クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

“ムジナもん”と遊びませんか?(53) ―ムジナもん歯ブラシ―

2010年06月08日 | ムジナもんの部屋
6月1日から、“ムジナもん歯ブラシ”が新発売された。
ブラシを持つところに、
ムジナもんとその仲間たちがいる。

歯は健康の象徴。
歯は体調よりも物を言う。
日頃から歯を磨いて健康を保っていたい。

ちなみに、羽生市では、
昭和53年から“フッ化物塗布事業”というものを実施している。
そのせいもあって、かなり歯の健康的な町である。
昨年度も、埼玉県学校歯科保健優良校コンクールで、
羽生北小学校や西中学校、南中学校が“特別表彰校”に選ばれている。

実は、羽生市はかねてから“歯”にゆかりがある町である。
というのも、歯科器財を日本に初めて輸入したのは、
同市出身の“清水卯三郎”だからだ。

卯三郎は「龍馬伝」でおなじみの“坂本龍馬”と同じ時代を生き、
日本が外国の脅威にさらされ大きく揺らいでいるときに、
“パリ”へ行った人物だった。

むろん、遊びに行っていたわけではない。
“徳川昭武遣仏使節団”の一員として参加し、
見聞を広めるためであった。

西洋文化を目の当たりにした卯三郎は、
日本人の誰もがそれを体感し、日本の発展に繋げようと、
万博博覧会の建白書を提出している。
結局それは叶わなかったが、大阪万博が開かれるずっと前に、
卯三郎が声を挙げていたわけである。

日本に歯科器財を輸入したのは明治8年だった。
卯三郎が経営していた“瑞穂屋”の裏手に歯科医院があり、
その医師の依頼を受けて輸入したのが最初だったという。

そののち、器財の製造工場を自ら興しているし、
「歯科雑誌」の創刊をはじめ、関係図書を次々に刊行した。
日本の歯科界に大きな影響を及ぼしたと言えよう。

そんな清水卯三郎のふるさとで、
歯の取り組みが盛んに行われ、
それぞれの学校が表彰を受けていることは、縁と言うほかない。
心なしか、歯医者さんも多い。

小中学生に“ムジナもん歯ブラシ”を渡すときは、
ついでに“郷土の偉人”も語り伝えておきたい。
そして、ムジナもん体操のように、
歯磨きメロディに合わせてムジナもんと一緒に磨きたい。
そんな歯とゆかりのある町で、
“ムジナもん歯ブラシ”を使って健康に磨きをかけよう。



ムジナもん歯ブラシ
種類:乳幼児、ジュニア、大人用
販売価格:各100円
販売場所:市民プラザ、市役所
(「羽生市お知らせ版」No384より)






清水卯三郎の銅像。
羽生市民プラザ前(埼玉県羽生市中央3丁目)


参照URL
「市民ぐるみで健康日本一を目指すまち」(羽生市HP内)
http://www.city.hanyu.lg.jp/kurashi/madoguchi/syoukou/02_culture/01_bunka/jiman/kenkou.html

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お城を囲む“沼”には何が眠る? | トップ | 河越合戦は“散々な結果”だっ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ムジナもんの部屋」カテゴリの最新記事