物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

J文学「風立ちぬ」

2011-07-15 12:01:28 | アート・文化

NHKのEテレで放送しているJ文学をあまり文学に関係のない私は楽しんでいる。

昨夜とその前日の放送で時代を感じたのはベッドのことを堀辰雄は寝台と言っていることであった。

現代の私たちは寝台と言う言葉も使うかもしれないが、それはお年の方であって、普通の方はベッドというのではないか。

1930年代か40年代も前半のことであろうから、寝台という語もうなずけるが、私には古い言葉を聞いたような気がした。

堀辰雄の小説は1冊も読んだことはないが、私が中学生のころに堀辰雄がなくなった。中学校の国語のO先生がそれで、はじめて堀辰雄の小説を読んでみたと国語の授業で話をされていた。

「風立ちぬ」という題はなかなか瀟洒な感じがしたものであったが、それはフランス語のLe vent se leveという表現から来たものだとはフランス語をラジオで学んでいたときに知った。se leverはJe me leve tot ce  matin. というと「今朝早く起きました」という意味である。

そのse leverが使われたのが、Le vent se leveであり、leveのどこかにアクサン・グラーブ(accent grave) か何かを入れなければならないのだが、ブログの制約上で失礼をする。

「風立ちぬ」は若い婚約者の女性が結核にかかっており、余命いくばくもないのを知りながら長野県がどこかのサナトリウムで私が一緒に過ごすという話らしい。堀辰雄自身が結核で亡くなったと思うので、あるいは自身の実体験の部分もあるのかもしれない。

ベッドから、またまた話がずれていくが、bedと英語では書く。いま読んでいる田中克彦著『「スターリン言語学」精読』(岩波現代文庫)にドイツ語での t が英語では d に変っていると言及されており、例がいくつあげられていた。

それで私の気がついた例は上の bed が Bett であり、また garden が garten であることだった。だから確かにドイツ語の t は英語では d となっている。「精読」にはもっとびっくりするようなことが書いてあって、deer (鹿)はTier (動物)から来ているというようなことが出ていた。英語の drink, dry はドイツ語の trinken, trocken であると言われればなるほどと思う。

trocken はもちろん「乾いた」という意味だが、これはもちろんワイン等が「辛口」であることをも意味する。いま、ワインと書こうとして「ぶどう酒」と一旦入力したので、私も老人の一人だということがわかった。

いい加減の話だが、英語では動物は animal であり、このごろ流行のアニメの animation とか とも関係がありそうである。

専門用語では、ニュートリノという中性の粒子がある。これは質量があるが、とても小さいので「中性微子」という訳があるが、私はニュートリノという言い方を好んでいる。


コメントを投稿