シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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日本より悪い?欧米の経済見通し

2011年07月15日 | 経済あーだこーだ
写真左は「同時進行する米国と欧州の債務危機。 大きな事故を起こすことなく乗り切れるか?」 右は断崖絶壁を登るヤギ (らばQ 10年2月17日)
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ここ数日 円高が進み、1ドル=80円 を切っている。 ユーロは 1€=110円 近辺になっている。 日本の経済と政治状況はかなり良くないと思うが、それ以上に悪いのが欧米の状況ということか?
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「格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ (S&P) は、米国のソブリン格付け (長期AAA、短期A―1+) を "クレジットウォッチ・ネガティブ" とした」(ロイター 15日)

「債務問題を巡る "空想" と "現実" の衝突」(7月14日 Martin Wolf/Financial Times/JBpress) _ ※追加1へ

「円上昇、一時 78円台半ば 4カ月ぶりの円高ドル安」(7月13日 シドニー/ニューヨーク共同) _ ※追加2へ

「同じ泥舟に乗って沈んでいく米国と欧州」(7月6日 Gideon Rachman/Financial Times/JBpress) _ ※追加3へ
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世界で最も信用がある米国債の格付けが下げられる方向に事態が動いている。 米国債のデフォルト (債務不履行) が起きれば、世界経済は大混乱に陥るだろう。 しかし、その可能性があるという__8月はじめまでに米与野党が "連邦債務の法定上限の引き上げ" に合意できなければ、だ。

「欧州でも、ギリシャへの追加支援について、1) ドイツなどの支援側はギリシャ国債を持つ金融機関も痛みを負うべきだ 2) 欧州中央銀行は、そうすればギリシャ国債はデフォルト扱いになる 3) 仏民間銀行が償還機関の長い国債に再投資する案を示す など様々な意見が出るが結論に至らず」(日経 15日)

要するに、欧米も借金の借り換えをどういう形で乗り切ろうかという議論だ。 日本は既に国債を大量発行、更に借り換えのためにも発行し続けており、その発行残高が GDP のざっと2倍にまで積み上がっているのだが、この状況よりも欧米の経済見通しが悪いということなのだろう。

将来 経済が活発になれば、税収が増えるだろうから、その時に借金を返す積りで政府は国債を発行し続けて、もう 20年も経つが、一向に経済状況が好転しないのが日本経済だ。

欧州はギリシャなどの南欧諸国が同じことをやってきたが、日本との大きな違いが ヒトコトでいえば 国債の買い手が国内か国外かということだけで、借金頼みの財政状況はどの国でも大差がない。

誰でも、現状の生活水準を維持しながら暮らしたいのが普通だろう … 借金をしてでも。 だが借金はいつかは返済しなくてはならない。 返すアテがないないから どうにでもしてくれ、といって開き直っているのが今のギリシャではないか?

そうなるとギリシャに貸し込んでいる欧州の銀行が困ることになる。 銀行が潰れると救済のためにまた政府が穴埋めしなくてはならず、またまた国民の借金が増える__この繰り返しだ。 ヤギもいつまで踏ん張れるか?

以上


※追加1_ ■ 米国とユーロ圏は恐ろしい過ちを犯そうとしている ■

ユーロ圏では、財政危機がイタリアの海岸に打ち寄せている。 片や米国では、連邦債務の上限が引き上げられなければ 来月初めにも資金が枯渇するとホワイトハウスが明言している。

公的セクターのデフォルト (債務不履行) が利益をもたらすと考えているヨーロッパ人は、そう考えている米国人よりもはるかに少ない。 しかし欧州の要人たちは、米国の共和党支持者たちと同様に、デフォルトよりも悪い結末があると考えている。

他国の支援に消極的なヨーロッパ人は、ユーロ圏は「所得移転同盟」になってはならないと考えており、頑固な共和党支持者は、増税は絶対にダメだと考えている。

両者はともに「Fiat justitia, et pereat mundus (正義はなされよ、たとえ世界が滅びようとも)」をモットーとしているのだ。

● 信用バブルの後遺症、デレバレッジングが成長の足かせに ●
我々が目の当たりにしている財政危機は、欧米の民間セクターと公的セクターがここ数十年 過大な借り入れを行ってきた結果にほかならない。

信用バブルの後遺症に関する報告書を昨年発表したマッキンゼー・グローバル・インスティテュート (MGI) がその改訂版*1 (Debt and Deleveraging) で指摘しているように、これは幾つかの国で進行しているデレバレッジング (負債圧縮) という、痛みを伴うプロセスの初期段階だ。

