢を鮮明にする。トランプ次期米大統領の就任が迫るなかで「(2017年)前半は国際情勢の変動に直面する」と警戒した。

蔡氏は懇談で中国にひるまない姿勢も訴えた(31日、台北市の総統府)

 「北京当局は台湾を分断し、圧力を加え、さらに威嚇し恫喝するかつての道へと一歩一歩後退している」。蔡氏は台北市の総統府での懇談でこう指摘し、台湾は「圧力に屈せず、対抗の道にも戻らない」と訴えた。

 中国は台湾について中国の不可分の領土とする「一つの中国」の原則を掲げ、台湾独立を志向する民主進歩党(民進党)の蔡政権に圧力をかける。16年12月にはトランプ氏が蔡氏との電話会談に応じ、さらに「一つの中国」に縛られないと発言。中国は猛反発した。

 西アフリカの島国、サントメ・プリンシペは台湾に断交を伝えたわずか5日後の12月26日、中国と国交を樹立。中国の空母「遼寧」は直近の演習で台湾の東側を回り込む針路をとった。いずれも台湾に圧力をかける意図が働いたとみられ、蔡氏は「台湾人民の感情を傷つけ、両岸(中台)関係の安定を損なっている」と批判した。

 一方、トランプ氏の台湾接近への受け止めは複雑だ。米国が「一つの中国」の原則をどう扱うかについて「米国が自ら決めること」とコメントを避けた。中国は対米関係を重視せざるを得ず、反発の矛先は台湾に向かう。トランプ氏の揺さぶりが過剰になれば、中国の台湾への圧力が際限なく膨らむとの懸念がある。

 蔡氏は1月7日から中米4カ国の外遊を予定し、往路で米国のヒューストン、復路でサンフランシスコに寄る。トランプ氏の関係者と接触するとの観測もあるが「単なる一時的な立ち寄りであり正式な訪問ではない」とするにとどめた。

 蔡氏は「台湾の国防、経済、社会は対応力を有しており、変動を過度に恐れる必要はない」とひるまない姿勢も強調した。中国の圧力が強まっても、国民党の馬英九・前政権のように親中路線に転じる可能性は低い。1月20日に米大統領に就任するトランプ氏の動き次第で、米中台で改めて火花が散る可能性がある。
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韓国国政介入疑惑、特別検察官が捜査開始

2016年12月31日 21時27分27秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H6E_R21C16A2FF2000/

韓国国政介入疑惑、特別検察官が捜査開始
2016/12/21 20:38
韓国

 【ソウル=山田健一】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と友人の崔順実(チェ・スンシル)被告らを巡る国政介入疑惑を調べる特別検事のチームが21日、本格的に捜査を始めた。政府から独立した立場で、特別法に基づき疑惑と事件を最長100日間捜査する。21日は大手財閥サムスンのグループ会社の合併に関与した国民年金公団などを家宅捜索した。

 公的年金を運用する年金公団は、サムスンのグループ2社が昨夏開いた臨時株主総会で、大株主として合併に賛成票を投じた。サムスンが崔被告が実質支配した財団に寄付したのは、年金公団がこの合併案に賛成票を投じた見返りとの疑いがある。年金公団の決断の裏に大統領府の関与が無かったかを調べるため、公団事務所など10カ所以上を捜索した。

 特別検事チームは、ドイツ滞在中とみられる崔被告の娘の逮捕状を既にとり、独当局と連携して身柄の拘束を目指していることも明らかにした。サムスンは娘の乗馬活動にも資金協力していた。特別検事は、幹部を非公式に聴取するなどサムスンが関係する疑惑の捜査を優先する姿勢をみせている。

 チームは21日朝、ソウルの事務所に看板を掲げ、100人強の体制でスタートした。
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韓国特別検事、前保健相を逮捕 職権乱用の疑い

2016年12月31日 21時26分19秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM31H1R_R31C16A2FF8000/?dg=1&nf=1

韓国特別検事、前保健相を逮捕 職権乱用の疑い
2016/12/31 19:37

 【ソウル=山田健一】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の友人、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入疑惑などを調べる特別検事の捜査班は31日未明、文亨杓(ムン・ヒョンピョ)前保健福祉相を逮捕した。年金基金を運営する国民年金公団にサムスングループの臨時株主総会で賛成票を投じるよう圧力をかけた職権乱用の疑いが持たれている。

韓国の朴槿恵大統領の即時退陣を求め、ソウル中心部で開かれた抗議集会に集まった大勢の人たち(31日夜)=共同

 韓国メディアが一斉に報じた。捜査班が被疑者を逮捕したのは初めて。文容疑者を通じて、サムスングループと朴氏との間に不正なやり取りが無かったかを調べる。

 サムスングループは崔被告が実質支配した2つの財団に寄付しており、サムスンの資金拠出に賄賂性がなかったかが焦点になる。聯合ニュースは、捜査班がサムスン幹部を近く聴取することを検討中だと報じた。

 保健福祉省は国民年金公団を管轄する。捜査班は文容疑者を12月28日に拘束し、29日にはサムスンのグループ会社2社が合併を決めた昨夏の臨時株主総会で、年金公団に賛成票を投じるよう指示したことを文容疑者が認めたと説明した。

 ただ、サムスングループを事実上率いる李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は6日に開かれた国会の国政調査で、寄付を巡る賄賂性を否定している。

 捜査班は別途、崔被告の娘が梨花女子大で単位を不正に取得するのを手助けした業務妨害の疑いなどで、同大の柳哲鈞(リュ・チョルギュン)教授を拘束した。
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新成人123万人、2年ぶり増 酉年生まれ最少

2016年12月31日 21時25分26秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG31H1W_R31C16A2CR8000/?dg=1&nf=1

新成人123万人、2年ぶり増 酉年生まれ最少
2016/12/31 20:28

 総務省が31日発表した人口推計によると、2017年1月1日時点で20歳の新成人は123万人で前年比2万人増えた。増加は2年ぶり。新成人が生まれた1996年は第2次ベビーブーム世代(1971~74年生まれ)の出産期にあたり、出生数が増加していたことなどが影響した。

