橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #350≪常識のアップデートを止めてはならない≫

2018年03月05日 | EHAGAKI

さて、西野亮廣著「革命のフィナーレ」を読みました  芸人さんの本は、落語関係以外では読んだことがありませんでしたが、ある方から勧められ読んでみました

ビジネス書として、なかなか刺激的な内容の本でありました

たとえばクラウドファンディングで支援者数を増やす為として ↓

◆ ◆ ◆ ◆

クラウドファンディングのプロジェクトオーナーがやりがちなリターン設定はこんな感じ。
①『【3000円】 =商品A』
②『【6000円】 =商品A+商品B』
③『【1万円】商品A+商品B+商品C』
このうち、商品AとBとCの3つが欲しいお客さんは、③を選ぶ。 すると現在の支援額『1万円』、現在の支援者数『1人』と出る。これが非常にもったいない。
この場合、プロジェクトの成功率(閲覧数)を上げるリターンの組み方はこうだ。

①『【3000円】目商品A 』
②『【3000円】 =商品B』
③『【4000円】商品C』
このうち、商品AとBとCの3つが欲しいお客さんは、①と②と③を選ぶ。すると、サイトのトップには現在の支援額『1万円 』 、現在の支援者数『3人』と出る。実質は1人だが、3つ買われると『3人』とカウントされるわけだ。
こうして、組み方次第で、サイトに表示される支援者数を増やすことができサイトに表示される支援者数を増やせば、その分、企画を見てもらう機会が増えるわけで、実際の支援者数も増える。

◆ ◆ ◆ ◆

なるほど納得の手法であります
目次ほこんな感じです ↓

◆ ◆ ◆ ◆

目次
はじめに
◆他人と競った時点で負け。自分だけの競技を創れ。
◆キミの才能を殺したくなければ、お金の正体を正確に捉えろ。
◆お金を稼ぐな。信用を稼げ。「信用持ち」は現代の錬金術師だ。
◆意思決定の舵は「脳」ではなく、環境」が握っている。
◆入り口でお金を取るな。マネタイズのタイミングを後ろにズラして、可能性を増やせ。
◆作品の販売を他人に委ねるな。それは作品の「育児放棄」だ。
◆インターネットが破壊したものを正確に捉え、売り方を考えろ。
◆2017年1月。お金の奴隷解放宣言。
◆無料公開を批判する人間に未来はない。
◆過去の常識にしがみつくな。その船は、もう沈む。逃げろ。
◆ネタバレを恐れるな。人は「確認作業」でしか動かない。
◆作品の無料化が進み、エンタメ業界は完全な実力社会になる。
◆その作品を守る為に、「著作権」は本当に必要か?
◆本を売りたければ、自分で1万冊買え。そこで必要なのは「財力」ではない。「努力」 だ。
◆「セカンドクリエイター」を味方につけろ。
◆信用時代の宣伝は、口コミが最強。口コミをデザインしろ。
◆自分の作品と、社会を一体化させろ。
◆努力量が足りていない努力は努力ではない。誤った努力もまた努力ではない。
◆ニュースを出すな。ニュースになれ。自分の時間を使うな。他人の時間を使え。
◆お客さんは、お金を持っていないわけではなく、お金を出す「キッカケ」がないだけだ。
◆インターネットは「上下関係」を破壊し、「水平関係」を作る。
◆ 《後悔の可能性》を片っ端から潰せ。
◆老いていくことは「衰え」ではない。「成長」だ。
◆次の時代を獲るのは「信用持ち」だ。
◆本ではなく店主の信用を売る古本屋、「しるし書店」
◆売れない作品は存在しない。キミの作品が売れないのは,キミがr売っていない」だけ
◆出版のハードルを下げ、国民全員を作家にする出版サービス、『おとぎ出版』。
◆踏み出す勇気は要らない。必要なのは「情報」だ。
おわりに

◆ ◆ ◆ ◆

目次を眺めていて思い出した本があります
「グレイトフル・デッドに学ぶ」であります
※最後に再び「革命のファンファーレ」の引用があります

 

以下、2011.12.16に書いた駄文です ↓

レコード時代 情報も少なくジャケットを見て慎重に買う 友人からレコードを借りテープに録音する 今の様に数秒でコピーが出来る訳もなく演奏時間中ずっと付きっきりで スイッチのタイミングをとる

コンサートへ行っても内緒で録音したり そのテープをまた借りて仲間うちで聞いていたり(ずいぶんゆるい時代でした)
そんな学生時代を過ごしていた方も多いのではないかと思います  私の場合 先輩から「これを聞け!これがすべてや!」と言ってあるレコードを貸して貰いました


“Old and in the way”というそのブルーグラスのライブアルバムは 今でも特別な存在であります その中心人物が「ジェリー・ガルシア」で グレイトフル・デッドというロックバンドのリーダーであります
今回のお題は本の紹介であります

「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」
著:デイヴィッド・ミーアマン・スコット、ブライアン・ハリガン
翻訳:渡辺由佳里 監修・解説:糸井重里
日経BP社

帯)
「これでよかったのだ。」糸井重里
ビートルズよりストーンズより儲けてしまったバンドの秘密それはフリーでシェアでラブ&ピースな21世紀のビジネスモデル

カバーの裏)
ライブ録音OK!音楽は無料で聞き放題。それなのに年間5000万ドルも稼ぐ。
40年前からフリーもシェアも実践するヒッピーバンド、それがグレイトフル・デッド。

■ ■

ほぼ日刊イトイ新聞の紹介ページ↓)
http://www.1101.com/unusual2/2011-1...