同報告書の2010年版は、「過去の歴史が参考になるなら、一部の主要国では今後何年も、特定のセクターで債務の削減が進められることになる。 そして、このプロセスは、国内総生産 (GDP) 伸び率の大きな足かせとなる」と記している。 事態はまさにその通りになりつつあり、殆どの国や地域で失望が広がっている。

民間セクターの債務と公的セクターの債務の間には密接なつながりがある。 ギリシャをはじめとする一部の国々では、金融緩和が公的セクターの借り入れ増大につながった。 またイタリアをはじめとする他の国々では、金融緩和のために政府の債務削減への取り組みがおろそかになった。

イタリアでは通貨同盟参加前の1997年、プライマリーバランス (国債利払い前の基礎的財政収支) が GDP (国内総生産) 比 6% の黒字だったが、05年にはこれが 0.6% の黒字に縮小していた。

さらに、民間セクターの信用ブームが突然終わったために、政府の歳入が急減する一方で歳出が急増するという国もあった。 米国、英国、スペイン、アイルランドがその代表例である。

財政赤字の急拡大は主に経済活動の急減速と歳入の減少の結果であり、銀行救済の結果ではない。 だが、財政の弱体化は銀行の足元をぐらつかせる。 銀行が国内の公債を大量に保有していること、その一方で財政支援も受けていることなどがその理由だ。

● 危機の原因は財政だけではない ●
民間セクターと公的セクターは互いに絡み合っている。 米共和党のタカ派とドイツやオランダのタカ派はともに、危機の原因はもっぱら財政にあると考えているが、それは間違いだ。 金融緩和が財政危機を招いたのだ。

衝撃的な証拠が米国にある。 08年度と12年度の予算教書において 10~12年度の財政収支がどのように予想されていたかを比較してみよう。 08年度の予算教書はジョージ・ブッシュ前大統領が金融危機の直前に議会に提出したもので、12年度のそれはバラク・オバマ大統領が金融危機のしばらく後に提出したものだ。

これによると、08年度には11年度の財政収支がわずか 540億ドル の赤字 (GDP 比 0.3%) にとどまると予想されていた。 ところが12年度の予算教書では、これが 1兆6450億ドル (同 10.9%) に上ると見込まれている。

この増加幅の 58% は予想外の歳入減によるもので、支出増大によるものは残る 42% にすぎない。 いずれの変化も大部分は金融危機がもたらしたものであり、小規模な財政出動 (GDP の約 6% 相当額) によるものではない。

連邦政府の財政状況を見ていて驚かされるのは、11年度の歳入が GDP の 14.4% 相当額にとどまると見込まれていることである。 これは戦後の平均値 (18% 弱) を大幅に下回る値だ。 また、個人所得税の税収に至っては同 6.3% にしかならないと予想されている。

米国人でない筆者には、一体何を騒いでいるのか理解できない。 何しろロナルド・レーガン大統領の任期の最終年に当たる1988年には、個人所得税の GDP 比が 18.2% あった。 財政赤字を縮小するのであれば、税収を大幅に増やさねばならないだろう。

● デフォルトを強く望む共和党の愚 ●
といっても、米国の財政赤字に取り組むことは緊急の課題ではない。 民間セクターがデレバレッジングを進める時期には、財政赤字は有用だ。

少数の冷静な人々が予測していたように、10年物米国債の利回りは 3% 近くにまで低下しており、米国政府は低利で資金を借りられるようになっている。 財政問題は長期的な課題であり、喫緊の課題ではないのだ。

連邦議会で既に決定された事業に必要な資金を政府が借り入れることを認めないという決断は、馬鹿げている。 財政の専門家であるブルース・バートレット氏が指摘しているように、連邦政府の追加借り入れに議会の承認が必要だという法律は違憲である可能性すらある。

しかし驚いたことに、債務上限の引き上げに反対している共和党員の多くは、連邦政府の歳出を抑えたいと思っているだけではなく、デフォルトすることを強く望んでいる。

彼らは、米国が合法的な契約によって借りた資金の返済を拒否したら 同国の経済と社会にどれほど深刻な衝撃がもたらされるかということに全く考えが及ばない人々か、そうした結果には全く無頓着な空想的革命主義者のどちらかだ。