 15年に新成人人口が21年ぶりに増加に転じ、その後は一進一退となっている。17年はピーク時の1970年(246万人)と比べると半数にとどまる。総人口に占める割合は0.97%で、7年連続で1%を下回った。

 新成人が生まれた90年代にみられる出生数の増加は一時的なもので、00年代は再び低下傾向で推移しており、中長期でみると新成人も減少傾向が続くとみられる。

 一方、酉(とり)年生まれの人口は943万人。酉年は団塊の世代(47~49年)と第2次ベビーブームのいずれにもあたらないため、十二支別にみると酉年は最も少ない。「年男」は457万人、「年女」は486万人。48歳になる69年生まれが185万人で最も多く、81年生まれが151万人、57年生まれが145万人で続く。
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アマゾン「1時間配送」 効率物流の裏側を見た

2016年12月31日 21時21分50秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO11256570R31C16A2I00000/?dg=1&nf=1

アマゾン「1時間配送」 効率物流の裏側を見た
2016/12/31 20:14

 注文から1時間以内に商品を届けるアマゾンジャパン(東京・目黒)の有料会員向けサービス「プライムナウ」。スピード配送を可能にする仕組みとは――。舞台裏に密着した。

■詳しくは映像をご覧ください。
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三越伊勢丹、プランタン銀座の保有株全株売却 読売新聞に

2016年12月31日 21時20分08秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13I3C_T11C16A2TI5000/

三越伊勢丹、プランタン銀座の保有株全株売却 読売新聞に
2016/12/13 20:10

 三越伊勢丹は13日、保有するプランタン銀座(東京・中央)の全株式を12月末に読売新聞東京本社に売却すると発表した。譲渡額は非公表。仏プランタン社との商号・商標契約の終了に伴い、2017年1月に社名を「マロニエゲート」に変更する新会社の社長には、読売新聞東京本社の幹部でプランタン銀座の非常勤取締役を務める木村透氏が1月1日付で就任する。

 プランタン銀座は三越伊勢丹が30%、読売新聞が70%の発行済み株式を保有している。三越伊勢丹ホールディングスが3代続けて社長を送り込んできた。1984年の開業以来、20~30代向けの婦人服で人気を集めてきたが、近年は「ニトリ」が入居するなど幅広い世代の集客を目指すプランタン銀座と、高級路線の維持を望む仏・プランタン社との間で方針の違いが明らかになっていた。

 1月に社名を変更するのに伴い、店舗の大幅な改装に取り組む。新たに入居するのはファッション雑貨や飲食店など31店で、そのうち銀座初出店は17店。笹岡寛社長は新会社の顧問に就任する。
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銀座、再開発で変身 松坂屋は看板外し新施設

2016年12月31日 21時19分16秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ26HX1_W6A021C1TI5000/?

銀座、再開発で変身 松坂屋は看板外し新施設
ソニービルは広場に
2016/10/26 22:04

 J・フロントリテイリングと森ビル、住友商事は26日、松坂屋銀座店跡に建設中の新たな商業施設の概要を発表した。商業施設の名称は「GINZA SIX」。仏クリスチャン・ディオールや伊フェンディなど241のブランドを集め、来年4月20日に開業する。東京・銀座エリアはソニービル銀座の直営店が8月末に50年の歴史に幕を閉じるなど大きく変わりつつある。

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銀座の新顔「松坂屋」名のらず 来春開業
 東京・銀座の「松坂屋銀座店」跡地に2017年4月、複合施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」が開業する。240店のテナント、オフィスが入居し、銀座の新たな顔になりそう。
 「銀座の地で必要なのは、今の百貨店を進化させるのではなく、誰もが見たことのない新しい商業施設をつくることだ」

 26日に東京都内のホテルで開いたGINZA SIXの記者会見の席上で、Jフロントの山本良一社長は「松坂屋」の看板を使わなかった理由をこう説明した。

 GINZA SIXは地下6階、地上13階建て。商業施設部分の面積は銀座エリアで最大の4万7000平方メートルになる。241のテナントのうち半数以上の122店が都心部の中心的な「旗艦店」と位置付けている。

 集客の目玉の一つとして期待しているのが海外高級ブランドだ。

 LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)傘下のクリスチャン・ディオールは、地下1階から地上4階と5つのフロアにまたがる世界でも最大級の店を開く。フェンディ、仏セリーヌ、仏サンローラン、伊ヴァレンティノ、仏ヴァンクリーフ&アーペルも旗艦店を出す。ヴァレンティノはディオールと同様に、地下1階から地上4階を使う大規模な店を出す計画だ。

 カフェを併設した蔦屋書店のほか、Jフロント傘下の大丸松坂屋百貨店も小型の雑貨店「シジェーム ギンザ」を出店する。飲食店などを含めて商業施設全体で初年度600億円の売上高を見込んでおり、年間の来店客数は2000万人を目標にする。

 銀座の商業施設の風景は変わりつつある。プランタン銀座(東京・中央)は年末で仏プランタン社との商号・商標契約が終了するのにともない、17年1月から社名を「マロニエゲート」に変更。プランタンの名は銀座から30年余りで消える。

 ソニーは数寄屋橋交差点に1966年に開業した「ソニービル銀座」を取り壊し、2018年夏にイベント広場「銀座ソニーパーク」にする。

 少子高齢化や消費の多様化などにより、従来通りの手法だけで消費者をひき付けるのは容易ではない。個別の店ごとの対応と並んで銀座エリアが一体となり、消費者を呼び寄せる取り組みが必要になっている。
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プランタン銀座、32年の歴史に幕 1000人が列

2016年12月31日 21時18分35秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ31H27_R31C16A2TJC000/?dg=1&nf=1

プランタン銀座、32年の歴史に幕 1000人が列
2016/12/31 19:25

 プランタン銀座(東京・中央)は31日、最後の営業日を迎え32年の歴史に幕を下ろした。仏プランタン社との商号・商標契約終了に伴うもので、2017年からは社名と店舗名を変更して営業する。同日は開店前に1000人が列をつくり、若者文化を発信し続けた店との別れを惜しんだ。

営業最終日に詰めかけた人たちで混雑するプランタン銀座(31日午後、東京・銀座)=為廣剛撮影

 プランタン銀座は1984年に開業し、フランスで買いつけた雑貨や働く女性に人気の衣料品を販売してきた。体験型福袋や「エッグタルト」などの菓子もいち早く販売し、女性を呼び込んだ。

