フリーダちゃん。

一ヶ月ちょっと前に、電車に乗っていた時のことです。いや、実はいつだったか、ちゃんと覚えているんです。あれは旧友に会いに出かけた、６月６日でした。

車内では、いつものように本を開いていました。引越しの直前に何冊か買い込んだんですが、近代史や、世界のさまざまな国の事情や、諸問題について書かれた本たちです。なかなか思うようには進まないんですが、それでも毎日少しずつでもね（それにしてもページを捲るたびに、自分が、見事なほどなろくに物事を知らないんだな、という事を思い知らされます。たはは）。

途中、ふと目を上げると・・・一人の、小さな黒人の男の子の大きな目が、僕をじっと見ていました。思えば、写真の中からの視線を、感じたのかもしれません。

そして、その写真には、

「”何もかも”は出来なくても、”何か”はきっとできる。」

という言葉が添えられていました。

それは、世界中の貧国に暮らす子どもたちの生活を支援する、あるＮＧＯ団体の広告でした。

 

「貧困、紛争、飢餓、災害。これらの問題で真っ先に犠牲になるのは一番弱い立場にある子どもたちです。

今、世界では、３秒に１人の子どもが、防げるはずの病気で命を落としています。

１５００万人の子どもがエイズで親を奪われ、３０万人の子どもが武器を手に戦場に立たされ、７７００万人の子どもが、初等教育を受けられずにいます。

一人一人が統計の数字ではなく、可能性にあふれた尊いいのち、地球の未来を担う存在です。」

 

あの日、これらの言葉は、やけに僕の心に突き刺さりました。たまたま世界に関する本を読んでいたから余計にリアルに感じられたのかもしれませんし、もしかしたら、ずっと何か心に溜まっていたものが、あの日、あの言葉で、突然流れ出たのかもしれません。でも、それも、タイミング。縁、なんですよね。僕はすぐに、この団体の名前を携帯にメモしました。

翌日、色々と調べてみました。「チャイルド・スポンサー制度」。こういった支援をしている団体はいくつかあることがわかりましたが、僕はそのうち規模的に大きく、過去にちゃんとした実績のある団体を二つ選び、資料を請求してみました。どちらの団体からも、資料はすぐに（ほんの二日ほどで）届きました。

それらを隅々まで読み、今一度、色々考えてみました。自分は、何ができるのか。そして、自分は、いったい何がしたいのか。

 

そして、僕は「スポンサー」になる事を決め、書類に必要事項を記入をし、登録しました。いや、・・・今思うのは、あの広告を見た瞬間には、実は心は決まっていたんだよな、ということです。「あ、今出来る事が見つかった！」って、嬉しかったんですよ。あとは、現実的なことや、付随的なことを、つらつら考えたに過ぎませんでした。

でもなぜ、こんなことをしようと思ったのか、もしかしたら不思議に思われる方もいらっしゃるでしょうね。ご存知のように、僕は、とりわけ慈善家でも、厚志家というわけでもないのですから。・・・これは、なんかちょっとね、一言ではうまく言い表せないんですよね。説明しようとしたら、大げさに言えば、僕の今までの３９年の人生を全部説明しないとならなくなりそうなので、・・・とりあえず、やめておきますね。

 

あ、でもあとね、本や、映画の影響は、大きいと思いますよ。

「ナイロビの蜂」での、「今、あの子を救える！」という叫び。

「ルワンダの涙」での、「どうしてあの時、逃げたの？」という問いかけ。

「ブラッド・ダイアモンド」での、「世界はここの悲惨な現実を知っても、『かわいそうだね』というだけだ。誰一人、こんなところまで、やってなんて来やしないさ！」と吐き捨てたディカプリオ、

そして、「アバウト・シュミット」で、アフリカのンドゥグ少年から届いた手紙に、ジャック・ニコルソンが堪えきれずに見せた涙の意味。

他にも、ものすごく沢山の映画や本から、影響を受けています。

 

