歌手・山本潤子さんのオフィシャルブログを読んで

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令和4年の歌会始によせて

2022-01-19 10:27:02 | 日記
潤子さん、こんにちわ 寒中お見舞い申し上げます。お元気でお過ごしでしょうか。
昨日新春恒例の「歌会始の儀」がテレビ中継されていて、”窓開くれば金木犀の風が入り
甘き香りに心がはづむ”
という秋篠宮家の次女佳子様の歌が朗詠されているところでした。
今年のお題は「窓」。深窓の令嬢というか、さすがですね。秘めたる恋歌なのかもしれません。
 

ぼくの年代で「窓」が出てくる恋歌といえば、藤浦洸作詞 服部良一作曲 淡谷のり子創唱の
別れのブルース】で、叙景から叙情へグラデーションが秀逸。
    窓を開ければ 港が見える
    メリケン波止場の 灯が見える
    夜風潮風恋風乗せて
    今日の出船は何処へ行く
      むせぶ心よ はかない恋よ
      踊るブルースの 切なさよ

13,830首の応募作から選ばれた10人の入選者の中でぼくが共感したのは青森県にお住まいの
高橋圭子さんの ”斜陽館に少しゆがんだ窓ガラス津島修治も見てゐたはずの” でした。
「斜陽館」とは太宰治(津島修治)の生家が太宰治記念館になっていて、その別称なのです。
高橋圭子さん(60)は太宰治の熱烈ファンなのでしょうか。少なくとも津軽人として内なる
誇りをもっていらっしゃる。ぼくの体験から彼女の歌を本歌取りすれば
”歴史館に少しゆがんだガラス窓山本潤子も見てゐたはずの” になります。

「歴史館」とは2013/08/24の貴ブログ【音楽のある東北】で次のようにご案内のあった歴史資料館。
登米尋常小学校でのライブは無事に終了出来ました。 国の重要文化財になった古い小学校は
歴史資料館として現在は運営されています。 二年前の震災では建物が傾いたり、歴史的に価値
のある窓硝子の殆どが割れてしまったり、壁がはがれたりしてしたそうですが、土台がしっかりと
作られているので倒壊は免れました・・・と校舎を案内してくださった館長さんが話されていました。
今校舎は修復真っ最中です。 お越しくださった皆さんとお世話になったスタッフの方々に感謝です!


その5年後の秋、現地に立ったぼくは3枚の写真を添えて以下のようにご報告をしているのです。
1888年(明治28年)に創建された登米尋常小学校に10時に到着。今回は中を見学できました。
二階の校長室から現在の登米小学校が見えるのですね。震災で割れたガラス窓も修復され
ていて、ガラス越しに白い校舎が歪んで見えますが、この部分は割れなかったのでしょうか。
そうであれば震災の証しを窓にとどめていることになり、震災から7年をむかえようとしている
今、校長室前のバルコニーから中庭を眺めると、5年前の野外コンサートが目にうかびます。

  

高橋圭子さんはゆがんだガラス窓を通して太宰治の性質の歪みを見たのでしょうか。ぼくは校長室の
9枚のガラス窓に過去を象徴するような陽炎のゆらぎを、3枚のガラス窓を通して現在の姿を見て
いるのでしょうか。窓ガラスの歪みを共感できてよかった。来年のお題は「友」。

今日の一曲はお題「窓」にちなみ山上路夫作詞 村井邦彦作曲 赤い鳥創唱の【窓に明かりがともる時
をブログに添えます。
追伸:淡谷のり子さんも津軽人でしたね。

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