散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
コメント歓迎、ただし仕事関連のお問い合わせには対応していません。

あおば通信8月号 ~ 今からでも遅くない

2021-07-29 10:19:57 | 日記
2021年7月28日(水)
 続いて、発行直前の8月号。
 A君の姿勢にはブレがない。最後の一行のスジの通し方に、かつての呑気な若者の見違えるような成長ぶりを見る。
 念のために付記するが、A君自身はフルマラソン・サブフォーでテニスやゴルフの愛好家、御子息の一人は海外のプロサッカーチームで活躍中というスポーツ一家である。本来なら五輪への関心は、人後に落ちるはずのものではない。
 それとこれとは話が違う、いま本当に大事なのは何なのかと、町医者が現場から吼え続けている。
***
あおば通信
院長 A.H. R3年8月発行

【ワクチン接種の進行状況】
 6月半ばからワクチン接種を始めて1か月過ぎて、かかりつけの高齢の方はほぼ打ち終わりました。64歳以下で基礎疾患を持つ患者さんとその家族に対象を広げて毎日接種をこなしています。高齢の方では当日に発熱したり喘息発作を起こしたりして数人が接種キャンセルになりましたが、幸い別の方に注射を回してワクチンが無駄になることを回避できています。
 B市の集団接種会場は徐々に規模縮小して閉鎖になり、当院でのような個別接種が中心になりますので、市から供給されるワクチンは十分量ある様です。多くの方に接種できるように体制を整えていきますので、券が届いた接種希望の方は受付までご相談下さい。当院ではファイザー製ワクチンを扱っており1回目接種から21日後が2回目接種になり予定はずらせませんので、当日はかぜを引いてキャンセルにならないように2回目接種が終わるまでは体調管理に気を付けて下さい。

【都内感染爆発の余波】
 都内で感染爆発がおきB市にも余波が来ています。6月末から当院でも本年1月と同じぐらいの熱発者・陽性者を連日診ています。若い感染者が特に多いですが50歳前後の感染者も少なくありません。ワクチン効果かもしれませんが高齢者の陽性者はほぼなくなりました。
 問診をすると以前はテレワークしているのに熱が出てしまって不思議がっていた方が多かったのですが、最近はテレワークが少なくなって毎日通勤していたり、外食や遊びに出かけてたりする方が増えている状況です。自粛という言葉が死語になりつつあるのを感じます。
 我々医療関係者はワクチンは既に2回打っていますが、今の感染状況を考えると旅行含めて遊びに出かける気も起きませんし、感染対応の診療をずっと続けていかなければなりません。早く一昨年の自由な状況に戻ることを切に願います。

【今からでも遅くない、オリンピックは中止を】
 世論は開催反対なのに、とうとうオリンピックが始まってしまいました。東京は緊急事態宣言が出て首都圏全体に感染が広がっているにもかかわらずです。
 バブル方式で選手団と一般人は接触しないようにするとのことですが、こんな説明は言葉遊びにすぎません。選手団をお世話するのは大会に関係する者達だけですが一般人です。この一般人が選手団から感染して家庭に戻ったら一般家庭で感染が広がります。また感染爆発している都内の一般人が感染したまま選手団のお世話をしたら選手団に感染します。大会関係者はPCR検査を定期的に受けるとのことですが、検査のすり抜けは多数あり感染を抑え切れません。
 弁護士の宇都宮健児さんらが中止を求めた45万人分のオンライン署名や、他の学者・作家も集めた14万人分の署名も無視されており憤りを感じます。メディアもオリンピックの懸念材料は完全に封印して連日TV映像を流しています。どのチャンネルもオリンピックだらけです。
 当院はオリンピック開催にはずっと反対してきましたので、オリパラ期間中はTVを消す方針としました。ご了承ください。

Ω

あおば通信7月号 ~ 開催直前、現場の主張

2021-07-29 10:19:49 | 日記
2021年7月28日(水)
 発行時点で転載許可をもらっていたが、やや思うところあって掲載が遅れていたのを、8月号とあわせて紹介する。
 以前にも書いたが、Aクリニックはコロナ禍発生以来今日まで、診療活動を少しも縮小していない。来る患者は一人も拒まず、精力的にPCR検査を行い、エリアの医療が崩壊の危機にあった時期にも入院の必要な患者の受け入れ先を忍耐強く探し続けた。
 そうした町医者A君の主張である。