 最終日はセール品の雑貨を買い求めたり、記念撮影をする客でにぎわった。娘と菓子店「アンジェリーナ」で買い物をしていた南沢利恵さん(57)は「フランスらしさを感じられた店がなくなるのは寂しい」と話した。

 笹岡寛社長は閉店後のセレモニーで「プランタン銀座の営業は終了するが心の中に記憶として長い間とどめてもらえればうれしい」とあいさつした。3月15日からは「マロニエゲート銀座2&3」として改装開業する。
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新大統領は「サンタ」に代われるか? NQNニューヨーク 神能淳志

2016年12月31日 19時41分40秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN31H0B_R31C16A2000000/

新大統領は「サンタ」に代われるか?
NQNニューヨーク 神能淳志
2016/12/31 7:37日本経済新聞 電子版

 年内最後の取引となった30日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は3日続落した。20日に残り26ドルまで迫った史上初の2万ドル到達は年末にかけ株高が続く「サンタラリー」の経験則をもっても実現せず。クリスマス前にウォール街を去ったサンタクロースに代わり、年明け就任の新大統領はプレゼントを贈れるだろうか。

 2016年の米株式相場はトランプ次期米大統領が誕生した恩恵を鮮明に受けた年だった。今年のダウ平均は2年ぶりに上げ、年間の上昇幅は2337ドルと13年以来3年ぶりの大きさだ。

 米大統領選のあった11月と翌12月は2カ月続けて上昇しており、とりわけ投開票日である11月8日からの上げ幅は1400ドルを超えた。年間上昇幅の6割を次期大統領が決まってからの2カ月足らずで稼いだ計算になる。

 市場の関心事は株価を押し上げてきた「トランプ相場」がどこまで続くかだ。金融サービス会社CMCマーケッツによると、トランプ氏のように米共和党の大統領候補が就任1期目の選挙で勝利した11月と12月にダウ平均が上昇したのは1952年のアイゼンハワー氏以来の快挙だ。「新政権が約束をどう実現するか、市場が不安定になるのは珍しくない」(コリン・チェシンスキ氏)にもかかわらず、騰勢を強めたのはトランプ氏に対する期待の高さともとれる。

 しかし、アイゼンハワー氏が勝利した52年は年が明け翌年になるとダウ平均が3カ月続けてマイナスとなった。下落率は1月が0.7%、2月と3月は1.7%を超えた。民主党の大統領や2期目の再選も含めると、50年代以降で大統領選がある11月から翌年の3月まで全ての月がプラスとなったのは60~61年のケネディ氏のみ。年明けに就任する新大統領がサンタの役割を果たすとは限らず「トランプ氏の経済政策も完全に織り込まれている」(チェシンスキ氏)。

 トランプ政権が本格始動する来年への期待感は根強い。バンクオブアメリカ・メリルリンチは多くの機関投資家が運用の参考指標とする米S&P500種株価指数で、2017年末時点の目標を2300と設定した。原油高が米景気の回復を後押しし、株価は足元より3%近く上昇するとみる。

 「世界経済が09年以来の低成長となるなか、米大統領選以降に楽観主義の新たな波が押し寄せ、市場を活性化させた」。同社のサビータ・スブラマニアン氏は市場がまだ陶酔感に浸っていないとして、強気のケースではS&P500種が2700と、2割超上がる可能性もあると指摘する。

 もちろん、次期政権の具体的な政策が固まっていないなか、見切り発車で動いている面も否めず「株価の推移は政策立案者が高い成長を実現する能力にかかっている」(スブラマニアン氏)。トランプ氏の政策運営によって相場が乱高下する可能性は高い。ダウ平均は2万ドルの大台に乗せて2年連続プラスに向けた足がかりとなるか。市場の「トランプ依存」はまだ続きそうだ。

(NQNニューヨーク=神能淳志)
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NY株、16年の上げ幅2337ドル 歴代2位

2016年12月31日 19時40分20秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM31H1J_R31C16A2MM8000/?dg=1&nf=1

NY株、16年の上げ幅2337ドル 歴代2位
2016/12/31 18:59日本経済新聞 電子版

 【ニューヨーク=山下晃】2016年のダウ工業株30種平均は、15年末比で2337ドル高い1万9762ドルで取引を終えた。年間の上げ幅は歴代2番目。11月8日の米大統領選で共和党候補のトランプ氏が逆転勝利した後に株高に弾みがついた。ダウ平均は一時、史上初めて2万ドルの大台に迫った。16年は歴史的な上げ相場となった。

 16年12月30日の終値は前日比57ドル18セント(0.3%)安い1万9762ドル60セント。週間では8週ぶりにマイナスに転じ、大統領選から続いてきた上昇がやや一服した。年間では米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和が相場を押し上げた13年(3472ドル)以来、2番目の上げ幅となった。

 トランプ氏の勝利後、相対的にリスクの高い株を買って安全資産とされる債券を売る動きが強まった。米10年物国債利回りは12月に一時、2.6%台と2年3カ月ぶりの水準に上昇(債券価格は下落)。米金利上昇は外為市場で円売り・ドル買いを促し、年末にかけて1ドル=120円台をうかがう場面もあった。

 大統領選直後に米株市場で値上がりが目立ったのは、「トランプ政権」の金融規制緩和と金利上昇による利ざや拡大が追い風になるとされた金融株。次いでトランプ氏が掲げる1兆ドル(120兆円弱)規模のインフラ投資が期待されたキャタピラーなどのインフラ関連株だった。

 年末に向け、投資家の物色は多くの業種に広がった。トランプ政権で外国人技術者の確保に不可欠な就労ビザ発給が厳しくなるとされ、事業環境が悪化するとみられたハイテク業種。ハイテク株の割安感が意識されると買いが入り、ハイテク比率の高いナスダック総合株価指数も過去最高値圏で推移した。

 ダウ平均はFRBがゼロ金利政策の解除を模索し始めた15年に年間でマイナスに沈んだ。16年も中国の景気失速への懸念や英国の欧州連合(EU)離脱決定など逆風が続いたが、ダウ平均は大統領選後に1400ドル余りも急伸した。
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トランプ相場、日銀、英国のEU離脱決定……「スクランブル」で読む2016年

