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「やる気」アップの法則―“認められたい”人たちのパワーが倍増する! (日経ビジネス人文庫) 太田 肇 日本経済新聞出版社
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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
『「やる気」アップの法則―“認められたい”人たちのパワーが倍増する』 (大田肇著、日経ビジネス人文庫)にかつてロッテ・オリオンズで監督をしていた稲尾和久氏がどこかで語っていたエピソードが紹介されています。
現在中日ドラゴンズで監督をしている落合博満は、パ・リーグのロッテにいたまだ若いころから、文字どおり「オレ流」を貫く一匹狼の選手でした。
非凡な才能を持つ彼は、それなりの成績を残すのですが、稲尾監督にとってはまだもの足りなかったようです。
そこで彼は落合選手に向かって、「自分の成績を残すよりチームに貢献することを考えてプレーしてみないか。そうすればきっと個人成績も上るはずだ」と助言したそうです。
監督の予言どおり、考え方を切り替えた年から、落合選手の打撃成績は打点もホームラン数も大幅にアップし、三冠王を3度も獲得する大打者に成長したのです。
著者は、本書の第7章「ナルシシズムの効用」の「個人主義と集団主義の調和」の項でこの話を紹介し、「会社と社会の側からすると、承認は、個人主義と集団主義、『私』と『公』を調和させるシンボルとなります」と解説しています。
アドラー心理学的に言うと、「稲尾監督が落合選手を共同体感覚に即した方向で勇気づけたエピソード」ということになります。
ちなみに著者は、モチベーションの最大のファクターとして「承認」を主張している人です。