ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝爽やか〟

2017年10月16日 | 俳句

 今日も1日。やはり秋は青空がいいですけどね。さらに夕べは寒くって、「炬燵がほしい…」などと旦那も言い出す始末。ホントに着る服に迷ってしまいます。このまま冬に突っ込むんでしょうか?

 先日の土曜日はダブル句会の日。兼題は、秋の代表的な季語の一つ、「爽やか」でした。

 「すがすがしく快いさま。さっぱりとして気分のはればれしいさま。はっきりとしているさま。」という語意から、秋の大気の特色を表す季語として用いられます。この「爽」の字を漢和辞典で調べると、「会意。『大(人の姿)+両むねに×印』で、両がわにわかれた乳房または入れ墨を示す。二つにわかれる意を含む」とありましたが、あの××は入れ墨だったとはビックリです。「爽徳」や「爽約」という熟語の意味は「徳にそむいた行い」、「約束にそむいて実行しないこと」とあり、「爽」はそむくという意味も持っているんですね。さわやかなというイメージしか持っていませんでしたので意外でした。

   爽やかに生き冷まじく死なばよし    上田五千石

 句集『琥珀』(1992年刊)より。五千石という彼の名前はすぐに覚えて、何かある度に本などで目にしていましたが、どのような句を詠むのかということは殆ど知りませんでした。しかし、彼の死が報じられた時、エエッ!どうして…と思ったのを良く覚えています。解離性動脈瘤による急逝だと知ると、何だかこの句で予言していたかのような…

 昭和8年(1933)~平成9年(1997)、63才で死去。東京都出身、本名明男。幼い頃から父や兄に俳句を教わり、21才で「氷海」に入会し、秋元不死男に師事。「俳句は『いま』『ここ』『われ』の詩であり、時空の一期一会の交わりの一点において一句が成る」という「眼前直覚」論は、私もなるほどと共鳴しましたし、その俳句を少し読んでみても納得しました。さらに情と俳諧性を特色とした決断力のある句が多いと。そう言えば、昭和43年(1968)俳人協会賞受賞の句集『田園』に、〈萬緑や死は一弾を以て足る〉という句もありましたね。

 さて、句会ではまた新しいことを学びました。〈予報円それて青空爽やかに〉の句です。

 「予報円ってなに?」と聞くと、「台風の予報で…」と。するとあちらこちらで、「ウン、そうそうテレビで言ってるよねえ~」と。広辞苑で調べると、「台風の中心が一定時間後に到達すると予想される範囲を円で表したもの」とありました。ちなみにこれは第六版ですが、家にある第五版をみると載っていませんでした。もちろん内容はよく知っていましたが、あの台風情報のときの地図上の円を〝予報円〟ということを始めて知りました。エエッ!知らないのは私だけ…(笑)

 この俳句は、先日の台風19号を詠んだもので、私もブログに書きました。嘘みたいに静かで…通り過ぎたと。しかし、俳句的にはせっかくの季語「爽やかに」が生かされていませんね。上五中七で十分分りますので、季語を変えて、〈予報円逸れどこまでも秋の空〉としました。「それて」なら平仮名でもいいですが、添削句では間違いやすいので漢字に。

 先日庭を覗いていた黒猫です。野良だと思うのですが…これに我家のテンちゃんはやられたのかしら?カワイイ顔しているんですけどね。すぐに逃げていきました。

 

 

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