雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

「親亀子亀」というより、『父子鷹』 (VC200Lガイドシステム模索)

2014年09月30日 | それでも星は流れる
覚悟はしていたものの、ポチッてしまった中古のVC200L
オートガイド結果が許容範囲を越えて星が流れています。
R200SSは結局「親亀子亀」方式に落ち着いたのですが、VC200Lは鏡筒バンドが無いためガイド鏡筒を並列からスタート。
撮影結果のガイド誤差の状況をグラフにしたものです。
VC200L鏡筒が西に傾くにつれてちょうど”おじぎをする”ように、西から東に星が流れています。
平均で1枚(15分露光)あたり約5ピクセル流れています。

撮影鏡筒のVC200Lはカメラを接続すると極端に重心が底部となり、
そこをアリミゾで固定しているのですが、固定部から筒先までが長くなってしまいます。
その結果、西に傾くにつれて鏡筒先端部でタワみが発生しているのではと考えました。

そこでとった対策は、
スライドプレートを縦にして、もう一個所アリミゾ固定部を追加しました。
追加購入したビクセン プレートホルダーSXと面を合わせるため、建築用の座金(1枚10円)を従来のアリミゾにはさみました。
これでVC200L鏡筒をしっかりと固定する事ができます。
問題はマルチプレートを縦にしたことにより、ガイド鏡の固定場所がなくなった事。
VC200Lで取り付けられそうな場所は・・
キャリーハンドルになぜか取り付けられているカメラ用のネジ。
ここに以前に購入して使えなかったρ-Ⅲスーパーボールヘッドを取り付けてみました。
中央にきゃしゃで使いものにならななかったカメラネジがはまっていますが、これを取り外して
ユニバーサル鏡筒バンド(これも追加購入)をボルト締めで取り付けました。

早く検証したかったのですが、28日夜曇が切れるまで待ってなんとか1時間ほど撮影データを取得しました。
( アリガタの先端部に手持ちの材料を使って作成したバランスウエイトを取り付けてあります。 )
うかうかしてると雲が出るので、だいたい北アメリカ星雲付近という事で撮影開始。
スタイルはなかなかと思うのですが、ガイド鏡が枝にとまった鳥のようでちょっと不安。
この姿から 父子鷹(おやこだか)』ガイド方式 と名付けました。
撮影画像です。
北アメリカ星雲のあたり ? (はくちょう座)
( 画像クリックで拡大(35%)表示 )
( 右 が北の方向 )
撮影DATA: 2014/ 9/ 28 23:13’~ VixenVC200L + レデューサー(合成f=1,278mm F6.4
露出 10分×6枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (冷却オフ) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG ガイドスコープGS-60S PHD Guiding ステライメージ7
最初どの辺を撮ったのかわかりませんでしたが、時間をかけて調べたところ
( ステラナビケーターVer9より )
北アメリカ星雲のかなり北のエリアとわかりました。

期待していたのですが、拡大すると上から下(東から西)に流れていました。
中央部分の拡大画像です。
撮影結果をガイド誤差のグラフで見ると・・
以前の倍近く時間に均等に流れています。
以前とは逆に東から西に流れているという事は、
撮影鏡筒のタワミは減少した代わりに、今度はガイド鏡の方が西に傾くにつれて
”おじぎ”をするようにタワんでいるという事でしょうか?
参考に撮影中のPHD Guidingの追尾グラフです。
上下の一目盛りはVC200L+レデューサーでは3.6画素に相当します。

ガイド鏡をより強固に固定し、その重心をもっと低くできるといいのですが・・

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もっともベストな選択は、タカハシの鏡筒バンド(232WS)と
Mプレート(小)だと思うのですが、お金(6万近い)で解決
というのは負けたような気がして・・(それ以前に大蔵省の認可が困難)
でも、今回小物2つで1万余り使ってしまいました。
遠回りの銭失いの予感も。

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フラット再処理 と ステライメージVerUp(7.1a)

2014年09月28日 | 画像処理のはなし
2日前の夜はなんとかフラット画像が撮れそうな雲模様だったので、
薄明が終わった頃の曇り空で、VC200L+レデューサーのフラット画像を撮影しました。
ISO2500で作成済だったのですが、画像が荒れることから1600で撮り直しました。