2016年12月31日 19時38分55秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO11227990Z21C16A2000000/?n_cid=DSTPCS007

トランプ相場、日銀、英国のEU離脱決定……「スクランブル」で読む2016年
2016/12/31 2:00日本経済新聞 電子版

 2016年の東京株式市場は日経平均株価が大発会以降、戦後最長の6日続落を記録し、波乱の幕開けとなった。日銀のマイナス金利政策に始まり、英国の欧州連合(EU)離脱決定、米大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利など相場を揺るがす出来事が多かった16年。日本経済新聞の「スクランブル」の中でも、電子版読者から特によく読まれた記事で振り返ってみる。

■トランプ相場で日経平均急伸 年初来高値は1万9494円

 米大統領選は共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利した。大統領選の開票速報が次々と流れた11月9日、トランプ氏優勢が伝わると日経平均株価は919円安と大きく下げた。トランプ氏勝利で米国の政治や経済の先行きは不透明感になる、との見方が広がったためだが、その後はインフラ投資など景気刺激策や金融規制の緩和に期待感が高まった。株式相場や長期金利、ドルが上昇する「トランプ相場」で日経平均は12月に入って連日で年初来高値をつける動きになった。
 市場では相場堅調が続くのか、期待と不安が交錯している。スクランブルでは「トランプ相場の傷痕」(11月12日)や「待っても来ない押し目」(11月25日)など、思わぬ相場の堅調に戸惑う投資家の姿を反映した記事が読者の関心を集めた。

トランプ次期米大統領=ロイター

トランプ相場の傷痕 急落・急騰、両局面で損失(11月12日)

トランプ相場いつまで、金融株以外への広がり焦点(11月22日)

待っても来ない押し目 懐疑の国内勢、また出遅れ?(11月25日)

強気相場の引き際 「2017年円高説」の勝算は(11月30日)

日本株高に残る違和感 円安効果織り込み切れず(12月8日)

銀行株高に個人の苦虫 信用取引、続く買い戻し(12月10日)


■日銀がマイナス金利政策を決定

 日銀は1月29日、金融政策決定会合でマイナス金利の導入を決めた。銀行から預かる当座預金に付けている金利の一部をマイナスにする政策だが、直前には黒田東彦総裁がマイナス金利導入を考えていないと伝わっていたため、市場の意表を突くサプライズ緩和となった。世界的なリスク回避の動きにかき消され、市場では円高・株安が進んだ。
 日銀は2016年、上場投資信託(ETF)を増額したほか、9月には金融緩和政策の「総括的検証」を実施し、長期金利をゼロ%程度に誘導する新しい緩和策を決めるなど、今年も金融政策が株式相場の動きを左右した。スクランブルではマイナス金利下でのキャッシュリッチ企業の動きに着目した「動くか『100兆円の山』」(2月17日)や、運用難に悩む地銀が株式投資の買い手となる可能性を示した「さまよう地銀マネー」(3月15日)などがよく読まれた。

金融政策決定会合でマイナス金利政策の導入を決定し、記者会見する日銀の黒田総裁(1月、日銀本店)

動くか「100兆円の山」 マイナス金利が迫る活用(2月17日)

さまよう地銀マネー リスク投資、相場かく乱(3月15日)

銀行株離れじわり マイナス金利の影響見極め(4月13日)

強まる緩和催促モード 海外勢、日本株買いの賭け(4月23日)

「日銀」は避けて通れ 柔軟な個人、新興株に向かう(4月29日)

株、高まる大荒れの予感 日銀会合前にオプション活況(7月26日)


■英国が国民投票 欧州連合(EU)からの離脱決まる

 英国は6月、国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた。残留派が多数を占める、との予想を覆す結果に市場は動揺した。24日の東京株式市場で日経平均株価は「離脱支持がリード」との開票状況が伝わると下げ幅が一時1300円を超えた。外国為替市場でも円相場が一時1ドル=99円ちょうど近辺まで上昇した。
 想定外の事態に、翌25日のスクランブルは相場急落時に買い手に回る「逆張り」として知られる個人投資家の動きを分析した(「逆張り個人、報われるか」)。英国のEU離脱を巡る先行きの不透明感が強まるなか、海外機関投資家による日本株買いの動きを分析した「野村株、強気の勝算」(7月1日)も読者の関心が高かった。

英国民をEU離脱に突き動かしたものも“権威への不信”だった(EU離脱が決まり喜ぶ離脱派)

嵐の前の静けさ 英国民投票に試される日本市場(6月24日)

逆張り個人、報われるか 株価変動拡大の悪循環も(6月25日)

強気になれない日本株、割高銘柄買い戻しの異変(6月28日)

野村株、強気の勝算 米ファンド「リーマンと違う」(7月1日)

「英離脱後の市場」模索 銀行・輸出株は地盤沈下か(7月6日)


■任天堂、キヤノン、PCデポ……話題を集めた「16年銘柄」

 今年、東京株式市場で大きな話題を集めた「2016年銘柄」の代表格は任天堂株だった。7月から配信を始めたスマートフォン(スマホ)用のゲーム「ポケモンGO」は世界的にヒットした。人気キャラクターをスマホゲームに生かして稼ぐ姿を示し、新たな収益源に育つとの期待が株高の原動力になった。市場では任天堂のような銘柄探しに関心が高まり、スクランブルでは「『次の任天堂』を探せ」(7月13日)が読まれた。
 このほか市場の注目銘柄を取り上げたスクランブルも読者の関心が高かった。よく読まれたのは、株主還元に取り組んできたキヤノンによる東芝の医療機器子会社への巨額買収を例に、株価の観点から株主還元に傾きすぎる場合の落とし穴を論じた「キヤノン株の『変身』」(3月11日)、高額の解約料問題で株価が急落したピーシーデポコーポレーション(PCデポ)を取り上げた「PCデポが残した教訓」(8月25日)などだった。

ボールを投げてポケモンを捕獲する (C)2016 Niantic, Inc./(C)2016 Pokemon. (C)1995-2016 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.