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あおば通信
院長 A.H. R3年7月発行

【ワクチン接種】
 当院で6月14日から個別接種が始まり、かかりつけ患者さんにようやくワクチンが打てるようになりました。B市は当初はファイザー製ワクチンの、会場での集団接種しか考えていませんでした。しかし少しでも早く接種を進めるために国と県が個別接種も同時に行うように通達を出して、市もワクチンを個別医院・クリニックに配ることになりました。
 初期にはファイザー製ワクチンはー70℃の冷凍庫で保管し、接種前に冷蔵庫に出したら5日で使い切る決まりでしたが、通常の冷蔵庫で30日まで大丈夫になったことが大きな要因です。当院では通達が出てすぐにワクチンを取り寄せて、隣のC薬局と協同作業で保管・接種作業を行っています。
 もっと早くに個別接種できていれば多くの患者さんに当院で注射を受けてもらえたのですが、早々と集団接種会場で注射した方もおり、間に合わなかったことが残念です。早々と注射した方々も何十回・何百回も市に電話して、電話もつながらず電話料金・時間もかかって大変なストレスだったとのこと。ワクチン自体がないのに、早い者勝ちと扇動して電話に殺到させる方法が間違っています。
 7月初めには当院でも高齢者への接種がほぼ終わり、順次一般の方への接種を行っていきます。基本的にはかかりつけ患者さんとそのご家族が対象です。接種券と問診票がご自宅に届いたら当院受付まで予約のお電話を下さい。ファイザー製ワクチンでは1回目接種からちょうど21日後に2回目接種を行いますので、その2日間の日程をあけておいて下さい。
 若い方や女性では2回目接種で熱発したり、だるさなど体調不良が出やすいようですので、2回目接種の翌日の仕事は休めるようにしておく方が良いかもしれません。接種当日に体調不良で接種を受けられない場合、他の方へワクチンを回したり、接種日の再調整したりすることは難しいため、2回目接種が終了するまでは風邪など引かないように体調管理して下さい。

【PCR検査の実績】
 昨年8月からPCR検査を行い、6月末までに1000人を越えるコロナ疑い患者さんにPCR検査を行ってきました。本年1月が陽性者50人と最も多かったのですが、今までに140人もの陽性者を検出してきました。コロナ疑い患者さんには駐車場の車内や隔離小屋で対応して十分な感染対策を行ったため、スタッフは誰も感染せずにすんでいます。我々スタッフは皆2回ワクチン接種を終えていますが、油断せず今後も感染対策を続けながら検査に当たっていきます。

【オリンピックは即刻中止を】
 インドで確認された新型コロナウイルスの変異株(デルタ型)が世界で猛威を振るっています。2回接種済みというウガンダ選手団9人のうち、2人もがデルタ型に感染していました。オリンピック直前になって多くの選手団を受け入れてしまえば感染者多数が来日するという事態になってしまいます。この第5波によって、「五輪株」(別名東京株)が世界へ拡散するという最悪のシナリオが予想されます。理念なき東京オリンピックの即刻中止を求めます。

Ω

コメント御礼

2021-07-23 07:42:54 | 日記
2021年7月22日(木)

 H.H. 様
> ルールにないからOK
> というような発言を封じるためにも、ルール改定するのが良いと思うのですが・・・

 ことここに至っては、そう考えたくなりますよね。「顔面に対して故意に肘を打ち当てる行為は反則」といったような。
 ただ、江戸時代の相撲では拳などを使ったかなり乱暴な「技」も見られていたようで、それが先人たちの多年の努力によって矯正され、不文律となって今日に伝えられてきたものと理解します。そうした不文律の力が著しく衰えていること自体に、角界に限らぬ日本の社会全体の変容が表れているように感じます。
 コメントありがとうございました。文中にあったアルファベット三文字の、この文脈での意味がよくわからなかったので、誤解を避ける意味で伏せたことをおゆるしください。

Ω

国技?

2021-07-18 18:08:49 | 日記
2021年7月18日(日)
 もう何度書いたかわからないが、舞の海さんが正しくも言った通り、あれは「ヒジ打ち」であって「かちあげ」ではない。腕を一杯に伸ばして振り回す横殴りのビンタは、本来の張り手とは基本的に違う。北の富士さんは「えげつない」と評して黙ってしまった。
 「かちあげ」と呼び続けるNHKにも、注意しない相撲協会にも合点がいかない。今どきの子ども達は戯れに相撲を取ることをしないから、かえって安心というものだ。これが昭和だったら「子どもが真似る」というだけで厳しい批判の理由になったことだろう。
 長いこと相撲を見てきたが、千秋楽の晩にこんなに気分の悪いのは初めてである。これが国技とすれば、何やら象徴的な気もしていっそう気が滅入る。照ノ富士にケガがなかったようなのがせめてもの幸い。顔面裂傷を負わされても不思議のない、危険で粗暴な行為だった。
Ω