( 画像クリックで拡大 )
[ VC200L+ レデューサー カメラ横構図 ]
これはカメラ横構図で撮ったものですが、光量の中心はやや右下になっています。
前回ISO2500ではカメラ位置を気にせず撮っていますが、左右のズレはなくやや下方に光量の中心がありました。
わずかではありますが、光量が中心からズレるためカメラの縦・横構図の両方のフラットを追加撮影しました。

[ VC200L+ レデユーサー カメラ縦構図 ]

[ VC200L(レデューサーなし) カメラ横構図 ]

[ VC200L(レデューサーなし) カメラ縦構図 ]

* 私は撮影するときはできるだけ天の方角を合わせて横構図か縦構図を決めています。
フラット処理を考慮すると縦・横だけでなく、
180度回転しないよう意識してカメラの向きを合わせる必要があります。

できたばかりのフラット画像で再処理してみました。

各記事の画像も再処理したものに差し替えておきました。


たまたまアストロアーツのHPをみたら、
ステライメージ7アップデータ(7.1a)が供給されていました。
コンポジットの際の自動位置合わせがスピードアップされたとありましたので、
旧バージョンと処理速度を比較してみました。
( 検証は上のまゆ星雲の撮影画像8枚でおこないました。)
結果は
旧バージョン(V 7.0d)・・・・14・・・・・ 新バージョン(V 7.1a)・・・・31

これはうれしい! 処理時間が半分以下になりました。
算出結果にちがいは出るのでしょうか?
旧バージョン(7.0d)

新バージョン(7.1a)
微妙に数値に差がありますが、よく見ると新バージョンでは回転ずれの精度が小数点以下4ケタまでに。
そのせいかはわかりませんが、加算平均コンポジット処理時間は、
逆に新バージョンの方がわずか長くなっていました。

(注)わたしはこの数値を使ってガイド流れ量を把握しているのですが、
併進ずれのx、y座標の符号は、コンポジットの際の補正量ですので
実際に流れている方向とは逆になります。


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昼間は日本晴れなのに、夕方になるとどこからか
雲がやってきて空をおおいます。
そんな中、VC200Lガイド精度向上計画が進行中。
まもなく公開できると思います。
成否は別にして・・

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2年ぶりのまゆ星雲

2014年09月27日 | 天体写真(星雲・星団)
22日夜、あれい状星雲の次に撮ったのはまゆ星雲です。
星雲周囲のモヤも写したくて、VC200Lにレデューサーを付けて撮影しています。

IC.5146  まゆ星雲 (はくちょう座)
( 画像クリックで拡大(35%)表示 )
09. 27 フラット処理した画像と差し替えました
( 上 が北の方向 )
撮影DATA: 2014/ 9/ 22 22:40’~ VixenVC200L + レデューサー(合成f=1,278mm F6.4
露出 15分×8枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温13℃ 冷却-4.2℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG ガイドスコープGS-60S PHD Guiding ステライメージ7
この星雲の撮影は2年ぶりになります。
先日、ビクセンギャラリーで金賞をいただいたのを自慢げに報告しましたが(笑)
実は最初に入賞したのがR200SSで撮ったこの星雲でした。

天体アルバムにも登録した2012年の作品です。

まゆ星雲の部分だけ縮小なしで切り出してみました。
( 画像クリックで等倍表示 )
左が今回撮ったもの、右が2年前にR200SSで撮ったものです。
拡大しないでこの表示サイズだと2年前のほうがよく写っているように見えます。
星の流れまで見えてしまいますが、等倍まで拡大して比べてください。

ただいま まゆ星雲撮影中
( 画像クリックで拡大(35%)表示 )
TAMRONZoom(f=17mmF2.8) 30sec×5枚コンポジット ISO1600 KissDX(SEO-SP2) LPS-P2FIL

こんなに素晴らしい星空なのに、その一角だけをピンポイントで撮影している自分が
馬鹿じゃないかと思えてきます。

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記事にも書きましたが、いい星空の時はできるだけ
広い範囲を写したくなります。
R200SSも共用で搭載できるガイドシステムが欲しい。
となると、やっぱりアリガタを外して鏡筒バンドかな・・

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レデューサー無しで撮ったM27亜鈴状星雲

2014年09月25日 | 天体写真(星雲・星団)
素晴らしい星空に恵まれた22日夜、最初に撮ったのはM27亜鈴状星雲でした。

VC200Lではレデューサー付(f=1,278mm)でもガイドが流れていたのですが、
明るいこの星雲をレデューサーなし(f=1,800mm)で撮ったらどうなるのか
初めての挑戦です。