キヤノン株の「変身」 市場の還元重視に一石(3月11日)

「借金上手」集まる関心 マイナス金利で見直し買い(3月26日)

車に迫る1兆円の逆風 為替不安抱え決算本格化へ(4月27日)

ソニーが映す市場の目 業績予想より「稼ぐ力」見極め(5月24日)

「次の任天堂」を探せ 復活銘柄に集まる期待(7月13日)

PCデポが残した教訓 解約料騒動「非財務」重み示す(8月25日)

トヨタを買えない理由 円高修正も世界変調を懸念(10月15日)


■日銀、公的年金など「官製相場」の色合い強まる

 16年の株式相場は日銀や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の存在感が強かった。日銀は7月、上場投資信託(ETF)の買い入れ額を倍増し、年6兆円にすると決めた。中央銀行のETF買いは株価形成をゆがませ、個別企業の実態を反映しなくなる懸念が残る。「『日銀の買い』副作用」(8月13日)はこの点に着目して分析した。同様に、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など公的年金の動きも注目度が高く「クジラ去り、残るゆがみ」(4月7日)がよく読まれた。
 このほか年間を通じて大きく売り越した海外投資家の動きを示した「日本離れ 長期投資家も」(4月5日)も読者の関心が高かった。

GPIFの動きも市場で注目を集めた(東京都港区)

日本離れ 長期投資家も 業績の勢い、欧米に見劣り(4月5日)

クジラ去り、残るゆがみ 円相場との乖離なお(4月7日)

「日銀の買い」副作用 企業実力と株価、かい離懸念(8月13日)

個人にNISAの呪縛 ゆうちょ銀株「塩漬け」痛手に(9月15日)

師走の株高 クジラ動く 積立金収入増で順張りに(12月21日)
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トランプ発言の余波に悩む中国・台湾の首脳

2016年12月31日 19時37分07秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10970660S6A221C1000000/?n_cid=DSTPCS019

トランプ発言の余波に悩む中国・台湾の首脳
(1/3ページ)2016/12/31 6:30
中国 台湾

The Economist
 中国政府関係者によれば、ある記念すべき施設の大規模な刷新・修復が12月末までに完了するという。この施設は、1990年代半ばに台湾海峡で米中間の緊張が高まり、二大核保有国である米国と中国が一触即発の危機を迎えた時のものだ。

北京にある、台湾をテーマにした商業地区。中国は、もし米が台湾を容認するという政策変更を行ったら、米中関係に深刻な影響をもたらすとした=AP

 近年の歴史において、この時ほど両国間の緊張関係が高まったことはない。舞台となったのは、台湾海峡の中国沿岸にほど近い場所に浮かぶ小島、福建省平潭島だ。100人を超える将軍がここに立つコンクリート造りの塔の天辺から、眼下の様子を見下ろしている。浜辺で、中国軍が台湾へ侵攻する訓練を繰り広げているのだ。

 今、塔の壁には「中台を統一し中国を活性化せよ」と金色の文字で書かれたスローガンが掲げられている。かつて戦車や軍隊が集結し、戦闘機が頭上を行き交った地でこうしたスローガンを掲げることは、必要なら武力に訴えても台湾を統一するという意思表示に他ならない。

■トランプ氏、米中関係の琴線に触れた

 現在、平潭島に観光客を呼び込むための様々な工事が行われている。その対象は塔の駐車場の拡大や、塔までの道路の修復にも及ぶ。こうした工事が行われているのは、偶然かもしれない。12月11日、米国の次期大統領、ドナルド・トランプ氏は米フォックスニュースのインタビューに答え、中国が対米関係における絶対的な前提と見なしている「一つの中国」の原則に疑問を投げかけた(「一つの中国」とはつまり、台湾を正式な国家として認めないことを意味する)。

 中国政府は怒りのあまり、1995年に何が起きたかを、中国人民と米国に思い出させる挙に出る可能性がある。同年、ビル・クリントン米大統領(当時)は李登輝総統に米国への私的な訪問を許し、この原則に抗する姿勢を見せた。これを契機に、米中間の緊張が一気に高まった。

 こうしてみれば、中国が今、平潭島に大量の観光客を迎え、バスに満載の観光客を中国軍幹部が急襲訓練を見下ろしていた丘に運ぼうとしているのは、まさにタイムリーと言えるかもしれない。

 1995年の状況と比べれば、現在、両国関係はそれほど危うい状況にはない。この時、中国は擬製ミサイルを台湾近海に発射。対する米国は平潭島近くに空母打撃群2隊を派遣し、台湾を攻撃しないよう中国に警鐘を鳴らした。中国はトランプ氏の発言(と12月2日の蔡英文・台湾総統からトランプ氏への祝いの電話)に激怒しているものの、トランプ氏が2016年1月20日の大統領就任以降も「一つの中国」の原則を巡って挑発を続けない限り、報復行動に出る公算は小さい。

 蔡総統が5月に就任して以降、中国は台湾への風当たりを強めている。台湾との外交チャネルを閉ざし、蔡総統が一つの中国の原則受け入れを拒否したことに不快感を表明した。

 だが、トランプ氏が一つの中国の原則に懐疑を示していることに、葵総統自身、不安を感じているかもしれない。トランプ氏は「どうして我々が『一つの中国』政策に縛られなければならないのか分からない。通商を含めて、色々な面で中国と取引があるなら別だが」と発言した。さらに、中国は通貨価値を切り下げたり、南シナ海において人工島を建造したりして、米国に「大きな損害をもたらしている」と指弾した。北朝鮮問題に関しても、「我々に一切協力しない」と中国を非難した。

 多くの台湾人は、これらの発言は、トランプ氏が台湾を交渉カードに使おうとしていることを意味するのではないかと危惧している。冷戦時代、米国と中国が国交回復交渉をひそかに進めたことは、今も台湾の人々の脳裏に焼き付いている。これにより1979年、米国と台湾は断交に至った。

 蔡政権は、トランプ氏の発言に対して直接コメントするのを差し控えている。トランプ氏と電話で会談したことについて公に言及するのを避けている背景に、中国との緊張が高まるのを回避したいとの考えがあることは明らかだ。

