小学生のとき、「羽生音頭」を躍った記憶があります。
ただ、僕が躍ったのは「新・羽生音頭」の方でしょう。
「新」ということは、「旧」があります。
元祖羽生音頭は、昭和30年6月発行の「羽生市広報」にて初めて発表されました。
『行田・加須・羽生の昭和』(いき出版)には、
その「羽生音頭」を躍る人たちを写した写真が出てくるでしょう。
「羽生音頭」の作詞者は“柳八重”で、
作曲者は“米山正夫”です。
歌手は“霧島昇”と“久保幸江”、
振付は“則武昭彦”といった面々です。
柳八重氏は「柳夢路」というペンネームを使用していますが、
八雲神社の宮司であり、羽生町役場の助役を務めた人物でもあります。
この八重氏が師事していたのは玉敷神社の宮司であり、
国学院大学の総長だった河野省三氏です。
そのような縁もあってのことでしょうか。
「羽生音頭」作詞の校閲は河野氏が行いました。
同年5月30日、臨時市議会にて羽生音頭製作に係る予算が議決。
6月2日にレコードに録音、
同月14日には振付指導会も終了し、
翌15日発行の市広報に発表となった次第です。
さて、作詞者の柳八重氏は20代の頃から妙に惹かれる人物です。
若気の至りで小説のモデルに書いたこともありましたが、活字にはなっていません。
明治29年生まれの八重は、同44年に河野省三に師事。
翌年に羽生町役場に就職し、助役まで務めましたが、
戦後の昭和21年に自らその職を辞しました。
没したのは昭和33年のことで、
「運命とは……運命とは……」と口にしたのが最後の言葉だったそうです。
読書家で文筆家の一面を持っていた八重は、
『羽生町誌』や『羽生町要覧』などを著しています。
親族の方の話によると蔵書があまりにも多く、
「お宅は本屋ですか?」と訊ねる人もいたのだとか。
ちなみに、羽生城研究者の冨田勝治氏も柳氏と親交があり、
郷土研究会などでしばしば顔を合わせていたようです。
神職や行政の顔を持つ八重氏ですが、
主に歴史の面で冨田氏と研鑽し合っていたのでしょう。
そんな柳八重氏が作詞した「羽生音頭」は、
羽生の地域資源と言っていい単語が多く出てきます。
町場と上新郷にゆかりのあるものが多く、
冨田氏と親交があったとはいえ、さすがに「羽生城」の言葉は登場しません。
市民がわかりやすく、親しみのあるものをピックアップしたのでしょう。
せっかくなので、「羽生音頭」の1番の歌詞を引用して、
この記事を締めくくりたいと思います。
羽生良いとこ音頭もはずむ サテ
足袋と被服の ソレ
足袋と被服の宝島
ヨイヨイ ヨイトコ宝島
ただ、僕が躍ったのは「新・羽生音頭」の方でしょう。
「新」ということは、「旧」があります。
元祖羽生音頭は、昭和30年6月発行の「羽生市広報」にて初めて発表されました。
『行田・加須・羽生の昭和』(いき出版)には、
その「羽生音頭」を躍る人たちを写した写真が出てくるでしょう。
「羽生音頭」の作詞者は“柳八重”で、
作曲者は“米山正夫”です。
歌手は“霧島昇”と“久保幸江”、
振付は“則武昭彦”といった面々です。
柳八重氏は「柳夢路」というペンネームを使用していますが、
八雲神社の宮司であり、羽生町役場の助役を務めた人物でもあります。
この八重氏が師事していたのは玉敷神社の宮司であり、
国学院大学の総長だった河野省三氏です。
そのような縁もあってのことでしょうか。
「羽生音頭」作詞の校閲は河野氏が行いました。
同年5月30日、臨時市議会にて羽生音頭製作に係る予算が議決。
6月2日にレコードに録音、
同月14日には振付指導会も終了し、
翌15日発行の市広報に発表となった次第です。
さて、作詞者の柳八重氏は20代の頃から妙に惹かれる人物です。
若気の至りで小説のモデルに書いたこともありましたが、活字にはなっていません。
明治29年生まれの八重は、同44年に河野省三に師事。
翌年に羽生町役場に就職し、助役まで務めましたが、
戦後の昭和21年に自らその職を辞しました。
没したのは昭和33年のことで、
「運命とは……運命とは……」と口にしたのが最後の言葉だったそうです。
読書家で文筆家の一面を持っていた八重は、
『羽生町誌』や『羽生町要覧』などを著しています。
親族の方の話によると蔵書があまりにも多く、
「お宅は本屋ですか?」と訊ねる人もいたのだとか。
ちなみに、羽生城研究者の冨田勝治氏も柳氏と親交があり、
郷土研究会などでしばしば顔を合わせていたようです。
神職や行政の顔を持つ八重氏ですが、
主に歴史の面で冨田氏と研鑽し合っていたのでしょう。
そんな柳八重氏が作詞した「羽生音頭」は、
羽生の地域資源と言っていい単語が多く出てきます。
町場と上新郷にゆかりのあるものが多く、
冨田氏と親交があったとはいえ、さすがに「羽生城」の言葉は登場しません。
市民がわかりやすく、親しみのあるものをピックアップしたのでしょう。
せっかくなので、「羽生音頭」の1番の歌詞を引用して、
この記事を締めくくりたいと思います。
羽生良いとこ音頭もはずむ サテ
足袋と被服の ソレ
足袋と被服の宝島
ヨイヨイ ヨイトコ宝島