恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

茶倉譲二 続編第六話~その3

2015-10-21 08:38:23 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編第六話~その3

〈譲二〉

百花ちゃんが不思議そうに尋ねた。


百花「だけど譲二さん…どうして三者面談って知ってたんですか?」

譲二「まあ…朝、テーブルの上に大々的に忘れて行っちゃったみたいだからね」


俺は三者面談のプリントを見せた。


譲二「ご両親が来られないんだから、俺が来るのは当然でしょ?」

譲二「それに、百花ちゃんの将来のことも気になるし」

百花「心配かけてごめんなさい…一人で先生と話そうと思ったんですけど」


ほらほら、すぐそうやって自分だけで抱え込む。

まぁ、俺も人のことは言えないんだけど。


譲二「百花ちゃん、俺に言ったこと覚えてる?」

百花「え?」

譲二「もっと頼って、って言ったよね」

譲二「百花ちゃんだって、もっと俺に甘えてくれていいんだよ」


そっと、百花ちゃんの髪を撫でた。

ホント、俺たちって似た者同士なのかもね。

お互いに甘えるのが下手っていうか…一人で頑張ってしまうところとか…。


譲二「まあでも、来てよかったよ。百花ちゃんの学校の様子も聞けたし」

譲二「それに、百花ちゃんが驚いた顔も見れたしね」


うん、あの顔はとっても可愛いかった。




その時、騒がしい声が近づいてきた。


春樹「あ、いた!」

一護「うわ、ほんとに来てる」

剛史「スーツ・ギャップ萌えか…」

竜蔵「ジョージが学校にいると、なんか新鮮だな!」

百花「みんなどうしたの?」

春樹「さっき、すごく若くてかっこいい父兄が来てるってみんなが噂してて」


『若くてかっこいい父兄』か…まんざらでもない。


一護「話聞いたら、剛史が『マスターじゃねえの』って言うから」

剛史「そんな予感がした」


譲二「代理できたんだよ」

譲二「どう? スーツ姿もいいでしょ?」


みんなの前でちょっと格好をつけてみせた。


譲二「噂になるぐらいだから、俺もまだまだいけるな」


ちょっとニヤけていると一護に突っ込まれる。


一護「バカなこと言ってんなよ」


あいつらがいると、学校もまるでクロフネみたいだな。

遠巻きにした女子生徒たちも、こちらを見ながらキャピキャピはしゃいでる。


譲二「いやー、この賑やかさ、高校生! って感じだね」

竜蔵「ジョージなんてもうオヤジだもんな!」

一護「いつも自分のこと『オジサン』とか言ってるし」


うわぁ、散々だなぁ~。

あのね、自分で言うのはいいけど、他の人に言われるのは傷つくんだよ?

みんな、わかってる?


春樹「佐々木、進路は決まった?」

百花「うん…福祉系の大学を勧められたよ」

剛史「福祉?」

百花「誰かの役に立つ仕事がしたいと思って」

一護「ふーん。まあ、いいんじゃねえの?」

竜蔵「進路なんてどうにかなるもんだぜ!」

竜蔵「あんまり深く考えんな!」

譲二「さて、そろそろ帰ろうかな」



みんな後でクロフネに寄ってくれるってことで、帰り道は百花ちゃんと2人で帰れるみたいだ。

みんな気を利かせてくれたんだろうな、きっと。



譲二「それじゃあ百花ちゃん、行こっか」

百花ちゃんを促すと、女子生徒たちに声をかけられる。


女子生徒「お父さん、さようならー!」


(ハハ…、お父さんって思われてたのか……)


譲二「まあ、いいか」

苦笑いしながら、彼女たちに「さようなら」と手を振った。


 その4へつづく



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