■トランプ発言は習近平にも悩みの種

 トランプ氏の発言は、どのような時であれ、中国の指導者の怒りを買っただろう。だが、今回の発言は習近平国家主席にとって、とりわけ時機が悪かった。習国家主席は現在、2017年末に開催される共産党大会の準備に忙殺されている。次期党大会では、中央政治局およびその他の党組織の体制一新が発表されるとみられている。

 習国家主席による人事案を阻止しようともくろむ人々は、米国に対し弱腰だと映る兆候を同国家主席が見せれば、すかさずその機に乗じようとするだろう。台湾との関係はその格好の材料となる。トランプ氏が一つの中国の原則に抗い続ければ、次期共産党大会が近づくこの時期、中国側の反応が常にも増してエスカレートする恐れがある。

 とりわけ、中国と台湾の相違は「後世に引き継がれるべきではない」と習国家主席が主張していることを考えれば、なおさらだ。政府内のタカ派勢力は、今が台湾問題を力づくで解決する絶好の機会だと訴えるかもしれない。

 中国国内で反米あるいは反台湾デモへの機運が高まれば、習国家主席は妥協することが一段と困難になるだろう。彼自身、ナショナリストの怒りの矛先が向けられることを恐れているとみられる。

 だが、そうした事態が生じるリスクは小さいかもしれない。習国家主席が2012年に政権を掌握して以降、ナショナリストによる大規模な抗議活動は起きていない。その一因は、同国家主席が社会的・政治的管理を強化してきたことにある(かつてないほど大量の反体制派を拘束してきたこともその1つ)。

 清華大学の孫哲教授は、台湾問題について大規模なデモが起きる公算は小さいと語る。孫教授によれば、「彼らは新しいルール、すなわち政治的な規律の強化に改めて焦点が置かれるようになったことを理解している」。また同教授によれば、トランプ氏は大富豪であることや、予想外の政治的成功を成し遂げたことで、多くの中国人から今も称賛されているという。中国国民は「トランプ氏は中国と取引したがっている」(同教授)。

 台湾の一部の人々は、トランプ氏が台湾との関係を変えるのは難しいであろうことに、安心感を抱いている。例えば、武器の売却を恒久的に停止すると発表するのは困難だ。台湾への武器売却は、台湾関係法で保障されている。1979年に成立した台湾関係法は、公式な国交を断絶した後も、「米国は台湾防衛に関心がある」と台湾の人々に納得させることを目的としている。

 米共和党員の多くは台湾に同情的で、同法の変更には消極的だと思われる(この法律自体、一つの中国という考えに挑戦するものだが、中国はしぶしぶ受け入れている)。

 中国政府の姿勢が、軍事演習を強行した20年前とは変わっていると見受けられることも、台湾にとって安心材料の1つかもしれない。今年4月、人民日報の国際版、環境時報は、武力による台湾統一に関する世論調査の結果を掲載した。

 同調査によれば、回答者の85%が武力による台湾統一に賛成しており、最適な時期は向こう5年以内とする回答が58%に上った。だが報道によれば、中国のインターネット監視当局は、環境時報を厳重注意した。このような調査を実施すれば「デリケートな問題について騒ぎを引き起こす」との理由だった。

(c)2016 The Economist Newspaper Limited. Dec 17th 2016 All rights reserved.

英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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正念場のアベノミクス、財政再建に黄信号~日経大予測2017 編集委員 瀬能繁

2016年12月31日 19時35分21秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO11075290W6A221C1000000/?n_cid=DSTPCS001

正念場のアベノミクス、財政再建に黄信号~日経大予測2017
編集委員 瀬能繁
(1/3ページ)2016/12/31 6:30日本経済新聞 電子版

 2017年、日本と世界の経済・政治はどう変わっていくのか。日経新聞のベテラン編集委員の見通しを、このほど出版した『これからの日本の論点 日経大予測2017』(日本経済新聞出版社)をもとに紹介する。

 16年を振り返ると、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」は大きく軌道修正された。

 第1に、金融政策だ。黒田東彦総裁率いる日銀は16年1月に、マイナス金利政策の導入を決めた。さらに9月の金融政策決定会合で、金融緩和強化のための新たな枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入することを決めた。

 第2に、消費税への対応を含む財政政策だ。安倍首相は14年時点で消費税率を8%から10%に引き上げる時期を15年10月から17年4月に1年半延期する方針を決めていたが、16年6月にさらに2年半先となる19年10月へと再延期する意向を表明した。

■財政健全化へのハードルは極めて高く

安倍首相は経済危機に備えるためとして消費増税を再延期した(6月1日、首相官邸)

 日銀が金融政策の軌道修正を進め、政府も「積極財政」にカジを切る。こんな形で政府・日銀が政策協調に動くのは、デフレ脱却がなお道半ばとの判断からだ。

 昨年版『これからの日本の論点』で、わたしは「17年4月に消費税率を10%にする方針はほぼ確定したとみていい」と書いた。予測が外れた点を率直におわびしたい。首相は15年時点で消費増税について「再び延期することはない」と明言していた。今回、日本の財政再建のシナリオ予測を大きく書き換えた。

 日本は国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を20年度に黒字にするという財政健全化目標を掲げている。消費増税は2度にわたり延期されたが、首相は目標を堅持するという。本当に目標達成は可能だろうか。

 政府は16年12月22日、総額で97兆円超の17年度の一般会計予算案を閣議決定した。それよりも見逃せないのは16年度の新規国債発行額だ。3次にわたり補正予算を編成する結果、新規国債発行額は当初の34兆円強から39兆円に拡大。一般会計に占める新規国債発行額の割合を示す国債依存度は15年度の35.5%から16年度38.9%へと、4年ぶりに上昇した。

 安倍政権の基本哲学は「経済再生なくして財政健全化なし」。経済成長による税収増を追い風に、財政を立て直す路線を進めてきたが、16年度の前半に新興国経済の減速懸念を背景に円高が進み、企業収益の鈍化で税収が想定より伸びなかったことが響いた。

 トランプ米政権誕生を先取りする形で足元では円安・ドル高の基調で推移している。もちろん、トランプ政権と金融市場の「一寸先は闇」。円安なら税収が増え、逆に円高なら税収が減る――。これまでのアベノミクスで明らかになったのは、為替相場に一喜一憂する危うい経済・財政戦略といっては言い過ぎか。

