素晴らしい風景!!

色々歩いた山や国内の風景等をご紹介いたします。

⛰ 懐かしの薬師岳 ⛰

2020年10月23日 | 日本百名山

黒部川源流域を囲む一角に大きく聳える薬師岳(標高 2926m)の御案内です。

《 ※写真は2014(H26)年8月31日撮影 》

 薬師岳は、薬師如来を祀る古くからの信仰の山として知られています。                 かつては立山大回峰という縦走形態の山岳修験のために登られていたといわれ、その後、山麓の有峰(ありみね)集落の人々による信仰が寄せられてきました。                      今ではその集落もダムの底に沈み、奥飛騨の秘境として知られた有峰の風情は失われてしまいましたが、折立まで車で入ることができるようになったため、登山者にとって薬師岳は、とても身近な存在になりました。   太郎平小屋に到着。

私達の登山ツアー仲間は、有峰湖に近い折立登山口から太郎平小屋のある太郎兵衛平までは何度も歩いており、ここでは太郎兵衛平から先を、ご案内いたします。 

太郎平小屋から薬師岳に向かう木道を進む。

太郎平小屋から木道をたどり、薬師峠に下り立つ。

                                                                          ここはキャンプ指定地でもあり、水場やトイレがある。

ここからは樹林帯の沢筋が登山道であり、時期によっては上部に雪渓が残り、ガレ場に道が錯綜して歩きにくい。

                                           薬師平はハクサンイチゲやミヤマキンポウゲなどが咲くお花畑に木道が伸びている。

                                        愛知大学の遭難碑があるあたりから、登山道は左に折れて、ハイマツ帯の尾根東側の小さな窪地を緩やかに登って行く。

                                        やがて薬師岳への尾根に向けて登りとなり、稜線に出ると前方に立派な薬師岳山荘が目に飛び込む。

山荘に荷を置き、防寒対策を万全にして薬師岳山頂に向け片道約1時間の散歩に出る。    登山道のザレた九十九折りの道に取り付く。

                                          稜線の西側斜面から避難小屋跡の見えるピークに向けて巻きながら登って行くと東南尾根と合流する稜線に出る。

                                        大ケルンと避難小屋跡の建つ稜線に出て、左へ進路を取ると間もなく薬師岳山頂に到着。

                                        避難小屋跡から山頂付近は尾根幅が広く、悪天候時の下りでは主稜線を間違えないよう、夏であろうとも十分な注意が必要であります。                           厳冬期の1月に愛知大学山岳部13名が主稜線を間違え東南稜に迷い込み遭難した所であります。                                             薬師岳山頂には薬師如来像が祀られた立派な祠が建っています。

                                          頂上からは北アルプスを一望する大展望が得られる予定でしたが、この日はその点が非常に残念でした。

 

🌟 薬師岳の圏谷群 🌟                                           薬師岳の山頂部、稜線東側に南陵カール・岩石氷河のある中央カール・S字状の堆石堤のある金作谷カールが標高 2600m~2700mの高さに並んでいる。

                                              この半埦状の圏谷群は洪積世(氷河時代)の氷河の作用で形成されたもので、日本アルプスの圏谷の中でもっとも、その形態が見事な氷河遺跡であるとの事であります。

 

 

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⛰ 懐かしの奥穂高岳 ⛰

2020年10月15日 | 日本百名山

高度感あふれる爽快な岩尾根をたどり穂高連峰の最高峰へ。

ここでは、「富士山」、南アルプスの「北岳」に次ぐ本邦第三位の高峰であります《奥穂高岳》の御案内であります。                                    標高 3190mの奥穂高岳は、穂高連峰の主峰であり北アルプスの盟主であります。      登山コースの1日目は上高地の岳沢から重太郎新道を登り、奥穂へ。2日目は涸沢からパノラマコース経由で上高地へ歩いた時のものです。

                                       〈※写真は2018(H30)年10月3~4日撮影〉

岳沢のガレ場を左岸に渡り返し、樹林の中の登山道に取り付く。                やがてダケカンバの疎林の中に長い鉄梯子が現れ、重太郎新道の急登が始まる。    この辺りからは、幾つもの岩場を越えて行く。

振り返れば眼下に岳沢小屋が見え、左手に乗鞍岳、中央に焼岳と言った雄大な風景が目に飛び込む。

                                            要所、要所には鎖や鉄梯子が設置され、慎重に歩を進めれば問題なく高度を稼げる。

重太郎新道の登山道は狭く、のんびり休憩できる場所は少ないが、途中に「カモシカの立場」や「雷鳥広場」、「岳沢パノラマ」と名付けられたバルコニーの様な休憩できる場所があり、充分な高度感を得られ、上高地を俯瞰できる好展望が楽しめます。

日本アルプス屈指の急登であり無理は出来ず、牛の様に一歩一歩確実な足取りで前進。 尾根上に突き出た小岩峰を乗り越し、鎖の連続する岩場を登り切ると、紀美子平に到着。

紀美子平から写真と共にご案内いたします。

紀美子平は、この登山道では最大の休憩広場となっており、ここに荷を置いて皆さん尾根から外れた前穂高岳(標高 3090m)までピストンします。                         吊り尾根から見た前穂 

前穂から戻ったら、次の目標「奥穂高岳」に向かいます。                     紀美子平から奥穂高岳までの登山道を吊り尾根と呼んでいます。

                                          吊り尾根自体はそう難しい箇所は有りませんが、岳沢側の急斜面に沿った道であり、ここまでの疲労度に応じては、慎重な歩運びが求められます。                   吊り尾根から見た左:前穂、右の2つのピークは明神岳 