1960年代に結成されたロックバンド、グレイトフル・デッド。彼らの全米コンサートは、さながら「移動する街」のよう。バンドとともに、大勢のファンと、多くの店、商人が移動する。そして、コンサートの音楽は録音し放題。海賊版、出放題。大きなヒット曲はないが、彼らは独自の「市場」をつくった。そんなグレイトフル・デッドを経営の視点から分析するなんともユニークで現代的なビジネス書が、待望の日本発売。翻訳は著作『ゆるく、自由に、そして有意義に』でツイッターのたのしさをいち早く紹介した渡辺由佳里さん。
(渡辺さんはデイヴィッドの奥さんでもあります)
そして装丁は「そぶちゃん」こと、奇才・祖父江慎。いろんな意味で、いま、手にとるべき一冊。

■ ■ ■

彼らはそれをやっていた。
この本のタイトルは変なものです。
グレイトフル・デッド(なんか)に(あのややこしい)マーケティングを学ぶ?
本のまえがきでの糸井重里氏のキックオフの文章です

■ ■ ■ ■

ということで 今回は目次の一部を列記してみました

チャプターごとに LESSON(以下「L」)、CASE(以下「C」)ACTION(以下「A」)と分かれて構成されています
Lではグレイトフル・デッドで実際行っていること
Cでは 事例紹介
そしてAで行動する上でのポイントが書かれています

PART ONE : THE BAND
1.
L 他人とは違うビジネスモデルをあみ出す
C ル・ラ・ラはオンラインで高級ブランドを買う場を作り上げた
A 自分が戦いやすい土俵をつくる

2.
L 印象的で忘れられない名前を選ぼう
※「大好き」「大嫌い」「意味が分からない」どう思われるかにせよ
グレイトフル・デッドは人が覚える名前だ。

C ハブスポットとディヴィッド・ミーアマン・スコット
A 記憶にのくる印象的な名前をみつけよう
※検索すべし 実際の単語のスペルを少し換える 等
3.
L 異なる才能がある人を集めよう
C デジタルの女王ジュリア・ロイがCOACHで活躍
A 会社のマーケティング部門を見直そう

※多様性のあるマーケティングのチームが求められる
どんな人がいいか?

ブルーグラスでの経験がグレイトフル・デッドのユニークなサウンド作りに貢献したように = ソーシャルメディアをつかいこなしている人がいい

グレイトフル・デッドにおけるジャズのような役割 = 財務に非常に詳しい分析家も必要だ


グレイトフル・デッドにおけるブルースの役割 = ブログやソーシャルメディアで何千人にも発信出来る人なのである = 市場に幅広いコネクションを持つ人がいるのが理想だ

グレイトフル・デットにおけるリズム&ブルース = 最後にそしてそれらのコンテンツをたやすく制作できる人がよい

4.
L 自分の真の姿を隠そうとするな
※ファンは“偽りのない本物らしさ”に親しみを覚えた
ライブは計算されたものではなく台本なし、だからメンバーはよく失敗した ファンはそれも含めて楽しんだ

C セールスフォース・ドットコムの失敗と成功
※創業初期に何度か機能停止するアクシデントに見舞われ、新たなサイトでシステム状況を24時間表示した
「セキュリティは信頼から始まります。そして信頼は透明性から始まります」このサイトを作ることで信頼を得ることができた
http://tech.ascii.jp/elem/000/000/6...

A 社員に自由を与えよう
※社員にソーシャルメヂアをすすめよう
親は子供に 自分らしく正直であるように説き 間違いをおかしたら謝り信頼を取り戻すよう教えるものである これは最先端のマーケティングにも通用する

5.
L 常に新しい実験をしよう
※ジェリー・ガルシア「毎晩真珠を獲りに潜るのだが、時にはアサリを獲ってきてしまうこともあった」
C ドロップボックス「素早く学び、何度も学ぶ」
A マーケティング部門で実験をしてみる
6.
L 最新の技術を積極的に取り入れよう
C アメリカ国防総省も取り入れている新しいメディア技術
A 会社のソーシャルメディア用ガイドラインを作ろう

