河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

チポロ

2023-09-30 21:49:11 | 読書(小説)
菅野雪虫、講談社。
「天山の巫女ソニン」シリーズの人。
これはアイヌ世界が舞台だ。
神様に見捨てられようとしている人間界。
創世神オキクルミとその妹神。
人間か好きだった妹は、一人人間界に残った。
主人公のチポロは、祖母と二人暮らし、
貧しくて、小さく弱い9歳の少年。
ある日、ツルの神が少年の矢に打たれて落ちる。
貧しくても正しく魂送りをする二人。
それからチポロの運が変わってきた。
また地上にいる神シカマ・カムイと五人の従者に出会い、
警告を聞くも、幼馴染のイルシュが魔物に拐われてしまう。
3年経って、チポロは魔女の噂を聞き、北の港町へ旅立つ。
旅のお供のミソサザイの神がいい。
(でもこれって空色勾玉の鳥彦か?)
そして迎える魔物との戦い。

お話は破綻なくよくまとまっていて、
主人公の成長に無理も嫌味もなく
むしろ教訓めいていて、質のいい児童文学だなあと思う。
全くのハッピーエンドだし、いい話だったな。
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けものよろず診療お助け録

2023-09-29 22:36:20 | 読書(小説)
澤見彰、ポプラ文庫。
いっとき、動物ものの書き下ろし小説(文庫)を
立て続けに買ってみたシリーズ。
積読状態を通勤読書。
同心の娘、亥乃が出会った薩摩藩士比野勘八。
気弱で人と話すのは苦手だが、動物のこととなると
目つきが変わる、獣医者。
二人が関わる動物事件簿といったところ。
祖父である勘六という人物は本当にいたらしい。
勘八が仕える島津重豪も。
しかし、同心の娘なのに町娘とかいう描写があって、
岡っ引きかなんかと間違えてないか。
あと、最後の章で、重豪の側用人の堀田氏の意味深な
態度が出てきたけど、続けるつもりだったのかねえ。
亥乃はその名の通り猪突猛進で可愛らしいけど、
勘八とのラブコメみたいな描写がとてもうるさかったな。。。
まあうまくまとまった話ではあったが。
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太平洋食堂

2023-09-26 21:38:08 | 読書(小説)
柳広司、小学館文庫。
熊野市に住んでたとき、お隣の新宮市にはよく行った。
(熊野も新宮も、広域の熊野だけど、一部の新宮市民としては
 熊野市を三重県が名乗るのがちゃんちゃらおかしいらしい)
新宮市は、和歌山市とは真逆の方向にあるのに、
運転免許センターがあったり(普通は県庁所在地一ヶ所でしょ)
それなりの都会で、不思議だなあと思っていて、
明治時代に、新宮では思想犯で四人が処刑されたという話も
聞き齧っていて、陸からは遠いけど、海からは近いから、
なんか都会なんだなあと思っていた。

大石誠之助。
医師であり、目の前の苦しんでいる人を助けたい、という心根から、
金のない人からは無償で、金持ちからはそれなりに徴収し、
料理好きから表題の食堂を開くが、実質子ども食堂的になってしまう。
社会主義者に協力していく中で、国から監視されるようになり。
紀州の訛りが懐かしい。
主人公のキャラも面白くて、ただただ目の前の人を助けていただけなのに。
最後の最後、捕まってからはとてもあっさり出来事だけが伝えられる。
そこまできて、知識として知ってた処刑された人ってこの人たちだったんだ。
って気づいたんですが。
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謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア

2023-09-21 22:58:00 | 読書(その他)
高野秀行、集英社文庫。
2017年、6年前に、よまにゃブックカバー目当てに
購入したらしいんだね。
分厚いノンフィクション。
そして積読状態。
しかし、通勤読書で読破。
思いの外、面白かった。。。
世界地図のアフリカの右の方、
アラビア半島に向けてツノのように出っ張った部分は、
昔から、「ソマリア」と斜体で書かれてたのは知ってた。
そこに、国連には認められてない独立国家「ソマリランド」
が存在して、長老たちの話し合いで平和を実現しているという。
それを確かめるべく、著者は旅立つのだが。
内戦状態を説明するのに、平氏だの源氏だの、
日本の氏族を交えて説明されるのが結構わかりやすい。
むしろもう、平氏とか抜きだと分からないかも。
著者が、覚醒草のカートをむしゃむしゃ食べながら
現地の人から聞き出したあれこれが詰まっていて、
かなり面白かった。
外国を旅する時の言葉や文化の違いに苦労する部分が
かなりのリアリティがあって、旅に出たいなあと思わせる。
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冥天レストラン1

2023-09-21 22:45:37 | 読書(マンガ)
サンデーうぇぶりで読んでるんだが、、、
骨ミちゃんがかわいいのと、
最後の晩餐を食べにきたお化けたちとの
ハートウォーミングな物語がいい。
お化けかわいいけど、生き様は結構ヘヴィなんだよな。
主人公はやなやつフラグ満載なのに、結構いいやつ。
薔薇園蛾太郎って名前はどうよ。。。
不意の事故であの世にやってきた蛾太郎は
自分の死を認めず人の形を保っており、
走馬灯を読み取って最後の晩餐を食べさせ成仏させる
あの世のレストランで働くことになる。
なんかいくつかの伏線解決したら
綺麗に完結しそうだから楽しみ。
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