 16年7~9月期から研究開発投資などが加算され、見た目上の国内総生産(GDP)は押し上げられた。米連邦準備理事会(FRB)が17年も利上げを続ければ、日米の金利差拡大から円安基調は定着しやすくなる。それでもやや長い目でみると楽観論は禁物だ。

《シナリオ(1) 19年10月に消費税率は10%に上がるが、財政健全化目標は未達》

 政治日程を確認してみよう。現在の衆院議員の任期は18年12月に切れる。19年夏には次の参院選がある。さて首相は衆院解散・総選挙にいつ踏み切るのだろうか。

 首相は「20年度の財政健全化目標はしっかりと堅持します。そのため、ぎりぎりのタイミングである19年10月には消費税率を10%へ引き上げる」と述べている。2回も増税を延期している。「二度あることは三度ある」のか「三度目の正直」か。今のところは一応19年10月に消費税率が10%に上がることをメインシナリオとみておきたい。問題はそれでも財政健全化目標が達成できそうにないことだ。

 内閣府が16年7月にまとめた中長期の経済財政に関する試算をみると、中長期的に経済成長率が実質2%以上、名目3%以上という「経済再生ケース」の場合でも、20年度時点で基礎的財政収支は5.5兆円の赤字が残る。

高齢化によって「シルバー民主主義」と呼ばれる現象が広がる可能性も

 今のところ与野党を問わず、10%を超えて消費税率を上げようという機運はない。だとすれば、歳出の削減や抑制が財政健全化の焦点になるが、これも難題だ。

 最大のカギを握るのは、社会保障改革だ。国の一般会計予算のうち、社会保障費が占める割合は30%を超え、政策経費で最も大きい。

 日本は急ピッチで高齢化が進んでいる。15~64歳の現役世代が細る一方、20年には65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は30%近くまで上昇する見通しで、その分だけ社会保障費は膨張しやすくなる。

 高齢者は人数が多いだけでなく、若年層と比べて投票率が高く、それだけ政治家も高齢者の声を意識せざるを得なくなる。高齢化の進展を背景に、高齢者に厳しい政策を打ち出せなくなる現象は「シルバー民主主義」といわれる。日本はそのワナにはまり、与野党ともに高齢者向けの負担増や給付削減に二の足を踏んでいるのが実情だ。

 消費税は19年10月に上がるが、経済成長率はそれほど高まらず、社会保障費を中心とする歳出削減も十分に進まないと想定すれば、20年度の基礎的財政収支の黒字目標は断念せざるを得ないだろう。その場合の判断は誰がするのか。安倍首相の下で20年の東京五輪・パラリンピックを迎えるのであれば、首相本人かもしれない。金融市場で日本の財政破綻のリスクが意識され始め、長期金利に上昇圧力がかかるリスクはある。

《シナリオ(2) 消費税率が10%に上がり、財政健全化目標を達成》

 安倍政権がこれから思い切った社会保障改革を実行して歳出の伸びを抑制すると同時に、働き方改革や構造改革などで潜在成長率が上がる可能性がゼロとまでは言い切れない。こうした改革シナリオがあり得るとすれば、次のような想像もしてみたくなる。

 たとえば、安倍首相が「デフレ脱却を見届けるまで政権を運営させてほしい」と17年の早い時期に衆院解散・総選挙に踏み込む。自民、公明両党の与党の大勝を受け、政権基盤を盤石にしたうえで、積み残された懸案である「痛みを伴う社会保障改革」についに手をつける。

 実は骨太方針や「経済・財政再生計画改革工程表」には、さまざまな社会保障改革のメニューが盛り込まれている。

 たとえば医療分野では▽価格の安い後発医薬品(ジェネリック)の普及割合を18年度から20年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上にする▽湿布や風邪薬などの「市販品類似薬」に対する給付の見直しを検討する――といったことが書かれている。不十分との見方は多いが、18年度までは社会保障費の実質的な増加を年5000億円程度にとどめる基調を続ける方針。ある自民党の厚労族議員は「これまでに実施した社会保障費抑制策の効果がこれから本格的にあらわれるので、10%を超える水準まで消費税率を引き上げる必要はない」と語る。しかし、政権の基盤が弱くなったり支持率が低下したりすれば、次の国政選挙での高齢者票を意識し、痛みを伴う社会保障改革を避ける公算が大きい。

《シナリオ(3)消費増税を断念》

 「二度あることは三度ある」ということで、19年10月に予定されている10%への消費増税が延期されるシナリオも想定しておくべきかもしれない。気になるのは、日本の景気回復期間が長くなる「成熟化」を迎えると、その分だけ近いうちに景気が後退局面に入る可能性も高くなることだ。

景気の拡大がどこまで続くかは見通せない

 現在の景気が12年11月を「谷」として回復を続けているとすれば、16年秋時点で回復期間はほぼ4年(48カ月)となる。すでに戦後の景気回復期間の平均(約36カ月)を上回る。もちろん02年から08年まで戦後最長の73カ月の景気回復を記録したこともあるので、17~18年にかけて景気回復が途切れるとまでは言い切れない。それでも先行きは不透明だ。

 19年10月に予定通り消費増税を実施するか否かの判断は、19年度予算案を編成する18年12月がタイムリミットとみられている。その時点まで景気回復が続いているとすれば、ほぼ戦後最長の回復期間と並ぶ。つまりいつ景気が後退局面に転じてもおかしくない状況で、予算編成をすることになる。

 もしも18年の後半に景気が悪化していた場合、その時の首相や政府・与党の幹部は「それでも19年10月に予定通り消費増税する」との決断ができるだろうか。

■高まる財政破綻リスク

 その場合、景気悪化のリスクが後退するのと同時に、財政破綻のリスクは着実に高まっていく。日本の財政状態は先進国で最悪だ。経済協力開発機構(OECD)のデータによると、16年の日本の国と地方をあわせた財政収支の赤字のGDP比は5.7%になる見通しだ。

より深刻なのは、政府債務(借金)というストック面だろう。国際通貨基金(IMF)によれば、17年の日本の国と地方をあわせた政府債務のGDP比は約250%だ。財政危機に直面したギリシャよりも大きい。

