一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第71期王将戦第3局に藤井竜王が勝って

2022-02-04 00:12:20 | 男性棋戦
先月29日・30日は、第71期王将戦第3局が行われた。ここまで藤井聡太竜王の2勝0敗。渡辺明王将はもう後がない。
第3局は藤井竜王の先手で、相掛かり。渡辺王将は流行りっぽい陣立てにしたが、藤井竜王のそれはお世辞にもいい陣立てといえない。しかしこの形も徐々に市民権を得ていて、近い将来「悪形」という定義はなくなると思った。
そして藤井竜王は飛車を引き、香をひとつ上がった。いわゆる「地下鉄飛車」の構想で、翌日のスポニチには、最終面にその文字が躍った。まさかこの単語が全国紙で大活字になるとは、考えたこともなかった。
ここまでほぼ互角の形勢だったが、こうなれば藤井竜王ペースである。藤井竜王には、初日からリードを奪わねば勝てない。
2日目も激戦が繰り広げられたが、藤井竜王がややリード。そこで渡辺王将が歩の王手に躱したのが問題だったらしい。どうもふたりがエアポケットに陥っていたらしいのだが、強く歩を取れば、まだ後手にも望みがあったらしい。
最後は藤井竜王が渡辺玉を鮮やかに詰まして勝ち。いつもながら、綺麗に詰ますものだ。
これで藤井竜王の3連勝となった、しかし、3局終えてこのスコアは、けっこうな将棋ファンが予想していたのではないだろうか。藤井竜王の強さの信用は、そのくらいのものである。
いずれにしても、最年少五冠+指し込みまでああと1勝である。いままで藤井竜王の七番勝負「○○○」は、第61期王位戦と第34期竜王戦があるが、いずれも第4局に勝っている。
また渡辺王将の七番勝負「●●●」は1回あり、それが3連敗4連勝となった第21期竜王戦である。
つまりこの星になったらどちらも戴冠となるのだが、さすがに渡辺王将がここから4連勝は考えにくい。
それよりも指し込みの回避が急務だ。ここまで王将戦は17回の指し込みがあるが、B級1組の挑戦者に時の王将が指し込まれたのは、第68期の一例しかない。しかも達成したのは誰あろう現渡辺王将である。
つまり、A級未経験の棋士に王将が指し込まれたケースはない。第4局は、渡辺王将がそのプライドに賭けても、負けられない一戦となる。
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