7.
L これまでにないカテゴリーを作ってしまえ
C 新しい投資家のカテゴリーを作りあげたYコンビネーター
A 業界の境界線を書き換えよう

PART TWO : THE FANS

8.
L 他人と異なる自分でいたい人を狙え
C ファットでハッピーなニュー・ベルジャン醸造会社
A 変わり者を育てよう

9.
L 親密な絆を作る冒険の旅に招待しよう
C バートン・スノーボードの冒険の旅
A マーケティングのメッセージをコントロールしようとするな
※一方的なメッセージではなくリンクしシェアする

10.
L 忠実なファンを大切にしよう
※熱心で忠実なファンを最優先する
C バラク・オバマとファンを最優先すること
A 最も忠実なファンに絞った企画をしよう

11.
L ファンと直接つながろう
C ハブスポットはウェブサイト・グレーダーで「リーチ」を拡大した
A リーチを増やそう

PART THREE : THE BUSINESS

12.
L お客さんに直接販売しよう
C グーグルは広告代理店の必要性をなくした
A お客さんと直接つながろう

13.
L コンテンツを無料にすることで「リーチ」を増やそう
※よく心配するのは無料でアイデアを提供したらサービスを購入してくれる動機がなくなってしまうということだ だが事実はその正反対だ
C MySQLはデベロッパーにソースコードを無料で提供している
A 得ようと思ったらまず与えなければならない
※コンテンツの内容が素晴らしいものであれば 製品やサービスの説明ページよりもはるかに多くの人が訪問してくれるはずだ

14.
L 口コミが広まる工夫をしよう
C なぜマッシャブルのコンテンツは広まるのか
A あなたのコンテンツを広めやすくしよう

15.
L 無償版を高品質の有料版へアップグレードしてもらおう
C 電子書籍リーダーのソフトを無料で与えて専用端末を売る
A 無料版を作成しよう

16.
L ブランドを厳密に管理しすぎないようにしよう
C グーグルはドゥードゥルで企業イメージを明るくした
A デザイナーたちに自由を与えよう

17.
L ライバルを味方にしてしまおう
C アマゾンの世界で最も人気があるアフィリエイトプログラム
A 自社の製品やアイディアをまねする者と提携してしまおう

18.
L 真心をこめて慈善事業を選ぼう
C ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ
A 自分のコミュニティに恩返しをしよう

19.
L 本当にやりたいことをしよう
C ビル・ゲイツは自分の人生の主導権を握っている
A 今 この瞬間を楽しもう

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

ということでした

目次だけですが 気になった方はぜひ本を読んで下さい  多くの気づきがあります

「仕事」と「遊び」を反対のモノと思いこんではイケナイということを教えてくれます
「自分の情熱を追えばきっと報われる。」という言葉を意識した次第です
EHAGAKI #243 ≪グレイトフル・デッドに学ぶ≫ 2011.12.16 から

◆ ◆ ◆ ◆

長くなってしまいましたが
最後に西野氏の刺激的な「革命のファンファーレ」の「はじめに」を引用します ↓

◆ ◆ ◆ ◆

革命のファンファーレは鳴った。
農業革命や産業革命よりも、大きな革命が僕らの時代を直撃した。情報革命だ。
インターネットにより、距離や時間の壁がなくなった。当然、距離や時間に結びついていたいくつかの仕事もなくなる。ロボット技術もグイグイ伸びてきている。

ものの売り方が変わり、働き方が変わり、お金の形が変わり、常識が変わり、道徳が変わっていく。超高速回転で。
残念なことに、僕らに教えてくれる存在であったハズの親や先生は、この革命を経験していない。「好きなことをして生きていけるほど、世の中は甘くない」と、あなたの親は言うだろう。
親世代の常識は「お金=ストレスの対価」だ。

ところが、ストレスがかかる仕事から順にロボット化され、ストレスがかかる仕事がなくなっていくではないか。自動改札機が生まれ、改札口から駅員が姿を消したような変化が、今アチコチで起こっている。
好きなことをして生きていけるほど、世の中は甘くないと言われても、
好きでもない仕事は消え、好きなことしか残らなくなってきている。

ここからは、「好きなことを仕事化するしか残されていない時代」だ。多くの親や先生は、この変化を捉えていない。彼らは、この大波の乗り越え方を知らない。

したがって、僕らは自分自身の手や足を使い、僕らの身の回りに起こっている変化を" 学び実践し、思い知り、対応していかなければならない。
この変化から目を背けた人間から脱落していく。既得権益を守りはじめた人間から終わりが始まる。 頑張れば報われる時代は終わり、変化しなければ生き残れない時代に、僕らは立ち会っている。
面白いじゃないか。

変化しなくても良かった世代の常識と、衝突することもあるだろう。あなたが革新的な動きを見せれば、それが革新的であればあるほど、摩擦は大きくなる。
旧態依然とした連中は、あなたの提案の本質を知ろうともせず「炎上商法」という言葉で片付けようとする。「炎上=悪」という印象操作をし、世間の批判ははあなたに集中する。
彼らの理解が追いついていない場合もあるが、批判のほとんどは「変化することに対する恐れ」だ。

ならば、そんな批判を甘んじて受けようじゃないか。 変化しなければ死んでしまう時代なのだから。

何が必要になり、何が不必要になったのか?どの職業がなくなり、何が職業となるのか?
1つずつ整理し、対応していこう。
常識のアップデートを止めてはならない。

◆ ◆ ◆ ◆
ということでした

近頃の、、、、
いえいえ、言うまい

まず、黙って聞きましょう

ではまた