 冷静に考えれば、20年度は日本の財政健全化に向けた一里塚にすぎない。1947~49年生まれの団塊の世代が全員、75歳以上の後期高齢者になる25年になると、医療・介護費が急増しかねないことから「2025年問題」ともいわれる。基礎的財政収支を黒字にした先に、財政収支も黒字にして、さらに政府債務のGDP比を安定的に引き下げなければならないという険しい道が待っている。

[10月21日発行の『これからの日本の論点 日経大予測2017』の一部を抜粋、加筆・再構成]
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「副作用、チームで絶つ」オプジーボの専門医ら結集

2016年12月31日 19時28分03秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO11147740X21C16A2X11000/?n_cid=DSTPCS003

「副作用、チームで絶つ」オプジーボの専門医ら結集
(1/2ページ)2016/12/28付日本経済新聞 電子版

 2016年。日本の医療現場は「オプジーボ」などがん免疫薬に席巻された。ただ、効果が高い半面、副作用についてはいまだつかみきれないのが実態だ。「ならばあらゆる副作用に備えよう」。医療現場ではチームを組み患者をフォローする試みが始まった。最前線を追う。

 「なんとなく体がだるいんですよ」――。聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)に48歳の男性患者から連絡が入ったのは16年の3月11日のことだった。

 連絡を受けた呼吸器内科の医師はこの異変の芽を見逃さなかった。「おかしい」。いったん帰宅していた患者に翌日すぐに来院するよう指示した。

 呼吸器内科の医師は病院内でも動いた。速やかに免疫チェックポイント阻害薬の副作用対策チームのメンバーに連絡、受け入れ体制を整えるよう要請した。

■「総合力が必要」

 病院の総力をあげてのバックアップ。この男性患者はオプジーボによる治療を続ける肺がん患者だった。代謝・内分泌内科の医師が診ると血糖値が高いことが分かった。これが男性患者が訴えた「だるさ」の原因だった。劇症型に近い糖尿病を発症していたのだ。

 男性患者は緊急入院となった。血糖値をコントロールするためにインスリンの投与を続けると症状も落ち着き始める。

 もともとこの男性患者は聖マリアンナとは別の病院の患者。肺がんを患い抗がん剤治療を受けていたが、際だった改善効果が表れなかった。

 そこでオプジーボで実績のある聖マリアンナを紹介された。今年2月下旬からオプジーボによる治療を開始、その後病状は安定していた。

 ただ今回、その肺がんとは全く関係のない場所で異変が生じた。膵臓(すいぞう)だ。糖を分解するインスリンの分泌がうまく行かずに血液中の血糖値が異常にあがってしまっていたのだった。緊急入院から約2週間後にはオプジーボの投与を再開、4月中旬には紹介元の病院に戻った。

 男性患者の危機を救ったのは専門チーム。免疫薬投与による副作用に備えるため15年6月に結成された。総数は十数人だ。メンバーは腫瘍内科、呼吸器内科、皮膚科、消化器内科、眼科といった医師に加え看護師や薬剤師などで、この専門家集団を「スーパーバイザー」として臨床腫瘍学講座の中島貴子教授が束ねる。

 今のところオプジーボ投与による「重篤な副作用が起きるケースはごくまれ」(中島教授)。しかし「これまでの抗がん剤を投与した場合とは全く別のことが患者に起こる可能性があることが分かった。これに対応するには総合力を持つチームが必要」と話す。

 臨床試験(治験)を除くと、今秋までに同病院でオプジーボとヤーボイのがん免疫薬を投与した患者の数は42人。この間、チームに対して23回の相談があった。最も多かったのは糖尿病関連で10回。肝機能障害、皮疹、肺炎などもある。ただ、重篤な副作用は現段階では少ないという。

 病院内で免疫薬に対しての勉強会も定期的に開き、経験や知識を共有するよう積極的な取り組みも進めている。

 「この場合、どのような治療法が適切だろうか」

 「治療薬の前にまず抗体を測定した方がいいのでは」――。九州大学病院の会議室。毎月1度、治療や検査に対する活発な議論が飛び交う会議が開かれる。

 参加者はいずれも専門分野が異なる診療科のメンバーたち。神経内科、呼吸器、消化器、がん、糖尿病といった複数の診療科から医師、薬剤師、看護師らが50~60人集まる。

 医療チームの名称は「チームiCI」。今年1月、九大病院が立ち上げた。オプーボの適正使用が目的で、患者への説明や投与スケジュール、それに副作用への対応を担う。発起人の1人である中西洋一主幹教授は「がん治療にあたる医療従事者にとって、何より防がなければならないのが副作用による患者の死だ」と強調する。

 腸炎が起きている場合に考えられるリスク、抗菌薬の決め方、糖尿病を発症しかけている場合の前兆のつかみ方……。特に心不全、不整脈、高体温などをともなう致死的な免疫副作用「クリーゼ」をどうやって防ぐか。医師だけでなく看護師、薬剤師、患者を交えて常に情報共有を欠かさない。

 月に1度は定例の対策会議を開きオプジーボによる副作用の死者を減らす取り組みを続ける。

■マニュアル提供

 今秋にはオプジーボの治療の治療開始前の検査項目、リスク、判定手法などを独自にマニュアル化した。血液、免疫、ホルモンなどの状況を数値化し、疑いのある副作用の項目を設定する。副作用が起きた際、重症度合いによってどんな対処や治療をすべきか、医師が一目で分かるようにした。

 同様のマニュアルを分かりやすい表現に書き換え患者向けにも提供する。患者に自覚症状を書き込んでもらったうえで、医師や看護師、薬剤師などが一体となり患者も含めた新たな「チーム」で副作用対策を考え、他の医療機関などにもマニュアルなどを提供する。全国レベルで副作用対策、情報共有を進める計画だ。

 一般的な抗がん剤の場合、脱毛や吐き気、下痢のほか、肺の間質という部分が炎症を起こす間質性肺疾患などの副作用が起きることが分かっている。

 しかしオプジーボは何が起きるかはっきりしない。重症筋無力症、劇症1型糖尿病……。まだまだ未知の分野が多い。その白地をこれからどう埋めていくのか。チームの「和」の力が試されている。

(井上孝之、高田倫志)
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