● 単一通貨という空想的プロジェクトにとらわれた欧州 ●
欧州では幸いなことに、デフォルトが良いことだと思っている人はいない。 ただ欧州は、単一通貨という空想的なプロジェクトにとらわれてしまっている。

ティーパーティー運動の面々が、自分たちが無価値だと見なす人々のために税金を払うことを嫌うように、支払い能力のあるヨーロッパ人たちは、自分たちが無責任だと見なした人々に所得を移転したがらないのだ。

悲しいかな、以前からあちこちで予測されていたように、通貨同盟がなかったらシンプルな通貨危機になっていたと思われる現在の事態は、通貨同盟による制約に縛られて、大変な痛みを伴う財政金融複合危機へと変形した。

さらに悪いことに、ドイツの10年物国債との利回り格差は スペイン国債で 328ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)、イタリア国債で 296bp に拡大してしまっている。

経済成長率が低く 実質為替レートも過大評価されている国では、このような利回り格差は危険性を帯び始める。 この格差が、例えば 400bp に拡大して高止まりしたら、長期債務の実質金利は 5% になる。 そうすれば、こうした国々は管理可能な債務を抱えた良い均衡から、管理が不可能に近い債務を抱えた悪い均衡へとゆっくりシフトするだろう。

公的セクターの債務残高が世界で4番目に多いイタリアは恐らく、規模が大きすぎて救済できない。 従ってイタリア国民は、財政の信頼回復に必要な断固たる対策を自ら講じなければならない。 それには、大幅な財政支出削減と成長率引き上げ策の両方が必要だ。

果たしてこの2つを同時に実行できるのだろうか? かなり苦労することになる、というのがその答えになるだろう。

● とてつもない過ちや危機が起きかねない危険な時代 ●
今は危険な時代だ。 米国は、世界史上最大かつ最も不必要だといえそうな財政政策の過ちを犯す恐れがある。 片やユーロ圏は、重要な国々の支払い能力だけでなく通貨同盟も、最悪の場合には欧州統合のプロジェクトの大半をご破算にしてしまう財政金融複合危機に陥る恐れがある。

こんな時代に求められるのは、政策当局者の知恵と勇気だ。 米国では、右派の空想主義者たちが1930年代の大恐慌と第2次世界大戦をくぐり抜けた国をつぶそうとしている。 欧州の政策当局者は、住民が感じられずにいる連帯感をある程度必要とする空想的なプロジェクトの結果と格闘している。

こうした空想と現実の衝突は、果たしてどのような結末を迎えるのだろうか? 筆者が夏休みを終えて戻ってくる8月下旬ごろには、少なくともその答えの一端が見えているかもしれない。
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※追加2_ 13日の外国為替市場で円相場が上昇し、オセアニア市場で一時 1ドル=78円49銭をつけ、戦後最高値 (76円25銭) を記録した3月17日以来、約4カ月ぶりの円高ドル安水準となった。
 
米国時間12日に発表された米連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事録で、追加的な金融緩和策への言及があったことから、ドルの先安観が強まった。
 
米大手格付け会社がアイルランド国債を投機的水準に格下げしたことで欧州の信用不安が拡大し、ユーロ売り円買いが再び進んだ。
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※追加3_ ワシントンでは米国人が債務の上限を議論している。 ブリュッセルではヨーロッパ人が膨大な債務の深淵をのぞきこんでいる。

しかし、基本的な問題は同じだ。 米国も欧州連合 (EU) も、財政は制御不能で、政治体制はその問題を解決できないほど機能不全に陥っている。 米国と欧州は同じ泥舟に乗っているのだ。

● 米国と欧州の共通点 ●
米国でも EU でも、債務に関する議論があまりに内向きで緊迫しているため、両者を結び付けて考える人は驚くほど少ない。 しかし、これを欧米全体の1つの危機としている関係性は明確なはずだ。

まず、大西洋のどちら側でも、危機前の経済成長の大部分が、持続不能で危険な信用ブームに後押しされたものだったことは今や明白だ。 米国では、危機の中心に住宅の購入者がいた。 欧州では、ギリシャやイタリアといった国全体が低金利を利用し、持続不能な借り入れに走った。

そして、2008年の金融危機とその後遺症によって公的債務が急増し、財政が大打撃を受けた。 欧州でも米国でも、その一時的な衝撃を人口動態の圧力が増幅させている。 ベビーブーム世代が退職年齢に入り始めたことにより、予算の圧力が増大しているのだ。

