クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

歴史あるNHK「のど自慢」は“羽生市”で転機を迎える?

2023年04月29日 | お知らせ・イベント部屋
2023年4月30日(日)放送のNHK「のど自慢」は、
埼玉県羽生市の産業文化ホールから生放送される。

実は、通例の「のど自慢」とは異なるものがある。
それは“予選会”の放送である。
正午から「のど自慢」が放送されたと、5分のニュースを挟み、
「首都圏いちオシ!」という番組で、予選会の様子が映し出されるという。

これは前例のないことで、
長い「のど自慢」の歴史の“転機”になるかもしれない。
羽生で歴史の目撃者となるだろう。
だから、正午からの「のど自慢」が終わったからと言って油断してはならない。
13時5分にこれまで放送されることのなかった予選会が始まる……。

なお、地域紹介では“宝蔵寺沼ムジナモ自生地”も取り上げられる予定である。
歌い手のみならず、羽生の人なら知っている顔が何人も映るかも!?
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織田信長の京都放火における町民たちの惨劇は?

2023年04月27日 | 戦国時代の部屋
2023年大河ドラマ「どうする家康」に登場する織田信長は、
狂気に似た一面を色濃く出したキャラ設定のように思われます。

そして、同ドラマに登場した足利義昭。
コンペイトウをバリバリ食す姿が描かれた義昭は、
言わずと知れた室町幕府第15代将軍です。
信長によってその座に就いたものの、やがて決裂することは周知のとおりです。

絶縁し、対決姿勢を見せた足利義昭に対して、
信長は元亀4年(1573)4月に京都(上京)に火を放ちます。
その信長は徳川家康に対し、
「(前略)前々忠節不可徒之由相存、種々雖及理、無御承諾之條、然上者成次第之外無他候て、去二日三日両日、洛外無残所令放火、四日ニ上京悉焼払候(後略)」
と、4月6日付で書き送っています(「古文書纂」)。

放火の際、京都には外国人キリシタンも在京していました。
彼らは織田勢の放火によって逃げ延びる人々の惨劇を本国に報告しています。
犠牲となるのは女性や子どもたちが多かったようです。
捕らわれた女性たちは綱で縛られ、強制的に連行されます。
このとき、歩行に慣れず、子どもを抱えて進むことが困難な女性がいると、
その子どもは殺され、鑓で突かれながら無理に歩かされたといいます。

一方、捕らわれることを恐れた女性たちは川に入り、そのまま溺死しました。
子どもも例外ではなく、2、30人の小児の遺体も確認できたその光景は、
新時代というより末世の感も強かったのではないでしょうか。

ある坂東キリシタンの妻は、
2歳児を腕に抱き、3歳児を11歳の妹に抱かせて川を越えようとしました。
しかし、川の流れは速く、水量もあります。
3歳児と11歳の妹はたちまち流され命を落としてしまいます。
2歳児を抱くキリシタンの妻も流されましたが、他の村人に助けられ、母親だけが生き残ったと報告されています。

2人の我が子と11歳の妹を一度に亡くした女性の胸中は、察するに余りあります。
戦国乱世という明日の命もわからない時代とはいえ、
その悲しみと苦しみ、苦痛は、現代の感覚とさほど大きな隔たりはないのではないでしょうか。

このような惨劇を本国へ報告したルイス・フロイスも、
当日のことを記すにあたり涙し、同情の念に堪えないことも書き添えています(「日本耶蘇会年報」)。
惨禍に巻き込まれた者の中にはキリシタンも多く、
彼らの不幸を思うと、憐憫のあまり眠ることもできず、休息もとれない旨を吐露しています。
他国の出来事とはいえ、目の前で繰り広げられた惨状はすさまじく、
精神に支障をきたすほどのものだったのでしょう。

大河ドラマでは、このような生々しい描写は放映しないはずです。
描こうにも、おそらく何かに引っかかると思われます。

ただ、往時を伝える史料がある以上、史料批判の手続きがあるにしても、
そのような記録を無視することはできないでしょう。
何かと歴史的有名人に目を奪われがちな戦国時代です。
しかし、彼らがどのような時代を生き、残した軌跡にどんな歴史的意義があったのか、
名もなき人々の犠牲はそれを別の角度から照射するはずです。
光が強いほど、深くて濃い影が落ちるものかもしれません。

それにしても、子どもが犠牲になる史料は、
当時の宣教師でなくても心がおかしくなりそうです。
ニュースで流れる痛ましい事故に触れるように、
約500年前の歴史的記事も同様の破壊力を持っています。
歴史研究とはいえ、心に破壊力のある史料は適度な距離感が必要かもしれません。
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いまや別世界? 南部幹線から羽生第一高校を眺めた1枚

2023年04月26日 | 近現代の歴史部屋
上の写真は、確か30代はじめ頃に撮影したもの。
羽生市の南部幹線から羽生第一高校に向けてレンズを向けた。
ちょうど夕日のところが同校の校舎となっている。

あれから十余年。
この地区の開発はすさまじく、この写真のような光景を見ることはできない。
同じ場所に立っても羽生第一高校は新興住宅街に遮られている。
田んぼの細い道は嘘のように拡幅され、
ひっきりなしに車が行き交う。

町は進化し続ける。
少し前に撮影した写真と比べてみてもそれがよくわかる。
進化の勢いは加速し、我々人間も大きく変化しているのだろう。

90年代半ばに目にしていた羽生第一高校周辺の光景はもはや遠く、
ポケベルの代わりにスマホを持ち、
あの頃知らなかった人たちとつながり合っている。
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「ダーウィンが来た」に登場した“ムジナモ”が羽生で講演会を開く?

