雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

形のユニークさNo.1(?) 銀河 おおぐま座NGC3718(黄砂の夜、二夜目)

2024年04月27日 | 天体写真(系外銀河)
本来なら今回は一夜目(12日夜)のメインタイトルM63ひまわり銀河をお見せするはずでしたが、
6分露光で35枚(総露光時間3時間半)も撮ったのに、なぜかガイドがずっと安定せず、
使えそうなのは35枚中せいぜい10枚という悲惨な結果。
幸いこのあと連続でもう二夜晴れてくれてリベンジ撮影を行っていますので、
ひまわり銀座の画像はリベンジ撮影と合わせて処理したものを次回お見せする予定です。
( とは言っても連続で三夜、ずっと黄砂襲来中だったようです)
という訳で 一夜目はガイドが乱れたまま薄明を迎えてしまいました。

想定していなかった二夜目(13日夜)は、写真展の準備がまだ途中だったため、
連続撮影中は仮眠をとることで体力の温存を図りました。
この夜のメインタイトルに選んだのは おおぐま座の NGC3718です。
この銀河の形を表現するのは難しく それほどユニークで不思議な姿なのですが、
いざ写すとなると繭玉(まゆだま)をよじったような淡い部分が
”庭撮り”ではなかなか写ってくれません。
そこで今回はCMOSカメラ533MCで総露光時4時間かけて挑戦してみました。

 NGC3718 付近(おおぐま座) 
( 元画像の 50%に縮小 ほとんどノートリミング )
( 上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2024/ 4/13 22:03’~ Vixen VC200L(レデユーサーHD) (合成fl=1386㎜)
露出 6分 × 39枚" style="color:yellow;">Gain150  Offset1) LPS-D1フィルター ASI533MC Pro(冷却-10℃)
 タカハシ EM-200 Temma2M  ステラショット3(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
ダーク・フラット処理はまじめに行っています
この夜はオートガイドの設定値をいろいろ試した結果、ガイド不良で使えない画像は40枚中1枚だけでした。
ただ黄砂のせいか、やはり淡い部分は写ってくれませんでした。

NGC3718の南方にあるHCG(ヒクソン・コンパクト・グループ)56の等倍切り出し画像です。↓
数億光年かなたの5個の銀河が群れている姿です

淡い部分の写りは6年前にデジ一眼Cooled60Dで撮った画像に負けています。 ↓
こちらの画像の撮影DATAは → こちら

実はこの夜も一夜目と同様にオートガイドが安定せず、苦し紛れに色々試した結果
ちょっと意外な設定でガイドが改善しました。 ↓
もともと春の系外銀河の領域は明るいガイド星が少なく、ステラショットのオートガイド設定でゲインをMax付近にした上に、
露出時間も4秒くらいまで長くして、やっとガイド星が見つかるという事がよくありました。(今回は黄砂の影響もあり?)
これまでもガイドでは赤経のブレが目立つていたのですが、グラフでは制御信号が出ているはずなのに
なかなか戻ってくれないため、インターバルを露出より少し短く設定することがありました。
そこで今回はしびれを切らしてインターバルを露出時間の半分 2秒にしたところ、早めに戻ってくれるようになりました。
本来は露出が完了しないうちに2回も制御信号を発出すれば、過補正になるかと思うのですがそれもなく不思議です。
(考えられるのは購入して10年近くなる赤道儀のグリスの劣化などで、俊敏性が低下しているのかも・・)

今後は本来の対処方法であるアグレッシブ(%)を高くすることも含めて、引き続きオートガイドの検証をしていきたいと思います。
オートガイドが改善するなら、どんな方法でも歓迎です。(できればお金をかけずに・・)

撮影時の空の状態もわかる恒例の「只今撮影中ショット」になります。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2024年 4月13日 23時11分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影

この夜はこの銀河の撮影前にも時間つぶしで しし座NGC2903を撮っていますが、
上記のガイド設定に変更するのが遅かったため、11枚中5枚しか使えず掲載は遠慮しました。


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ゴールデンウィークが始まると、我が家の「かたてま野菜」の
畑づくりも少しづつ動き出します。
そこでとりあえず 裏の空き地の草取りと、苗を植える場所の土起こしを行いました。
今年も小玉スイカに挑戦しようかな。(昨年はカラスにやられイマイチでした)
2階ベランダから見える山々もすっかり春めいてきました( 左が火打山(2461m)で 右が焼山(2400m)です)

速報昨日(4/26)夕刻 アストロアーツ社より、”ステラショットでのCMOSカメラ撮影で
ホワイトバランスが崩れる不具合” に対処したアップデータを公開した とのメールが届きました。
本日以降 検証を行って、その結果について別途報告したいと思います。


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しし座トリオ銀河のM65・M66をコンビで撮る (黄砂の夜、一夜目)

