こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

書籍(アトラス)上梓

2012年04月20日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
ある時、上司と「ここの症例のうち、典型的なものとか、比較的まれなものをまとめたら、そこそこの教科書ができるのではないか」と話をしたことがきっかけとなり、これまで原稿を書かせてもらったことのある出版社にアトラスを出そうという企画を持込んだのが、去年の1月。

出版社も私たちの企画を引き受けてくれ、打ち合わせを重ね、執筆を開始した。
上司と、私と、同じ施設にいるということで、自動的に巻き込んだ教室の優秀な後輩の3人が編集責任者となって、あとは、ナイスガイ(元)レジデント君をはじめ、若い先生達に執筆してもらい、私たちはそのチェックと各臓器の概論とを書いた。
だが、10月いっぱいの締め切りには全く間に合わず、というか、年内に原稿が出たのは全体の1割。
いっそのこと、企画倒れになってしまえ!と本気で思っていたのだが、さすがに敵もプロ、担当の編集者が凄腕に交代した。そこからは、われわれがノイローゼになりそうになるほどに、尻をたたかれたかいもあり、2月いっぱいかかってやっと脱稿した。

やれやれ脱稿したので、もう解放されただろうと思ったら大間違い。
校正だ、”あとがき”だ(”推薦の言葉”は院長先生、”はじめに”は上司)、表紙の写真だ、と、あとからあとから仕事は続く。

三校まで終わったのは3月31日。春の学会シーズンに間に合わせるためにと、出版社が指定したデッドラインだった。
その日を境に、ぴたりとメールも電話も来なくなった。

そして、おととい、○○社のターミネーター氏(別にごついわけではない、というか、とても気の優しいやさ男です。ごめんなさい○○さん!)とその上司の女性(このお姉さんもしっかり者だった)が、とてもにこやかな顔をして出来上がったばかりの私たちのアトラスを届けにきてくれた。

アトラスなので、写真が生命線だが、とても綺麗に刷り上げてくれた。
解説文もそれなりに書けている。
恥ずかしながら、コロ健、病理外来の風景写真に登場させてもらっている(ただし、斜め後ろからの姿)。

○○氏(○○社のターミネーター氏)が、雨の日に私の講演先にまで校正刷りを持ってきた話をして、みんなで笑った。あの日は本当に逃げ出したかった。
それも早くも、いい思い出話だ。
本当に今度のことはつらかった。
一項目でも原稿を書くということは大変なのに、それを一体何項目書いたり、チェックしたりしただろう。
何はともあれ、終わったし、立派なものが出せて本当に良かった。

編集者用にといただいた3冊のうち、1冊を両親に届けたら、ずいぶんと喜んでくれた。
これまで、ろくなことをしてこなかった息子だが、やっと少しだけ親孝行ができた。


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3 コメント

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楽しみにしております!。 (読み人知らず(でも病理医))
2012-04-20 20:10:21
先生方が編集した、病理アトラスの本(○○X○○社 出版で、“○○・○○○病理アトラス 定価: <7000円(税込)でしょうか?)を病理学会でお目にかかれるのを楽しみにしております。でも、もう1週間ないですね。それでは。
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お疲れ様です。 (ロドリィ)
2012-04-21 17:14:56
昨年4月より、毎土曜日のAM9:30よりNHKの朝ドラ1週間分を見ているロドリィです。アトラスの出版までの御苦労、学会発表などお疲れ様です。アトラスにつきましては、文字のモザイクばかりで良く分かりませんが、学会では(多分、28日・土曜日のみ)それらしきものを探してみます(印税の協力も兼ねて)。それでは。
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コロ健探しはお手柔らかに (colocolokenta)
2012-04-21 22:14:45
しがない中年病理医一人見つけ出したところで、あまり面白くはないと思いますので、まあ、あたりをつけておくくらいにしてください。
発表ではわかるようにしておきます。
さすがに、ナイトやコロは出しませんが。
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