2023年04月16日 | お知らせ・イベント部屋
というタイトルを書くと、まるで食虫植物ムジナモが講演するようですが、
ムジナモをテーマにした講演会のお知らせです。

4月16日放送のNHKの番組「ダーウィンが来た」は、
「ようこそ!牧野富太郎の植物らんまんワールド」というテーマで、
埼玉県羽生市の食虫植物“ムジナモ”もばっちり取り上げられていましたね。
(ムジナモ研究で知られる埼玉大学の金子康子教授も映りました)

牧野博士がムジナモを発見したのは江戸川区小岩ですが、
現在この植物が自生しているのは羽生市だけです(「宝蔵寺沼ムジナモ自生地」として国指定天然記念物)。
かつては日本各地で生息が確認されたムジナモも、羽生が最後の砦というわけです。
それだけ環境が大きく変わったということなのでしょう。

ムジナモは葉っぱの先端でミジンコなどの動物性プランクトンを捉えて食し、
真夏の暑い盛りに稀に白い花を咲かせます。
根のない浮草で、形がムジナのシッポに似ていることから、牧野博士が命名したことでも知られています。
見れば見るほど、
調べれば調べるほど不思議な植物かもしれません。

ところで、令和5年度における埼玉県羽生市では、
ムジナモをテーマにした講演会が2回開催される予定です。
同じ講演が2回あるのではなく、テーマも講師もそれぞれ異なります。

講師には東京都立大学教授の村上哲明氏および
練馬区立牧野記念庭園の学芸員・田中純子氏をお招きし、
牧野博士やムジナモについてたっぷり語っていただく企画です。

現在放送中の連続テレビ小説「らんまん」の制作を記念した講演会ということで、
市外の方でももちろん参加可能です。
「らんまん」にもムジナモがいつ登場するのか楽しみですね。
明日4月17日からは、牧野富太郎役の神木隆之介さんがいよいよ登場するようです。
この機会にぜひムジナモ講演会と羽生市にお越しください!

【令和5年度 羽生市ムジナモ講演会】
〈5月13日の部〉
日時:令和5年5月13日(土)午後2時から午後4時(開場午後1時)
場所:羽生市産業文化ホール(埼玉県羽生市下羽生876)
テーマ:「ムジナモと牧野富太郎の植物標本」
定員:400名(先着順)
費用:無料
講師:村上哲明氏(東京都立大学教授・牧野標本館管理責任者)
申し込み:5月7日(日)までに羽生市立郷土資料館(048―562―4341)に電話
またはメールkouza@city.hanyu.lg.jpにお申込みください。

〈7月22日の部〉
日時:令和5年7月22日(土)午後2時から午後4時
場所:羽生市産業文化ホール(埼玉県羽生市下羽生876)
テーマ「日本のムジナモ発見者! 牧野富太郎の植物研究と生涯」
定員:400名(先着順)
費用:無料
講師:田中純子氏(練馬区立牧野記念庭園学芸員)
申し込み:5月15日(月)から7月16日(日)までに、羽生市教育委員会生涯学習課(048―561―1121(内線315))に電話
またはメールkouza@city.hanyu.lg.jpにお申込みください。

※令和5年度ムジナモ講演会の詳細について、
広報「はにゅう」5月号に掲載されています。
下記のURLからもご覧できますので、ご参考にしてください(羽生市ホームページ内)
https://www.city.hanyu.lg.jp/docs/2023032700029/file_contents/05042.pdf

なお、最初の画像は、羽生市のキャラクター“ムジナもん”のシッポとムジナモ。
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異なる価値観は対立するだけ?

2023年04月15日 | ウラ部屋
野原に咲く野花、
小川のせせらぎ、
沼や池に憩う水鳥、
豊かに茂る屋敷森や神社の森……

例えば、映画「となりのトトロ」(スタジオジブリ)に出てくる田舎の風景を目にしたとき、
自然が豊かだと思うだろうか。
それとも、土地が遊んでいると思うだろか。

前者は、その自然の保護を試みるかもしれない。
後者は、その土地に開発のメスを入れるかもしれない。

人それぞれだ。
どんな価値観を持ち、どんな尺度で物を見るか。

グラスに半分注がれた飲み物を前に、
「まだ」と思うか、
それとも「もう」と感じるか。

価値観が異なる相手とは対立するだけなのか。
それとも手を組んで、互いを補い合えるのか。

ふと自信をなくすとき、そんなことを考える。
自分自身が揺らぎ、他者に距離を覚えるからなのかもしれない。
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ストレートに表現ができるタイプか? ―コトノハ―