2024年04月21日 | 天体写真(系外銀河)
今回から、写真展が目前に迫った12日夜から三夜連続で撮った系外銀河の画像が続きます。
本来の設置場所(自宅裏口)での撮影は2月13日以来、実に2か月振りとなります。
この時点では、まさか三夜連続になろうとは思っておらず、
これを逃すと満月期に入ってしまい 次に撮れるのは何時(いつ)なるかわからない、
という強迫観念から写真展準備を中断して撮影に臨みました。

最初に撮ったタイトルはしし座のトリオ銀河の南側にあるM65,M66の銀河。

 M65 M66(しし座) 
( 元画像の 50%に縮小 ほぼノートリミング )
( 右がM65 左がM66  上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2024/ 4/12 22:15’~ Vixen VC200L(レデユーサーHD) (合成fl=1386㎜)
露出 6分 × 15枚 (Gain150  Offset1) LPS-D1フィルター ASI533MC Pro(冷却-10℃)
 タカハシ EM-200 Temma2M  ステラショット3(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
ダーク・フラット処理はまじめに行っています
機材の設営は明るい内に終えていたのですが、2か月ぶりの撮影でガイド鏡のピント位置がずれていたり
小さなトラブルが重なり撮影開始が遅れてしまいました。。

両銀河とも明るくて写真写りは良いのですが、どことなくシャキッとしない印象を持っていました。
そこで今回はピクセルサイズの小さい533MCで初挑戦してみたのですが、
やはり似たような画像となりました。
比較のため、昨年VC200L(レデューサー なし)鏡筒とEOS 6D(フルサイズカメラ)で撮った画像の同じ範囲をトリミングしたものを。 ↓
全体画像および撮影時のデータは → こちら

今回の撮影画像はちょっと期待はずれでした。

ここで今月中にアップデータが供給される予定となっている、ステラショットの不具合問題。
この問題解決のためにはカメラメーカーZWO社からの情報提供が必要らしいのですが、
コンタクトに苦労されているのか 現時点ではアップデートは公開されていません。
このため、今回の画像処理ではステライメージ9の「ベイヤー・RGB変換」を” 自動 ”設定にして処理しています。
”手動(R・G・B=1.0)”にして、今回の撮影元画像を処理すると ↓
ご覧の通り、見事に青みがかった画像になってしまいます。
(ダーク・フラット処理なし)


撮影時の空の状態もわかる恒例の「只今撮影中ショット」になります。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2024年 4月12日 23時01分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影

なんかすっきりしない空だと思ったのですが、この時点では黄砂の影響だとは知りませんでした。


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星のふるさと館での写真展は18日からスタートしたのですが、
翌日には地方紙「上越タイムス」に載せていただきました。
( 下は電子版の方の記事です )
取材に来られた記者の方が天体写真の知識をお持ちなのか、記事のまとめ方がすばらしい(さすがプロ)

まだところどころに残雪の残る「星のふるさと館」近くの 坊ケ池 湖畔の桜(4月18日 雲上撮影)


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二月のひまわり銀河M63

2024年02月25日 | 天体写真(系外銀河)
2月12日夜(正確には13日早朝)に撮った りょうけん座のM63 通称 ひまわり銀河です。

 M63 ひまわり銀河 NGC 5055 (りょうけん座) 
( 元画像の 50%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2024/ 2/13 03:44’~ Vixen VC200L(レデユーサーHD) (合成fl=1386㎜)
露出 6分 × 17枚 (Gain150  Offset1) LPS-D1フィルター ASI533MC Pro(冷却-10℃)
 タカハシ EM-200 Temma2M  ステラショット3(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
ダーク・フラット処理はまじめに行っています

この夜はシンチレーション(大気の揺れ)が大きく 拡大撮影には向いてなかったのですが、
さらに早朝には靄(もや)も出てきたようで透明度も悪化。

もう少しキレの良い”ひまわり”画像がないか 過去に撮影したものを探してみました。
その結果2019年4月と2021年3月に撮影した画像が良さそうだったので、
保存してあった撮影画像データから画像処理をやり直してみたのが下の画像。↓

( 元画像の 35%に縮小 )
2019/4/12・2021/3/9 VC200L(fl 1800mm) 総露光時間294分 ISO6400 by EOS6D(HKIR改造)

長焦点のVC200L(レデユーサーなし)で撮っているのですが、フルサイズカメラでの撮影のため写野が広く
銀河が小さく写っています。
銀河部分を等倍(縮小なし)で切り出してみると ↓
ひまわり”に見えるかどうかは別にして、今回撮った画像より細部まで解像できているようです。


撮影時の空の状態もわかる恒例の「只今撮影中ショット」になります。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2024年 2月13日 04時41分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影

北斗七星はもっと明るく元気よくあってほしいものです。


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今回 保存してある過去の撮影DATAから処理をやりなおしてみました。
実はCMOSカメラASI533MCを使い始めてから、
私の定番画像処理ソフトステライメージ9(未だPix Insightではない)
の処理方法が変わってきています。
どちらかと言えばナチュラルな方向に。
過去の撮影画像はすべて保存してあるので、いつかはPix Insightを使って
第二の天体写真生活を楽しむ時が来るかも。