M27 亜鈴状星雲 (こぎつね座) 
( 画像クリックで拡大表示 )
( 上 が北の方向 ・・・・・ノートリミング画像 )
撮影DATA: 2014/ 9/ 22 20:38’~ VixenVC200L(f=1,800mm F9.0
露出 10分×8枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温14.5℃ 冷却-2.5℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG ガイドスコープGS-60S PHD Guiding ステライメージ7

拡大して見たけど、流れてないじゃん!

すみません。  ズルしちゃいました。
コンポジットが終わったら・・・
こんなに流れていたもので、拡大画像だけ”比較暗ずらし”で流れを目立たなくしました。

どうやったかは
が参考になるかと思います。(ステライメージの新機能の方では無く)
今回は次に撮った画像をぼかしなしで ”比較暗ずらし”するという方法を試してみました。

レデューサーなしでの撮影は既に でも行っていたのですが、
そのまま星雲・銀河の撮影を行うには不安がありました。
フィリップミラーBOXの先にカメラを接続というのは抵抗がありました。
もしミラーが何かの拍子に少しでも下がっていたら、即ケラレが発生します。
そんな時コメントで奈良県民さんが教えてくれました。
早速購入して手持ちの直焦ワイドアダプター60と組み合わせて
シンプル is ビューティフル。 今回はこれで撮影しています。

この夜、撮影開始時のおりおんショットです。
( 画像クリックで拡大表示 )
夕方はまだ雲があったのですが、運のいい時は雲がよけてくれます。

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今は使わなくなった小物類を並べたり、組み合わせたりして、
流れ防止の対策に役立ちそうなものができないか
考えております。

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アンドロメダ銀河(西部) 2日後のリベンジ

2014年09月24日 | 天体写真(系外銀河)
20日夜はVC200Lの初の系外銀河の撮影ができたのは良かったのですが、
後半は薄雲により透明度の悪い空に変わってしまいました。

ただ幸いな事にその2日後、素晴らしい星空に巡り合う事ができました。
今回はその中から一番最後に撮ったアンドロメダ銀河(西部)を先にお見せします。
このタイトルは20日にも同じ構図で撮っていますので比較してみてください。

まずは当日の透明度の良さをわかっていただくため、撮影中のおりおんショットです。
( 画像クリックで拡大表示 )
TAMRON Zoom (f=17mmF2.8) 30秒×5枚コンポジット ISO1600 kissDX(SEO-SP2)
中央付近にアンドロメダ銀河、筒先にカシオペア座のくずれた"M"の字、右上はペルセウス座になります。
ソフトフィルタを使っているとは思えない星空になっています。

アンドロメダ銀河 (西部) (アンドロメダ座)
2014. 09. 27 フラット処理した画像とさしかえました
( 上 が北の方向 )
撮影DATA: 2014/ 9/ 23am 01:13’~ VixenVC200L + レデューサー(合成f=1,278mm F6.4
露出 15分×12枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温13℃ 冷却-5.5℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG ガイドスコープGS-60S PHD Guiding ステライメージ7
前回の教訓からISO感度を1600に戻し、そのかわり露光を15分に延ばしました。

最初にコントラストの低い撮影画像を見たとき、すこしガッカリしました。
しかし、わたしのお気に入りの写真集『FAR OUT』の画像を見ると、
もともとが余りめりはりのある領域ではないようです。
おまけに、左下の輝星には、やはり青いリングが取り巻いていました。(笑)

最高の空だったのですが、「天体アルバム2014」の仲間入りとするにはまだ問題があります。
画像処理前の中央付近の等倍画像です。
一枚(15分露光)あたり約6画素、西から東に星が流れています。
これは明らかに許容範囲を越えており、この流れを1/3以下に圧縮しないと
VC200Lの良さ(星像の鋭さ)が生きてきません。
これはこの機種の購入を決めた時からの最大の課題となっています。

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ぐっすり寝て、昨日の仮の処理画像を見たら
コテコテのケバいものっだったのでやり直しました。
次回以降、この前に撮ったM27あれい星雲まゆ星雲をお見せする予定です。

雲上くもがみ
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