                                        上高地側の景色は最高ですが、足元から目を逸らすことは出来ません。

吊り尾根の最低鞍部からは、目の前に立ちはだかる南陵ノ頭を目指す。

                                        南陵ノ頭から槍ヶ岳(標高 3180m )と右手北穂高岳(3106m)を望む 

                                           南陵ノ頭に抜ける鎖場を慎重に越えると、岩屑がなだらかに積みあがった様な奥穂の頂稜部に出る。その先に祠や方位盤のある山頂が目の前に聳える。

                                           頑張って奥穂高岳山頂を踏んだのは、上高地を出発し休憩を含めて9時間50分後であった。 山頂の方位盤  

山頂の穂高神社嶺宮 

360度の方位盤とジャンダルム 

日本第三位の山頂からの景色を充分楽しみ、山頂直下にある今日の宿「穂高岳山荘」に向け、白出のコルへ落石に注意しながら慎重に下った。                                                          中央のピークは涸沢岳(標高 3110m)

翌日パノラマコースから屏風ノ耳(標高 2565m)に登り、涸沢カールや奥穂高岳を望んだものです。

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▲ 麦草峠付近を歩く ▲

2020年10月03日 | 南アルプス

啓蟄 から7か月も山歩きを中止しており、10月に入り久し振りに山の空気を吸ってきました。

どの程度歩けるのか不安も有り、標高差の少ない麦草峠付近を6時間ほど歩いてみた。          標高 2127mの麦草峠駐車場に8時到着。

                                             40台ほど停められそうな駐車場でほぼ満杯、でも運良く1台分の空きを見つけ停めることができたが、休日であると停められなかったと思う。                                              出発時の雲は、麦草峠に近づくに連れ消え去り、気持ちの良い天気になった。だが風は冷たい。

準備を整え8時半出発。 青空の下、ルンルン気分である。                           駐車場から東に2~3分道路を戻ると、赤い屋根がシンボルの麦草ヒュッテの前に出る。

 

ヒュッテ前広場から、南側に見える熊笹の緩い斜面に取り付く、目指す丸山の斜面である。  登りだして間もなく白駒池への分岐を左に見て、直進しカラマツ林の中を登る。

丸山手前の平坦になった「丸山の森」を9時通過。

                                                                                       ここから、更に斜度を増す針葉樹林の中を登り、呼気は荒くなるが、木の間から射し込む陽光で浮き上がる苔の美しさに癒される。

                                                                                  生き生きとした原色の緑、それに付いた露がキラキラと光り、足を止め見入る。               これはと思いカメラに収めるが、中々自分の目で感じた美しさがカメラでは捉えられない。  こんな所で、改めて人間の目の素晴らしさを感じた。

頑張って足場の悪い登山道を更に登り詰め、9時40分 標高 2329mの展望のない丸山山頂に到着した。

                                                   丸山は端正な円錐形の火山で、その溶岩は西側の冷山(れいさん)標高 2193mの東腹まで、そして東側は高見石から白駒池まで伸びている。                                   丸山山頂は針葉樹が茂り、岩の露頭は少ないが、高見石では1~5mもの大岩塊が重なり合い、高さ60m程にも及ぶ岩峰を形作っている

                                                丸山から主稜線を東方向に下ると白駒池、渋の湯、中山への分岐点となり、その分岐を僅かに下ると高見石小屋に出る。到着 9時50分。

                                            小屋の右手の大岩を踏み外さぬように慎重に登り詰めると高見石の上に出る。

                                             その岩塊の上から北東方向を俯瞰すると、大樹海の中ほどに八ヶ岳最大の白駒池が見える。

                                             爽やかな風に当たりながら、360度の素晴らしい展望を楽しみ、10時20分出発点の麦草峠に向かった。高見石小屋から丸山までは登りで、丸山山頂を10時40分通過。                         その後は丸山の森までの下りと次の麦草峠までの下りを、木の根や岩、浮石に十分注意しながら一気に下る。麦草峠着 11時20分。   

そのまま国道299号線を横断し、茶水の池分岐を右折し雨池・ハ柱山方面に進路を取る。

                                             北八ヶ岳のシンボルである、シラビソ林の中の木道を進み、林床の岩や倒木を綺麗な苔がびっしりと埋め尽くし、八ヶ岳に485種類の苔が確認されているそうですが、そのほとんどが北八ヶ岳にあるようです。

                                                                                      ただシラビソは常緑針葉樹で高さがある木なので、林床まで陽光が届かず、全体の苔をハッキリ見ることは出来ません。

                                                                                                                                                                                                                                                                部分的に陽が当たり綺麗に見える苔は有りました。                             セイタカスギコケやホソバミズゴケ、チシマシッポゴケなどが多いようですが、調べても皆似ている様で、良く判りませんでした。

キョロキョロしながら歩いていると、周囲が開けた熊笹の草原になったり、再び森の中に入ったりしていると、急に明るい林道大石川線に出た。

                                              林道を左方向に10分ほど登ると雨池は右への指導標が立ち、それに従い熊笹やダケカンバなどの木立が点在する中の木道を進むと雨池の南端に出た。  12時45分 到着。

以前来た時は、雪解け水や雨水を満々と貯えた雨池であったが、今年は降雪や雨が少なかったようで、北側に僅かな水を見ることができた。見る限り水深は浅い池である。

                                             樹林帯の中の薄暗い木道を延々と歩き、急に青空が開け、雨池に出た時の解放感はたまらなくホッとした。

15分ほど休憩し、13時丁度に往路を戻り、14時05分に麦草峠駐車場に戻った。  

 

                                                                                      

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