昨日は上越市の山間の地区で幻想的な「灯の回廊」が開催されました
じぃじ・ばぁばも誘われたのですがコタツでぬくぬくの方が・・


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ムーディーなボーデの銀河 M81

2024年02月22日 | 天体写真(系外銀河)
出足から躓(つまづ)いた12日夜に撮った3タイトル目のおおぐま座のM81になります。

 M81 NGC 3031 (おおぐま座) 
( 元画像の 50%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2024/ 2/13 00:56’~ Vixen VC200L(レデユーサーHD) (合成fl=1386㎜)
露出 6分 × 22枚 (Gain150  Offset1) LPS-D1フィルター ASI533MC Pro(冷却-10℃)
 タカハシ EM-200 Temma2M  ステラショット3(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
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これまでこの銀河は北側にあるM82と一緒に撮るのが定番でしたが、
昨年から導入したCMOSカメラのASI533MCのセンサーサイズが小さいことから
長焦点のVC200L鏡筒だとレデューサーを付けても単独にしか写せません。

この前に撮ったきりん座のNGC2403の画像処理で、この夜のシィーングの悪さは
わかっていたので期待していなかったのですが、
2時間以上の総露光時間の割にはメリハリのない画像になってしまいました。

わたしがこのM81を撮る時のポイントは 銀河右下にある近接した2つの星のきれいな分離と、
銀河左側にある淡い伴銀河(?)が確認できるかなのですが・・
淡い伴銀河の方は上の画像では厳しいかも。
そこで画像を反転してコントラストを上げてみると ↓
なんとか写ってはいるようですが

この夜の透明度の悪さもわかる「只今撮影中ショット」になります。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2024年 2月13日 01時50分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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「上越天体写真友の会 (J-APA)」の月例会は毎月第3火曜日です。
今月の例会では今話題のSeestarの実物と動作検証を行いました。
他には話題の画像処理ソフトのPixInsightが円安で高すぎて買えないとか・・
勉強会のネタは尽きません。
先日まで春のような陽気だったのですが、また冬に戻ってしまいました (2月18日ベランダより)


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『初撮り』に 第三の敵シンチレーションが・・(きりん座NGC2403)

2024年02月18日 | 天体写真(系外銀河)
前回記事 に書いた通り 私のうっかりミスから、
待ちに待った『初撮り』の出だしからつまづいてしまい、
12日夜の2タイトル目に予定していたきりん座NGC2403
撮影開始が1時間以上も遅れ、6分露光で25枚撮るはずが半分も撮れませんでした。

総露光時間1時間余を処理した画像です。 ↓

 NGC2403 (きりん座) 
( 元画像の 60%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2024/ 2/12 23:32’~ Vixen VC200L(レデユーサーHD) (合成fl=1386㎜)
露出 5分 × 3枚 + 6分 × 9枚 (Gain150  Offset1) LPS-D1フィルター ASI533MC Pro(冷却-10℃)
 タカハシ EM-200 Temma2M  ステラショット3(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
ダーク・フラット処理はまじめに行っています

見かけも大きく明るいのですが、意外にメリハリのない系外銀河で難物です。
今回も予想通りさえない姿となってしまいました。

この銀河は2015年以降これまでに10夜くらい撮っているのですが、その中で一番良く撮れた画像です。 ↓
( 元画像の 35%に縮小 ほぼノートリミング )
撮影DATA : 2018/ 3/10 Vixen VC200L(レデユーサーHD) (合成fl=1386㎜)
露出 20分 × 6枚 + 5分 × 3枚  ISO 3200  LPS-D2フィルター Cooled60D
 *その他は 省略

各画像の銀河中心部を75%縮小でトリミングして比較してみました。

撮影鏡筒は全く同じで、カメラはCMOSデジ一眼(APS-C)の違いはあるものの
ピクセルサイズも似通っています。(533MC 3.76μm 60D 4.3μm)
比べると今回撮った画像はピンボケではないか と疑いたくなりますが、
いつもピント確認のため事前に撮るバーティノフマスク画像は問題なし。

それなのに画像処理前の撮影画像(コンポジットまで済)で、すでにこの差。
( 各画像左上の円内は 撮影に先立ってピントを確認したバーティノフマスクの画像 )

レデューサーを付けても焦点距離1400mm近くになると、
シンチレーション(大気のゆらぎ)の影響は大きいという事ですね。

今回の「只今撮影中ショット」になります。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2024年 2月13日 0時03分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×7枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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今思えば、やけに星が瞬く夜でした。

あまり考えないで記事タイトルに「第三の敵」と書いてしまったのですが、
それじゃ”第一”・”第二”の敵はなに? と突っ込まれそうです。
そこで いま考えたのですが、
「第一の敵」は 薄雲・靄(もや)による透明度不良
「第二の敵」は 上弦から下弦までの月明かり・・・・
ということで。


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