このブログで、世界の難しい問題の事を書くたびに、僕も、自分で書いていて「じゃあ一体何が出来る？」という問いはずっとあるわけです（読んでいただいた皆さんも、きと自問されたことと思いますが・・・）。勿論、僕がいつも言っている「知ること」は全てに通じる第一歩です。これがなければ、何も始まりませんからね。そして、ではその先はどうする？ということを、これまでも、今も、ずっと考えています。海外協力隊員にも興味があって、資料を取り寄せたり、実践されている方のサイトを訪れて読んだりしてみたりもしてみました（もう、青年～ではなくてシニア～になるんだということが判り、ちょっとショックでしたよ（笑））。

でも、英語すら、実際ちゃんと使えないし（←・・・あー情けない！）、そして何より、・・・僕にはまだここで、日本で、どうしても続けたい、中断できない仕事がある。これは、決して逃げの言い訳じゃなくてです。

でも、何かあるだろう、何かは・・・。

そんな時に目にした広告だったんです。

 

僕が登録した団体は、現在６６ヶ国に支援をしていて、自分がスポンサーになりたい国や、子どもの性別などもある程度は選べるのですが、僕は大まかに「アフリカの子どものスポンサーになりたいです。」とだけ、指定したんです（僕は実際のアフリカの現状をほとんど何にも知らないわけですから、映画や少ないニュースなどの情報だけで選ぶのは危険だと思ったのです。実際に現地の事情、現実を知っている団体に決めてもらおう、と）。

そして今日、いよいよ僕がスポンサーになった子どもからの（というか、まだ団体からの）第一報が届きました。この団体の現地のボランティアが作ってくれた、僕がスポンサーになる子どもと、子どもの住む環境についての紹介文と、２枚の写真。それが、今日の写真です。

フリーダ・カナニエ・カビウリアちゃん。

東アフリカのケニア、その中のタラカ（Ｔｈａｒａｋａ）地方の、カイブギ（Kaibugi）という村に住んでいるという、１９９９年６月３０日生まれの、９歳になったばかりの、とっても可愛らしい女の子でした。ほんと、かわいいです。てか、なんか写真を見た瞬間から・・・まったく他人とは思えないんでけど、気のせいでしょうか。・・・なんか僕に、ちょっと似てません（笑）？って言ったら、フリーダちゃんに、悪いのかな。「それ、いやですー」って言うかな（笑）？

 

あ、これは「里親制度」ではありませんのですよ。僕が親がわりになる、とかいうわけじゃ、ないのです。

彼女にはちゃんとご両親もいますし、７人の兄弟もいます（フリーダちゃんは下から３番目みたいです）。僕は、彼女の住むコミュニティそのものに対して、幾ばくかの資金を提供して、それを清潔な水を得る為の整備や、教育環境、医療環境などの整備にあててもらうのです。そして、そのコミュニティの代表としてのフリーダちゃんと、僕はこれから主に手紙のやり取りというコミュニケーションをしていくことが出来る、というわけです。

なので、直接彼女にお金を渡すわけでも、彼女の家族に渡るわけでもありません。そんなことをしたら、彼女や彼女の家族の、村での立場がおかしなことになりますからね。もちろん、長い目で見たとき、それは単なる「依存」となってしまい、彼女たちの為にもならないわけですし。あくまでも、彼女の家族や友人、知人を含む、彼らが住む環境そのものの改善、そして自立のための支援なのです。ちなみにね・・・僕が出す「資金」って、・・・１ヶ月あたり３０００円、なんですよ（増額は可ですが、僕はこの１ヶ月３０００円のプランで始めることにしました。無理なく、その分ちゃんと、しっかり、がいいと思うんですよ）。でも、これが国民の平均所得が日本の８０分の１ほどしかないケニア（国民一人あたりの平均年収(ＧＮＩ)４万６千円弱）では、色々と役に立ってもらえるんですよね。嬉しいじゃないですか。一日たったの１００円で、僕にも、誰にでも救える命があるのなら・・・って。