2023年04月09日 | コトノハ
「文具にお金をかけても目立たない」
ある女性のコトノハ。

なるほど。
服やバッグなどと違って、
文具はファッション性が薄い。

皆無ではないだろうが、
おしゃれをしようと万年筆を買いに行く人は少ないだろう。
目立とうと思ったら、
服やバッグなどファッション性の強いものを買った方が早い。

人にとって、お金をかけるところはそれぞれ。
ファッションに投資をする人もいれば、
食事にお金の糸目をつけない人もいる。
収入に合わない本を大量に買い込む人もいれば、
高級車しか選択肢のない人もいる。

価値観の問題だろう。
10万円の服を買う人もいれば、
同額の万年筆を選ぶ人もいるということだ。

では自分はどうだろう。
ファッション性が強いものより、
地味だけど存在感を放っているものの方が好きかもしれない。
「流行」よりも「本物」に惹かれる。
そんな気がする。

このコトノハは、ふと自分の生き方を考えさせられてしまう。
お金の使い方だけでなく、
ちょっとわかりにくいものをいつも選んでいるかもしれない。
例えば、自分の気持ちを相手に伝えるとき、
ストレートではなく隠喩を使ってしまうことなど。

鑑みて、文章を書いているのもそれと関係している気がする。
ストレートに口で伝えられないものがあったから、
文章を書こうと思った17歳。
それから20年以上もの歳月が流れても、
ありのままをストレートに伝えることはいまも苦手としている。

ある意味、回り道なのかもしれない。
振り返れば、回り道ばかりしてきた気がする。

わかりにくいということは、
わかる人にはわかるし、気付かなければそのままということ。
なんて曖昧なのだろう。
もっとダイレクトになれればどんなにいいだろう。
そう思ったことは一度や二度ではない。

それを「不器用」と呼んでいいのかわからない。
それは性分なのだし、もし直接的な表現ができていれば、
きっと文章など書いていない。
それが良いか悪いかはいまとなってはわからず、
後者をとれば、自分の一部をどこか否定しまうことになる。

あなたはどうだろうか。
直接的な表現ができる人だろうか。
それとも控えめな性格だろうか。

ちなみに、「文具にお金をかけても目立たない」と言った女性は、
ほどほどのブランド志向。
ある種の存在感を放っている。
でも、自分が思い描く像と周囲の評価は必ずしも一致しないらしい。

価値観はそれぞれ。
周囲のものさしに合わせるより、
自身の価値観で掘り下げていけばいいような気がする。
その部分で共感し合う人はきっといるはずだから。
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NHK番組「あさイチ」に羽生の“ムジナモ”が出演するかも?

2023年04月06日 | はにゅう萌え
令和5年4月7日(金)放送のNHK番組「あさイチ」で、
埼玉県羽生市の食虫植物“ムジナモ”が登場する予感。
というのも、同番組の放送予定に、
「朝ドラで注目“らんまん”牧野富太郎が愛した植物」とあるから。

実は…… と言いたくても、
どこまで書いていいのかわからぬのが歯がゆいところ。
現在放送中の連続テレビ小説「らんまん」のモデル牧野富太郎は、
ムジナモを発見し、かつその花の植物画を描いて世界に名を轟かせた人物です。
それにちなんでムジナモが紹介されるかも!?

「あさイチ」は午前8時15分スタート。
「らんまん」のみならず、「あさイチ」にも注目です。
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連続テレビ小説「らんまん」で“テング”と出会った影響力は?

2023年04月05日 | コトノハ
植物学者“牧野富太郎”をモデルにしたNHK連続テレビ小説「らんまん」。
ディーン・フジオカが扮する“テング”こと、坂本龍馬が登場しました。

人はそれぞれ“務め”を持って生まれてくる。
それに命を燃やし、事を成すがために人は生まれてくる。

そのような意味のことを万太郎(富太郎)に伝えていました。
この言葉は、彼の人格形成に影響を与えるものでしょう。

胸に刺さります。
この頃自分の体の調子が良くなく、道を見失いがちになっているだけに、
テングの言葉は耳に痛くもありました。

牧野富太郎は植物学一直線に生きたように見えますが、
迷うことはなかったのでしょうか。
自分のやっていることに意味を見出せず、自身を見失うことはなかったのでしょうか。

たぶん、あるでしょう。
莫大な借金を抱えたり、研究室から追い出されたことのある富太郎です。
常に順風満帆だったとは言えません。

ただ、仮に自分を見失うことはあっても、
いつまでもその穴にはまりこむタイプではなかったように思います。
周囲からの援助もあれば、性分がそうさせなかったかもしれません。
テングの言葉は富太郎の心に根を張り、
ときに迷える彼の背中を押すのではないでしょうか。

いまは幼少時代が描かれていますが、
大人になった富太郎が現実に壁にぶつかったとき、
それにどう立ち向かっていくのか、
注目して観ていきたいですね。
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