かっぱblog

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知っていること

2017年06月09日 | 鍼治療

慢性的な緊張と疲れは少し異なる。

慢性的な緊張は「自分が力を入れている」という自覚がないことが多いのに対して、疲れは「疲れている」という自覚があることが多い。

でもその自覚の多くは記憶(あれをして忙しかったなど)から生じていて、身体は”何となく不調”といった曖昧な状態。

 

疲れていることは”知っている”が、感じてはいない状態。

今ここで身体状態を感じ取れてなく、知っていることでガッチリ固めていて現状との間にギャップがあると回復のプロセスがはじまらない。

何かが引っかかっている状態。

 

そして疲れがひどいと、逆にそれを維持・継続しようとする力も強くなる。

周囲から見ると、「もうやめたら?」「断ったら?」という状態でも続けてしまう。

もし身近な人がそのような状態だったら不適切に感じることでも、自分のことになると分からないことは多い。

自己イメージを客観視できなくなっている。

ある特定の自己イメージを握り締めて手放すことができなくなっている状態。(もしくはそのイメージに「憑かれて」いる状態)

過労で倒れてしまうまで、引き返すことができないこともある。

 

自己イメージは体表と関連している。

疲れと関連した特定の自己イメージに気づくポイントが体表のがツボ。

意識できなくなっている体表のポイント(ツボ)に注意を向けることは、客観視できなくなっている自己イメージを客観視すること、疲れを実感することにつながる。

そして回復のプロセスがはじまる。

 

全身が疲れていると集中力も落ちているので、体表に注意を向けることも少しずつしかできない。

そして回復もゆっくりになる。

(部分的な筋緊張の場合は力を入れていること、それが不要であることに気づけば解除は早いが、完全に気づくまでに時間がかかる)

そこを焦ってしまうと、泥沼にはまることになる。

 

「即効を求めず、少しずつ。」

自分が鍼を学んだ先生がよく言っていた言葉だ。

 

 

 

 

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