橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #433《ひとくぎり》

2023年04月02日 | EHAGAKI
実家の片付けに入っております
昭和36年の家、大正5年の倉
ご興味のある方、お安くしておきますよ
高槻市です
 
そこで
面白いものを発見しました
 
実家の倉の中にある古い木箱
盃 55個
お銚子 7本
本膳用小皿17枚
焼物皿15枚
※同じ様な箱が、20箱程あるのですがここでは割愛
 
こんなに沢山!
で、思い出しました
2000年11月13日に出した「LS HAGAKI Vol.33」で
このことを取り上げておりました
 
雑多で横道に逸れるこのEHAGAKI 、元々は1995年9月9日からスタート
メール以前「葉書」を出しておりました
1996年2月12日、葉書にパソコン通信NIFTY IDを記入
1996年7月25日には、メールアドレスを記入
 
2002年9月13日には、EHAGAKI#001が並行してスタート
経費節減でどんどんメールに移行
(字数制限がなくなり、どんどん雑多・長文に)
2007年1月10日「LS HAGAKI Vol.65」頃から葉書は終了
という経緯でありました
 
と、この様に横道にそれる訳ですが
閑話休題
 
この盃を使ったであろう写真と明細が繋がった訳であります
 
上棟式諸費用
大工祝儀
清藤棟梁(1人)3,000
仝 松尾(1人)2,000
仝 一般大工(10人)15,000
手傳祝儀(2人)3,000
ブリキ屋 大宅 1,500
左官 松村 1,500
瓦屋根葺及手元(2人)3,000
魚屋田中 2,000
折詰上(親類分12)12,360
折詰下(一般36)21,960
肴類色々 8,700
鶏(8羽) 4,400
酒、醤油、木炭、佐藤其他(𠮷川)15,565
砂糖七斤箱折詰代(3)1,800
牛肉、酢し鯖、のり、其他色々(鶴橋行)15,000
赤飯 2斗
おはぎ(自宅)1荷
野菜類及漬物(八百〇読取不可)1,300
計 112,085円
 
 
◆お知らせ
 
メール配信のEHAGAKIですが、一旦「ひとくぎり」と致します
 
最近のセキュリティー強化でメールが届かなかったり
配信システムの関係 等々
そんなこんなで、とりあえず「ひとくぎり」
 
とはいえ、色々と情報発信しておりますので
今後ともよろしくお願いします
 
このEHAGAKIのバックナンバーもほぼそろっているこのブログ
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ではまた
 
以下、LS HAGAKI Vol.33 2000年11月13日であります
昭和36年当時の分離発注の様子が垣間見れます
 
 
面白いものを発見しました
私の実家の新築工事を、祖父が克明に記録していました
 
それによると  
 
計画及設計:昭和35年9月
工費予算:金参百萬円
施  工:橋長弥一郎
大工棟梁:清藤好濤
旧家取潰:昭和36年2月15日
起  工:昭和36年2月14日
上  棟:昭和36年3月15日
竣  工:昭和36年10月20日
落成式 :昭和36年12月17日
 
工費:3,366,259円
追加: 974,995円
 
合計: 4,341,254円
 
支払先/摘要:金額
枚方木材/木材一式:1,455,722円
石井窯業所(瓦熊)瓦一式(葺手間共):259,748円
津田組/栗石、砂利、砂:39,100円
土方建材店/セメント、ブロック:29,400円
矢田商店/壁土:7,200円
関本建材店/タキロン波板:2,700円
小阪タイル/タイル工事一式:74,786円
清藤大工/賃金:346,000円(↓出務表あり)
清藤大工/釘、金物一式、プラスタイル其他:23,483円
清藤大工/手傳賃金:19,000円
清藤大工/建築許可申請書代:5,000円
奥村建具店/建具一式:629,000円
古川天下堂/ニス、ペイント塗装一式:46,700円
谷川金物店/トタン板、ラス網:2,300円
和田金物店/タキロン波板:3,600円
大宅ブリキ店/銅版、戸置け、トタン張り一式:92,225円
松村左官/左官賃金、材料一式:113,760円
加門製畳所/畳一式:53,350円
山口電気商會/電気工事一式:51,000円
津田工業所/水道工事一式:16,530円
吉川酒店/瓦斯工事及び器具:11,800円
丸公商店/土管、便器其他:6,385円
吉川洋家具店/応接セット其他:77,470円
小計:3,366,259円
 
玉田、千松/石工賃及び一ツ石代:4,200円
吉田幸次郎/壁下地竹:5,000円
高槻建材店/曲り土管其他:800円
浜田建材店/換気鋼:540円
松原石材店/手水鉢穴堀及び沓石削り:4,200円
扇屋家具店/応接セットカバー:8,500円
近所お礼/酒、砂糖:13,500円
上棟式費(↓写真及び明細あり):112,170円
落成式費:39,170円
造園植繁其他:722,000円
片山塗装店/ペンキ塗装一式:65,000円
小計:974,995円
 
合計:4,341,254円
※それぞれの支払い先別にすべての明細が記録されていました
かなりの量(全66ページ)がありましたが割愛させて頂きます
 
まぁ、当時でも請負契約による工事が
多くなっていたらしいですが
この様に施主がそれぞれの業者さんに直接発注する
というのが本来の建築の姿なのでしょうか
 
とてもこのハガキでは書ききれませんが
木材や瓦を始めとするほぼすべての明細や
大工さんや手伝いの人の出勤簿
御祝いの明細から、おやつに頂いた「おはぎ」の数まで
記入してありました(日本酒1本510円 等)
 
当時、私は2歳でほとんど覚えておりませんが
午前・午後、それぞれ1回の休憩や昼食時、大工さんに
お茶やお菓子・酒・ビール等を出していました
(その後に見た建築現場や植木屋さんとオーバーラップしていると思いますが)
 
杉や檜の樹の匂い
のんびりと仕事をしている様な大工さんの
鉋掛の時の真剣な表情
 
祖父もこの「自分の家を建てる」ということに
「楽しみ・喜び」を感じていたんだなぁ
 
ということを、このささいな発見で確信できました
 
家を建てたり買う人にはもっと
プロセスにおいて「楽しみ」が必要ではないか
 
売る立場の我々には
「買うことの楽しみ」を含めて買っていただく感覚
そしてそれを「美学」としてこだわることが必要ではないか
 
と、現在の商人・職人として感じている今日この頃です
(2000.11.13)
 
昭和36年(1961)撮影
令和5年(2023)撮影
 
 
建てる前の家? 納屋?
 
倉の中の箪笥、開けるのが怖い。
 

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