物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

外延量と内包量の訂正

2008-05-08 11:21:31 | 数学

外延量が示量変数に、内包量が示強変数に対応すると先日書いたが、ウイキペディアによるとこの対応は正しくはないという。

熱力学では質量や体積に比例する量を示量変数に、質量や体積に関係しない量を示強変数にしているという。ただ,紛らわしいのは英語では外延量と示量変数をextensive quantity、内包量と示強変数をintensive quantityと同じ言葉で表されているということである。

この示量変数、示強変数の定義だと外延量と内包量の方が定義が広いので、外延量は示量変数の概念を含んだもっと広い概念だし、内包量も示強変数をある特殊な場合として含むもっと広い概念だということになる。

ウイキペディアでは外延量と内包量とは日本だけで使われる独特の用語だとのことであるが、それは日本の数学教育協議会のとり扱う教育内容が世界を遥かに越えた高い水準にあるということでもある。

一般に日本では日本で考え出された思想とかアイディアを無視したり、軽視したりする傾向が強いが、これは間違っている。やはり独創的なものはいいと素直に認めてその普及に努力すべきであろう。優れた発見とかアイディアとかは外国,特にアメリカとか西欧のみから生じるという劣等感というか考えは払拭すべきであろう。

そういえば、この量の理論とか水道方式を広めるための英訳本が出たという話を聞いたか読んだような気がする。もちろん、数学教育協議会が出している簡単な各国語訳のパンフレットのことではない。もっときちんとした大部の英訳本がいつか出版されたと「数学教室」で読んだような気がするが、もしそうだとしたら、その反響はどうだったのだろうか。