散日拾遺

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ソラランとコウケツアツカイ/晉楚更霸 趙魏困 ~ 千字文072/「よこしま」は「横しま」

2014-07-11 06:58:13 | 日記
2014年7月11日(金)

 先生、ぜんぜん違うことなんだけど、つぎの「そららん」にあてはまる番号を選びなさいって、音声で聞いて私は一人で笑っているんです。スキャナーで読みとって音声に変えるとおもしろいことになる文字もまだあります。
 間違いではないけど、読みかえをしらなかったら意味がわからないですね。

 もちろんMさんから。
 それで思い出した、先日の食卓で。
 「試合日はコウケツアツカイ(公欠扱い)よね?」と家内が三男に。
 とたんに次男と僕が噴きだした。
 「コウケツアツカイ(高血圧会)って、どんなの・・・?」

 Mさん、わかった?
 「公欠-扱い」と「高血圧-会」なんです。
 高血圧会なんていう会はないと思うけど、このPCの日本語変換システムは迷わずそっちを選択しました。

***

○ 晉楚更霸 趙魏困
シン・ソは、かわるがわる覇たり。
チョウ・ギは、よこしまなるを困(くる)しむ。

春秋五覇、すなわち斉の桓公、晋の文公、秦の穆(ぼつ)公、宋の襄(じょう)公、楚の荘王。
中で晋と楚が、かわるがわる(更)覇者となったというのが前段。

後段は例の合従連衡(がっしょう・れんこう)の話、横とは「横暴」のことかと思ったが、そうではなくて。
函谷関の西が「横」すなわち秦を要とする連衡派の国々、東が「縦」すなわち秦包囲網である合従派の国々。
趙・魏・斉・楚・燕・韓の六国は合従策によって、秦と連衡派(横)を苦しめた(困)の意。
ただし「横に困(くる)しむ」と読み、逆に合従派が連衡策に苦しめられたとする説もあるんだそうだ。史実の流れからは、そちらに分があるんだろう。

***

 千字文からは外れるが、気づいたこと。
 「よこしま」は「邪ま」と書くのが本則で、「横(よこ)」と音が重なるのは偶然だと思っていたんだが、そうではないのね。
 「横しま」または「横さま」、「横槍を入れる」などと同じく、本来の筋目(縦)に対して道理に外れていることを表す。するとこれが本来の大和言葉か。「邪ま」の方が意味に則して漢字を拾ったわけだ。
 横ストライプのシャツなんか着てると、「横シマなやつ」とか「囚人服」とか声がかかるんだが、あながち外れでもなかったんだね。

○ 賊虜の矢、横しまに山より之を射る(日本書紀、景行天皇の九州遠征の条) 
○ 横しま風の にふふかに 覆い来れば せむ術の たどきを知らに・・・ (万葉集 904、男子 名は古日に恋ふる歌三首)

 後者はいかにも万葉らしい素朴な絶唱である。上は長歌の一部で悲運を匂わせているが、反歌を見れば意味がはっきりする。

 稚(わか)ければ 道行き知らじ幣(まひ)はせむ 黄泉(したへ)の使い負ひて通らせ

 詠み人知らずなんだが、「裁歌の體、山上(憶良)の操に似たるを以て、この次に載す」とある。
 「したへの使い、負ひて通らせ」
 憶良は良い、万葉は良い。