素晴らしい風景!!

色々歩いた山や国内の風景等をご紹介いたします。

🌋 火山活動により産み出された滝 🌋

2023年10月17日 | ジオパーク

伊豆半島の歴史は、約 2000万年前にさかのぼります。                            当時の伊豆は、本州からはるか南のかなた約 800Km先の太平洋の海底に沈む火山群でした。   その後、フィリピン海プレートの北上の動きに合わせて本州に接近、衝突。                現在の半島の形になりました。これは約 60万年前の出来事です。

衝突後、20万年前までは半島上のあちらこちらで噴火 が続きました。                天城山や達磨山といった伊豆の大型火山が誕生し、現在の伊豆半島の骨格を形作ったのです。

これら大型火山の活動が終わると、日本には数少ない単成火山群の活動が始まります。           大室山に代表される『伊豆東部火山群』 の誕生です。

また、フィリピン海プレートの動きは、現在も伊豆半島を本州に押し込み続けていて、緩やかな地殻変動が伊豆の大地の多様性を今もなお育み続けています。

                              

そんな火山活動の中から誕生したジオの恵み ❝ 滝 ❞ を2つ ご紹介いたします。                まず最初は、柱状節理の見られる修善寺に近い 旭滝です。

《 旭滝 》

滝というと高さの表示があるのですが、この旭滝 は高さもあるのですが、全長 105mで6段になっているとの表示です。                                      また、この滝は真東を向いていることから、この名がつけられたとのことです。

かつての火山の地下にあったマグマの通り道が地上に姿を現した 「火山の根」 の一部です。  火山の根の側面にあたるこの場所は、横方向からマグマが冷やされたため、横倒しの柱状節理ができました。                                             正面から見ると、まるで人工的に積み上げた石垣の間を水が流れ落ちている様に見えます。

滝の展望台に登ると、石垣の様に見えた岩が柱の様な形をしていることに気が付きます。   この柱の様な岩は、マグマが冷えて固まる時に縮んでできる割れ目『柱状節理』です。

柱状節理 は、マグマが冷えた側から柱が伸びていくという性質があります。

                                    

2つ目の滝は駿東郡長泉町の町中を流れている、黄瀬川にかかる 鮎壺の滝 です。

《鮎壺の滝》

富士溶岩流(三島溶岩)の岸壁に形成された、高さ9m:幅 65m余りの滝です。

およそ10万年前、本州と伊豆との境界付近に富士山 が誕生しました。                      約1万年前に富士山頂付近から新富士火山旧期溶岩流の一つが流出し 『三島溶岩』 と呼ばれており、溶岩の亀裂や隙間は地下水の通り道となり、各地に豊富な湧水をもたらしています。

溶岩の岩質は白色の斜長石が目立つ玄武岩で、滝の上流部では浸食によって生じたポットホール(甌穴:おうけつ)が数多く観察できます。

また、富士山が発した溶岩流は愛鷹山麓に堆積する柔らかい土壌の『愛鷹ローム層』に乗り上げ、南下が止まったとのことです。

滝壺付近がオーバーハングしている原因は、三島溶岩の下にある柔らかな「愛鷹ローム層」が黄瀬川の流れによって浸食されて無くなったからであります。

そんな事で、通常観察困難な溶岩流の断面も見ることが出来るのであります。

滝壺の東側には、直径約1m、高さ約7m 、大人が立てるほどの ❝ 溶岩樹形 ❞(溶岩中に取り込まれ、焼け残った樹木の形をした穴) を見ることが出来ます。

滝の正面に架かる吊り橋からは三島溶岩の断面と、そこを落ちる何本もの滝が作り出す迫力ある景色が楽しめます。

 

 

 

コメント (2)
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