 

彼女の住む家は土で出来てて、雨季には庭に水が溜まるけど、乾季には約４ｋｍ歩いて、川に水汲みに行かなければならないそうです。小学校までは片道４５分、最寄の病院までは２時間。勿論、全て歩きなんですよね。

あとね、家庭環境の紹介文には「latrine」という項目がありました。そこには、「この家族は自分たちだけ（private）のlatrineを持っている」と書かれています。latrineとは、土を掘った簡単なトイレ、という意味です。つまり、これが無い家も沢山ある、ってことですよね。

 

でも、・・・うれしいな。フリーダちゃんは、学校に通えてるんだね。そして、家族がちゃんといるし、それに「健康です」とも。

 

さて、なんて手紙を書こうかな。

「はじめまして！日本という国に住む、おっちょこちょいです。」

って書き出しで、いいかな（笑）。

 

あれっ？英語でなんて書いたらいいんだろ、おっちょこ・・・。

scatterbrain（スキャッターブレイン）・・・いや、僕の場合はcareless person（ケアレス・パーソン＝不注意な人）か（笑）。

がんばって、英語で書いてみようと思ってるんです（日本語でもＯＫなんですが、それですと、途中でボランティアの方に翻訳してもらわなきゃなので、手紙のやり取りに、英語で書くよりも一ヶ月づつ（計二ヶ月）ほど余計に時間がかかるそうですし、自分の勉強のためでもあり、ということでね）。

そうでなくとも、僕が手紙を出して、届くのに２～３ヶ月、そして返してくれたのが届くのに、やっぱり同じだけ日数が掛かるんだそうです。でも、その待ってる何ヶ月って、とっても楽しそうじゃないですか？それと、鉛筆とかシールくらいの、安くて小さなギフトなら、一緒に送れるんだそうですよ。

何がいいかな。ケニアの９歳の女の子・・・、何を贈ったら喜んでくれるのかな・・・。

うわー、なんか、ドキドキするなー（笑）。あと僕は、自分で撮った写真も、毎回何枚かづつ送りたいなって思ってるんです。うわー、ドキドキするなー。地球の裏側、ケニアのフリーダちゃんに、見てもらえるんだよ。すごい事ですよね。そして、彼女から、アフリカのケニアの村から、神奈川県東部の僕の住む町に、手紙が届くんですよ。うわー。

 

・・・皆さんも、良かったら一緒にドキドキしませんか？時々、フリーダちゃんのこと、書きますから、一緒に見守っていってほしいです。もうね、実は写真見ただけで、泣けてきちゃって（笑）。手紙なんて返ってきた日には・・・どうなることやら。

もう早速ね、写真・・・携帯の待ちうけにしてますよ。携帯の待ち受け変えたのなんて、４年ぶりですよ（笑）。

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一応、僕が登録した団体を書いておきますね。

プラン・ジャパン

財団法人 日本フォスター・プラン協会（プラン・ジャパン） 〒154-8545　東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22　サンタワーズセンタービ　10F&11F 　　TEL　03-5481-0030

☆この件に関してのご質問は、ちょっと例外として、このブログでお答えしていこうかと思っています。僕もこれから色々と勉強ですが、こういうシステムについては、僕が今の段階までで知ったこと、判ったことなんかはね、包み隠さずに共有したいな、と思いますので。・・・子どもたちの為になるならば、喜んで。

 

☆また、僕が電車で最初に目にした広告は、こちらの団体のものでした。

ワールド・ビジョン・ジャパン

特定非営利活動法人　ワールド・ビジョン・ジャパン
〒169-0073　東京都新宿区百人町1-17-8-3F　TEL　03-3367-7251

この二つの団体が、僕たちがすぐに参加できるものとしては、特に有名な（参加人数が多い、歴史があるため支援の制度が確立されている、支援の規模も大きい）ようでした。

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ではー。