最後の共通点として、大西洋の両側で、経済危機が政治の2極化を招き、債務問題の合理的な解決を見つけるのをさらに難しくしているということがある。 米国のティーパーティー運動にせよ、欧州のオランダ自由党、「真のフィンランド人」党にせよ、ポピュリスト的な運動が勢いを増している。

● 違いばかりが強調されてきた歴史 ●
欧州と米国は同じ危機の異なる側面が現れているだけだという発想がなかなか浸透しないのは、それぞれのエリートたちが長年にわたり、両者のモデルの違いを強調してきたためだ。

筆者は欧州で何度も会議に出席しているが、2つの陣営の議論となる会議はもう数え切れなくなった。 つまり、米国式の「柔軟な労働市場」を切望する陣営と、米国とは対照的な欧州の社会モデルを熱心に擁護する陣営の論争だ。

欧州内での政治論争も同様だ。 一方に、ブリュッセルはワシントンを見習い、真の連邦の首都になるべきだと主張する人々がおり、もう一方に欧州合衆国など不可能だと主張する人々がいる。

しかし両者とも同じことを確信していた。 それは、米国の学者ロバート・ケーガン氏が「火星と金星」と呼んだように、米国と欧州は経済的、政治的、戦略的に異なる惑星に属しているということだ。

米国の政治論争では、いまだに「欧州」の異質さが1つの参照点として利用される。 バラク・オバマ大統領に対する、「欧州流の社会主義」を輸入しようとしているという非難には、大統領を非米国的に見せようとする意図がある。 実際一部の左派は、物事のやり方が異なり、一部では米国よりうまくやる (国民皆保険制度など) 地域として欧州に関心を向けている。

それでも現在、両者が直面するジレンマの類似性は、その違いよりも顕著だ。 増え続ける債務、弱い経済、負担が増加するばかりで改革不能な社会保障制度、将来への不安、政治の行き詰まりといった共通項がある。

米国は社会保障やメディケアのコストを抑えようと苦闘している。 その様子は、年金や医療に関する支出を削減しようと努力している欧州の指導者たちにはお馴染みのものだ。

● ブリュッセル以上の機能不全に陥ったワシンン ●
欧州ではかつて多くの人が、米国は本物の連邦制度の下で運営されているため、米国の政治家の方が圧倒的に有利だと考えていた。 一部の人はいまだに、ユーロを長期的に安定させる唯一の方法は米国を手本にした「財政連邦主義」に移行することだと主張している。

しかし現在、ワシントンの政治はむしろブリュッセルよりも機能不全に陥っている。 債務や支出について真剣に議論することさえ(実際に問題を解決することはいうまでもなく) 不可能に思える現状では、米国の政治体制が欧州の手本になるという考えは馬鹿げて見える。

むろん、大西洋の両側で起きている議論には大きな違いもある。 ドルには信認されている長い歴史があるが、ユーロは誕生から十数年しか経っていない。 欧州のシステムが麻痺している最大の原因である政治的な相違は、国家間の相違だ。 ギリシャとドイツの激しい対立に相当するような問題は、米国の議論では生じない。

欧州では、急増する債務の解決策に増税を組み込むという発想は、論争の種にはならない。 米国では共和党が増税そのものに反対しており、これが政治論争の中心となっている。

米国人とヨーロッパ人は自身の問題と違いばかりに気をとられ、双子の危機の関係になかなか気づかないでいる。 しかし、世界のほかの地域のアナリストたちは、両者に共通する傾向をはるかに容易に特定できるだろう。

● グローバル化が後退すれば、中国も危機に ●
中国の政府指導者や有識者の間では、欧米の政治経済問題の深刻さを考えれば、欧米はことごとく「中国に訓戒を垂れ」ようとする姿勢を改めるべきだという意見が常識になっている。

欧米を批判する中国の人々の目には、その距離のおかげで、欧米が直面するジレンマが非情なほどくっきり見えているのだ。

しかし、こうした中国人の自負と自信は、中国やインドなどの台頭がどれほど豊かで自信に満ちた欧米に依存してきたかについて、彼ら自身の目を曇らせる危険性がある。

欧米の病が深刻になれば、もっと急進的な新しい治療法を試したくなるかもしれない。 そこには保護主義や資本規制が含まれる可能性もある。 もしグローバル化が後退すれば、 中国自身が経済と政治の危機を経験することになりかねないのだ。

以上

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