物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

世の中の定年退職者は?

2019-06-19 17:16:55 | 日記

世の中の定年退職者はどのような暮らしをしているのであろう。これは経済的な意味で言っているのではない。

経済的な意味ではすでに平均的な退職者の生活についての答えが出ている。それは月25万円で生活をしていて、年金はおよそ20万円もらっており、月々5万円の生計の赤字を出すような生活それですらもつつましやかな生活であろう。

私の従弟に毎年どこかへ何回も外国旅行をしているような者もいるにはいるが、それは従兄弟が20人くらい、いる中でも極めて少数である。普通の人は数年に1回でも海外旅行ができるほど金持ちではない。

しかし、話はそういうことではなくて、日々の生活として何をしているのだろうということだ。いや、別に人の話を聞かずとも、自分のことではわかるではないかと言われるかと思うが、私自身はたぶん普通の人とはかなり違った生活をしていると思う。

第一、定年退職後に、外国旅行などしたことはない。そんな経済的な余裕はない。武谷三男の研究をしているので、彼の書いた本などはかなり古本で買い込んだが、それはぜいたくとは違う。最近では先立つものがないので、それもできなくなっている。

退職後、14年であるが、その後の活動は2009年12月から、「数学・物理通信」というメールで無料配布のサーキュラーの編集と発行に努力をしている(注1)。しかし、これはまったくの経済的な収入にはならない。むしろ時間と労力が大きく取られる。もっともそういうことで不満をもつようなら、そんなことをやらなければよい。だから、そのことを不満に思ったことはない。むしろ生き甲斐かもしれない。

どこかのヘルスセンターにでかけて、体のリハビリに励んでいるわけでもない。アルコール類が好きだというわけでもない。

数学書ではないが、数学がかった本を定年後に2冊出版したが、そのうちの1冊は100冊売れたか売れないかという悲惨なものである。それも、この本は以前に1冊出したことのある本の一部を抜粋した本であったのに。

もっともこの本に古本で1万円以上の値段をつけている人もいる。私に連絡してくれたら、定価は1200円だのに。そうやって直接メールで私に連絡をしてくれた奇特な方もおられた(注2)。

ということで私自身には自分が変わっているという意識はないが、変わった生活を送っているかもしれない。退職後は、土曜日も仕事をするようになった。さすがに、日曜日は休むことにしている。

(注1)「数学・物理通信」は通巻で87号をいままでに発行している。インターネットで『数学・物理通信』で検索すれば、名古屋大学の谷村先生のサイトにバックナンバーがすべてそろっている。

(注2) 小著の書名をあげれば、『物理数学散歩』(国土社)である。いまアマゾンの古本で4万円とか5万円をこえる値段がついていた。こんな値段では誰も買えまい。少なくとも私は買わない。どうしてこんな馬鹿げた高価な値段がついたのだろう。不思議でならない。

定価は1200円である。私のところには200冊以上在庫がある。価値があると認めて下さる人がおられるというのは悪い気持がしないけれども。

(2019.10.29付記)  これは自慢ではなく嘆きだが、旧著『数学散歩』(国土社)は多くの人(7,8人くらい)がインターネットで私にはもちろん無断で、pdfの文書として無料で配布している。もっともこの本にはミスプリントが結構多いので、それを直した方がいいのだが。

出版社の国土社に一度手紙を送って、私の著作権侵害からの防護措置を取ってくれと言ったのだが、なしのつぶてである。私にも弁護士には数人の知人がいるが、相談にまで行く気にはまだなっていない。

この本など、だれも相手にしないと思っていたのに、アンダーグランドではそういう動きである。不思議なものだ。

最近では私の本のgoogle bookの日本語の内容紹介を、ロシア語とかスウェーデン語とかでもされているらしい。しかし、実際にロシア語かどうかもわからない。

よくわからないので、google翻訳をしようとしたら、この言語はお宅の国ではサービスしていませんとのメッセージが出た。

(2020.6.20 付記) このブログを書いてから、一年が経った。ここに書いた私の生活の実態はほとんど変わっていない。

「数学・物理通信」を3の倍数月に発行してメールで送る。「数学・物理通信」は数学とか物理の内容なので関心を持ってくれる人は少ない。

ほぼ自己満足である。しかし、「自己満足でもあればいい」というのが私が池田峰夫先生(京都大学元教授)から受けた教えである。

(2024.3.3付記)
もっとも私は池田峰夫先生の狭い意味の(研究室の出身といった意味の)門下生ではない。広い意味では門下生といってもいいかもしれないが。

(2024.4.3付記)
「数学・物理通信」であるが、今日現在では14巻1号まで発行した。詳しく通巻の号数を数えたことはないが、通巻120号を越えたらしい。

メール配布ではかなり限定された方々にしか送ってないが、それでも送り先は100人は越えたようだ。昨年の13巻はまだ名古屋大学の谷村先生が彼のサイトに掲載をしてくれてないかもしれないが、それでも12巻まではばっちりと彼のサイトにすべてのバックナンバーが掲載されている。

関心のある方は一度「数学・物理通信」で検索してみてほしい。意外と初等的な数学に関した収穫があるかもしれない。そのほかの収穫ももちろんあるだろうか。

 

 

 


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