橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #434≪電柱でござる≫2023.6.11

2023年06月11日 | EHAGAKI
 
人それぞれ
 
こんな当たり前のコトを否定する様な動き
組織が大きくなればなるほど
その傾向は増し、国となると真向否定
 
そんな今日この頃に、心を痛めております
 
私は電線のある景色を愛しているし
電線のない景色を憎んでもいない
 
これは
「電線の恋人」 石山蓮華(著) 平凡社 (2022/12/23)
の一節です
 
無電柱化推進の為に「電柱=醜い」という論法で
繰り広げられるキャンペーン
「無電柱は素晴らしい」と真正面から訴えればいいものを
何かを否定する、その了見が狭さが野暮の極み、と愚考する次第です
 
今回のお題は「電線の恋人」から一部抜粋であります
 
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
 
 
電線の地中化・無電柱化にはメリットもデメリットもある
 
無電柱化を進める人たちがこぞって口にする
「電線のある景観は美しくない」
という言葉には素直に頷くことができない
 
 
小池百合子氏のツイート
「無電柱化を進めるための、 フォトコンテストのお知らせ。
どんどん綺麗な景色、醜い景色を写真で送って下さい。」は議論の的になった
 
栄えある「醜い景色」として選ばれたのは
富士山の手前に電線が架かった写真と
桜並木に並んで電柱が立ち並ぶ 風景の2枚だ
 
富士山と電線といえば、
無電柱化推進キャンペーンのために作られた啓発ビジュアル か話題になった
葛飾北斎の《冨嶽三十六景》シリーズの一つ《凱風快晴》に
電柱や電線のシルエットを重ねたビジュアルは
キャンペーンの意図に反して、電線の姿に美しさがあることを多くの人に発見させた
同時に美しさは決して一つだけではないことも証明した
 
啓発ビジュアルが話題になったのは単に見た目がかっこよかったからではない
醜いものとして提示されたビジュアルがなぜ美しく見えるのか
 
 
そもそも
「美しい景観を作るために「醜い景観」を集める」
というやり方にねじれがあったからだ
 
電線は醜いものだ、とまず断定
それを知らせることが振り付けのようになっている手法
 
せっかくなら
電線のない風景の良さをもっと前のめりに語ってくれたらいいのに
 
私は電線のある景色を愛しているし
電線のない景色を憎んでもいない
 
電線愛好家は電線を見るたびに心が上向くけれど
電線のある景色を嫌いな人は、上を見るたびにため息をついているのだろうか
 
普段目にするものに対して、嫌いだ嫌いだと思い続けるのもなかなかハードだろう
気苦労が絶えない社会で生きるのは、なかなかにしんどい
 
好き嫌いの話はわかり合えないのかもしれないけれど
 
健気に働き続ける電線が責められ
後ろ指を差されたまま地中に埋まっていくのを見るのは
電線愛好家として、恋人として、苦い気分だ
 
 
 
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
 
ということでした
 
ではまた
 
電線の恋人
石山蓮華(著) 平凡社 (2022/12/23)

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